2007年1月28日、金光教泉尾教会において、布教八十年記念大祭が催され、内外からの来賓170名をはじめ約3,600人の教信徒が随喜した。
参拝者で満堂になった会堂広前 |
寒い雨の天気予報がはずれてうら暖かい一日となった1月28日午後、三宅歳雄師の布教八十年を祝うゲートやフラッグで賑やかに飾り付けられた金光教泉尾教会の正門は、大勢の参拝者で埋まった。大正から昭和と元号が変わって一カ月しか経たない昭和2年1月24日、弱冠24歳の青年教会長三宅歳雄師が、徒手空拳、新興工業地帯の泉尾の地に布教の第一歩を印して以来、80年が経過した。その正当日に当たる1月24日には、「御布教八十年御礼祭」が泉尾教会の信徒たちによって仕えられたのに続いて、日曜日に合わせて、内外からの来賓を招いての「布教八十年記念大祭ならびに記念式典」が執り行われた。
内外から大勢の来賓が駆けつけた
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故三宅歳雄師の諸宗教対話の分野における先見性と世界性については、今さら言うまでもないことである。この日も、世界各地から諸宗教団体や国際機関の代表をはじめ、国内の各宗派教団の代表ら約170名が来賓として駆けつけた。
日本一の大きさを誇る神殿の大扉が開かれた
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神式の祭典は、泉尾教会の会堂において午後1時半から、三宅光雄教会長祭主の下、五十数名の祭員によって厳粛に仕えられた。会堂2階の広前と第二祭場(テレビ中継)となった会堂1階ホールには、約3,600名の参拝者で満席となった。祭員着席の後、取次詞奏上、大麻(おおぬさ)行事(修祓)、神前拝詞奉唱に続いて、三宅善信総長による日本一の大きさを誇る神殿の扉が開扉された。続いて、神酒・鏡餅・大鯛・野菜等、20台に及ぶ大三宝に盛られた海川山野の神饌物が中正楽(雅楽の一種)の調べに乗せて神前に献じられた。
海川山野の神饌物が次々と備えられた
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ここで、この日のために作曲された御布教八十年讃歌『ひびきあうこころ』が100名を超す聖歌隊によって合唱され、その音楽に合わせて祭主三宅光雄師が、3本の蝋燭がひとつになった燭台を神前に献燈した。これは、初代の三宅歳雄師が始めた独特の祭事で、初代存命中には、三代三宅光雄師から二代三宅龍雄師の手を経て、初代三宅歳雄師が燭台を神前に進め、「三代揃っての神前奉仕」を象徴していたが、参拝した多くの教信徒の目には、おそらくその頃の様子が彷彿として、感動に目頭を熱くする人も多くいた。
神前に玉串を奉奠する祭主三宅光雄師
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その後、初代三宅歳雄師の遺徳を称える『大恩師親先生報徳拝詞』が参拝者一堂によって唱えられ、祭主による祭詞奏上、玉串奉奠、天地書付奉体・御神願奉唱が行われた。さらには、来賓を代表して、庭野日鑛立正佼成会会長、ジェームス・クリスティWFM(世界連邦運動)会長代行、金光元正師、倍巌良舜融通念佛宗管長、清原惠光延暦寺執行(代理)、上杉千郷皇學館理事長、中馬弘毅自民党行革推進本部長の7氏が玉串を奉奠し、参拝者総代による玉串奉奠、神徳賛詞奉唱で記念祭典を終了し、祭員が退下した。
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祝辞を述べる庭野立正佼成会会長とクリスティWFM会長代行
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続いて、記念式典に移り、安倍晋三内閣総理大臣とウイリアム・ベンドレイWCRP(世界宗教者平和会議)国際事務総長からの祝電が披露され、庭野日鑛立正佼成会会長とJ・クリスティWFM会長代行が祝辞を述べ、最後に、三宅光雄教会長が「本来ならば、この布教八十年記念大祭は、ちょうど十カ月前に当たる昨年3月28日に帰幽した先代教会長三宅龍雄師が仕えるべき記念大祭であった。一昨年9月15日にスタートした『五百日信行』の発願者は先代教会長であったからだ。しかし、先代教会長は最初の200日間を自らが修行し、残りの300日を私に託した。初代・二代の『師願継承』を旨に、一層の救済活動に邁進する決意である」という趣旨の教話(説教)を行ない、泉尾教会での布教八十年記念大祭は終了した。さらに、全国から詰めかけた参拝者たちを見送るために学生会による「泉尾太鼓」の奉納が行われた。
祝宴に奉納された文楽『寿式三番叟』を見入る来賓各氏
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その後、会場をG8主要国首脳会議(サミット)誘致のために大阪府が大阪市北区中之島に建設した大阪国際会議場(グランキューブ大阪)の特別会議場に移し、「布教八十年記念祝宴」が、華やかに開催された。最初に、地元大阪の伝統芸能である文楽『寿式三番叟』が、人間国宝の鶴沢寛治氏らによって上演され、三宅光雄教会長が挨拶を行った。
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西田一燈園当番、深田円応教教主、ハミルトン委員長による祝辞
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続いて、西田多戈止一燈園当番、深田充啓円応教教主、カレン・ハミルトンWCRP国際委員長らが祝辞を述べ、大森慈祥辯天宗管長、平岡英信清風学園理事長、森田俊朗和宗総本山四天王寺管長、東條仁哲真言宗犬鳴派管長、キース・ベストWFM執行理事、金光元正師、田中偉仁真生会会長、三宅壽賀子二代教会長夫人らによる鏡割りと元法務大臣で大谷学園理事長の左藤恵氏の発声による乾杯で開宴した。
左藤大谷学園理事長の発声による乾杯
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さらに、亀井静香国民新党代表代行、明石康日本国連学会理事長、安田暎胤法相宗大本山薬師寺管主、上杉千郷皇學館理事長、長塚充男眞如苑教務長、桶屋良祐念法眞教教務総長、村山廣甫曹洞宗大阪府宗務所長、スクマル・デービッドAYC(アジア青年センター)事務局長らが、次々と祝辞を述べた。
最後に、宮本けいし妙智會教団理事長の発声で万歳を三唱し、三宅光雄教会長が、実弟の三宅善信師、三宅修神戸灘教会長を伴って、「初代・二代教会長の遺徳と、諸先生方のご指導のおかげで八十年を迎えることができ、また、本日で『五百日信行』も行満したが、このことは同時に、『布教百年』のスタートであり、初代・二代教会長同様、世助け人助けの御用に邁進させていだきたい」との決意を表明してお開きとなった。
祝宴で謝辞を述べる三宅光雄教会長と善信師・修師
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また、この度の布教八十年記念大祭に合わせて、「三宅歳雄教話選集」第7弾として『神が世に出た』が刊行された。