他にもたくさんご縁の深い先生方が大勢おいでになりますのに、まさかトップバッターを仰せつかるとは思ってもみませんでしたので恐縮しております が、ご指名によりまして、ご祝辞を述べさせていただきます。布教八十五年記念大祭、誠におめでとうございます。本日1時半から執り行われました記念祭典に も参列させていただきましたが、厳粛なる大祭が滞りなく終えられましたことをまずもってお慶び申し上げます。
私は、現在WCRP日本委員会の常務理事を務めさせていただいておりますが、その中では、私自身は新参者でありまして、
東日本大震災が起きた時、もし歳雄先生が居られたならば、率先してどのような活動をされたであろうかと思いますが、きっと多大なる貢献をされたこと と存じます。また、平素からのご活動が花開いた結果、このように各宗教・宗派の先生方のお出ましに繋がっておられるのだろうとお察しします。
今、90年、100年を迎える決意を光雄先生が表明されました。私は、WCRPにおいて尽力されていた歳雄先生のお姿に接することはできませんでし たが、その祈りの力を垣間見させていただいた気がいたします。泉尾教会様が今後ともますます平和活動にご尽力されますことを祈念申し上げ、お祝いの言葉と させていただきます。本日は誠におめでとうございました。
本日は、布教八十五年の記念すべき大祭が滞りなく行われましたことを心からお慶び申し上げます。大寒に入り、寒さ厳しい中、儀式自体は非常に厳粛で ございますけれども、信仰の熱が少しも寒さを感じさせないといった、非常に張りつめた中にも有り難いひと時に参列をさせていただきました。
初代の三宅歳雄先生は、伺うところによりますと、戦後、旧境内地から現在の境内地に移転される際に、いきなり100倍以上の6,000坪の土地を求 められて「こんなに広い土地をどうするのか(経済的に立ちゆくのか)?」と周囲が心配する中で、「心配しなくても、祈り続ければ良いんだ」とおっしゃった そうです。歳雄先生は毎朝、3時に起きられて4時から2時間の祈りの塔でのご修行と、引き続き広前で信徒様の取次をずっと続けてこられました。海外に居ら れても飛行機の中でも、パッと目が覚めると3時5分…。「これからご祈念ができる。有り難い!」というような、大変信仰に徹した方であられたと伺っており ます。「泉尾の信心には一服なし」という言葉があるそうですが、大会堂が落成したその翌日も、変わらず祈り続けられたと伺っております。
歳雄先生には、私が比叡山宗教サミットの事務局長でありました時(1987年)にいろいろとご指導を賜りました。「人のためと思ってやらなきゃ巧く いかないよ」、「これを成功させようなんて思っていたら駄目だよ」というご指導をいただきました。比叡山を開かれた伝教大師のお言葉に「己を忘れて他を利 するは慈悲の極みなり」という言葉がございますが、この言葉と共通するお話として共感を覚えさせていただき「なるほどなあ」と深く感じ入った次第でありま す。
そして、二代目の龍雄先生には、私がWCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会の事務総長を務めさせていただいておりました時に、たまたま日本委員 会が30周年を迎え、いろいろとご指導をいただきました。「杉谷さん、火の玉にならなきゃ、こんな30周年なんて巧くいかないよ」と、なかなか厳しいお叱 りと共に温かく見守っていただき、無事その役目を果たさせていただきました。大変有り難く思っております。
そして光雄先生には、この曲がり角に来た日本、そして平和の問題、宗教者の連携の問題など、なんとかもう一度基本から考え直さなければならない(公 益法人法の改正に伴う問題)ということで、いろいろ教えを拝借しながら今励んでいるところであります。先ほど「布教百年を見通して頑張る」というお話がご ざいました。毛利元就の例ではございませんけれども、光雄先生を中心に、善信先生、修先生の3人がガッチリと固まって、特に、現今は宗教に対する社会の目 が大変厳しくなりつつあると同時に、また逆にものすごく期待がかけられている時代でございます。どうかお3人の力で、この泉尾教会を200年、300年の 見通しが立つように、そして私どももご指導いただけますことを切にお願いし、お祝いの言葉に代えさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。
本日は、金光教泉尾教会の布教八十五年本当におめでとうございます。宗教界とは畑違いの政治の世界からご挨拶申し上げさせていただきます。民主党政 権は、最近少々自虐的になっているところがあるかもしれません。ちょっと肩身の狭い思いをしないでもありませんが、しかしそういう中で、あらためてこの場 にお招きを頂きまして、ご挨拶をさせていただく機会を得ましたことを大変光栄に存ずる次第でございます。
今日は、おそらく、私が世界連邦国会委員会の会長を仰せつかっておりますことや、先程来からのお話にありますように、三宅先生ご一家がまさに代々世 界平和のために大変大きなご活躍、またご貢献をされており、私もそういう中で尊いご指導をいただいております関係上、お招きをいただいたと思っているとこ ろでございます。
