2月16日から18日にかけて、バンコク市内のアジアホテルを会場に、AYC(世界連邦アジア青年センター:会長三宅光雄泉尾教会副教会長)の第1回アセアン青年ネットワーク会議が開催され、アセアン10カ国の代表をはじめ約120名が参加した。
AYCは、1984年にインドのマドラス(現チェンナイ)において、WAC(世界連邦アジアセンター)の青年組織として結成され、インド・ネパール・スリランカ・バングラデシュなど南アジア(インド亜大陸)各国を中心に、約8,000人の会員(公務員・教育関係者・会社経営者らが主な構成メンバー)を要する社会奉仕活動団体である。これまでにも、学校や孤児院の建設・運営、職業訓練、ストリートチルドレンの保護、少女売春の防止、女性差別の撤廃等の活動を各地域で活発に行ない、当該地域の行政府や国連をはじめとする国際機関からも高い評価を得てきた。
AYC会長として挨拶を行う三宅光雄副教会長 |
しかしながら、これまでは、西アジアのイスラム圏や東南アジアの上座部仏教圏各国における活動が不十分であったので、この活動をアセアン(東南アジア)地域にも拡大するため、この地域で唯一、活発に活動していたAYCタイ支部が中心になり、初めてのAYCアセアン青年ネットワーク会議が開催されることになった。会議に先立ち、2月16日には、三宅光雄会長がAYC国際事務局(チェンナイ)からジェームス・アルプサラジ執行理事会議長から、活動報告を受けた。
17