85年と申しますと、今から83年前の1929年にウォール街の株の暴落を機に始まった世界恐慌…。その結果、アメリカは修正資本主義の道を歩み、 ロシアや中国は共産化の道を歩み、広大な植民地を持っていたフランス、イギリス、スペインはブロック経済政策によって植民地からの搾取をより強くすること によって生き残り、そして、広い領土や資源を持たなかった日本、ドイツ、イタリアは国土拡張政策(戦争政策)をとるという道筋がありました。そういう中 で、北欧のデンマーク、スウェーデン、ノルウェイなどは福祉国家の道を歩みました。それぞれ紆余曲折ありましたから、どの道が正しかったのか判りません が、ドイツは第1次世界大戦で敗れ国民の気持ちが疲弊し、日本は関東大震災の後の復興をどうするかと、大変な歩みの中での選択でした。
今、国境を越えて国際連合ができていますけれども、私は、個々の国家の主権を残したままの国連方式ではなく、社会制度や通貨を統一したEU方式をよ り拡大し、世界連邦の道を歩んでいくそのことが究極の平和運動とも思いますし、またその中で、善きにつけ悪しきにつけ平和について世界の宗教界がいろんな 形で絡んでいることは紛れもない事実であります。その世界の宗教界で対話と相互理解を進めていただくことが、世界平和の最も尊い道筋であろうと思います。
その中で、政治の世界で精一杯私どもは平和への道を歩んでいかねばなりません。泉尾教会八十五周年、その歴史の中で先ほど教会長先生が万感の思いを 込めて「申し上げたいことは山ほどあるけれど…」とおっしゃられたそのお気持ちを、私どももしっかりと体しながら、今後の活動に
最も親愛なる光雄先生、本日お集まりの宗教界をはじめ各界の先生方。
まず最初に、この世界的にも重要な信仰共同体を創設された「親先生」であるところの三宅歳雄先生の先駆者としてのご努力と、その働きを日々継続して おられる三宅家ご一統様の努力によって仕えられたこの布教八十五年記念大祭に、布教八十年記念大祭に続いて再びお招きいただいたことは、私の最大の喜びで あり、また、栄誉であります。
新たな一里塚への私の心からの敬愛の念と深甚なる祝意をどうかお受け取りください。私の何人かの同志たちからの祝意をお伝えすることもお許しくださ い。ウイニペグ大学総長にして、WFM(世界連邦運動)会長であり、カナダの前外務大臣でもあるアクス・ウォーシー卿。世界連邦運動の執行理事長にして、 難民問題と人権問題の専門家として際だった業績を有する弁護士であり、元英国議会の議員でもあるキース・ベスト氏。さらには、世界連邦運動の事務総長にし て、ノーベル平和賞にノミネートされているウイリアム・ペース氏…。彼らはすべて、三宅先生の国際的な働きと布教活動に対して崇敬の念を抱き、これを心か ら支持しています。
われわれはまた、この輝かしい機会において、三宅家の皆様方に祝意をお伝えしたいと思います。そして、1年弱前に、東日本に壊滅的な打撃を与えた大 地震から日本の人々が力強く復興していることに対して、われわれも皆様への連帯の気持ちを引き続き持ち続けたいと思います。日本の皆様には、引き続き、われわれの思いと祈りと共にあっていただきたい。
私にとりまして、この記念大祭の一翼を担うことが、2007年の布教八十年記念大祭の時、泉尾教会の神前で祝辞を述べさせていただいた時のように、 この祝宴で祝辞を述べさせていただくことは、大変喜ばしいことであり、かつ、名誉なことであると思っております。何故なら、私にとりまして、今年は、フィ ラデルフィアで開催された世界連邦運動の第20回世界大会の折に、私が三宅歳雄先生に初めてお目にかかってからちょうど25年の佳節に当たるからでありま す。
私の人生の半分になろうとする長い期間、三宅歳雄先生をはじめ三宅家のご一統様と、友人として、また、同志として、一緒に楽しく活動することができたことを誇りに思います。金光教泉尾教会と三宅家の物語は、
われわれは、それを実現するため、文字通り世界中を飛び回って宗教的調和と平和のために、共に働き、取り組んできました。
世界連邦運動の国際宗教委員会であろうと、過去五年間のG8宗教指導者サミットであろうと、三宅家の三世代の先生方は、カレン・ハミルトン博士や私 同様、熱心な指導者でありました。社会正義や地球環境や国際的な相互理解や平和実現のための揺るぎない取り組みを言葉と行動の両方においてなされました。
光雄先生。私は、あなたが2008年に大阪と京都で開催されたG8宗教指導者サミットの運営委員長としてこれを受け入れられることによって、『ミレ ニアム開発目標』の実現に対して、計り知れない貢献をされたことを覚えています。また、善信さん。私は、あなたがそのサミットの事務局長として、そのサ ミットが順風満帆に運営されるように、疲れを知らない努力とまことに効果的な人材やプログラムの配置をなさったことを覚えています。これはまさに、三宅家 と金光教泉尾教会の85年間に及ぶ活動の賜物であります。
カナダの先住民たちには、彼らのスピリチュアルな伝統において、「メディシン・ホイール」と呼ばれる4分割された輪があります。それぞれが白(空 気)・黄(火)・赤(水)・黒(大地)に色分けされ、バッファロー・ワシ・オオカミ・クマという動物があてがわれ、─陰陽五行説のように─それぞれの要素 が相互に補完し合うことによって、全き世界を創り上げているという考え方です。
今日ブリティッシュ・コロンビア州と呼ばれているカナダの太平洋岸の地域に暮らす先住民のハイダ族に伝わる「トーキング・スティック(言葉を話す棒)」と呼ばれる「棒」の伝承があります。それは、諸部族に伝わる「グレート・テーブル」(註:文字が縦横斜めに詰め込まれた「魔法陣」あるいは「曼荼羅」のようなもの)において、すべての存在が、それに相当する位置と音があることを確証します。
たとえ太平洋を挟んではいても、われわれは隣人同士であります。 私の心においては、われわれはひとつの家族です。 世の終わりまで、それが継続しますように。
(原文は英語)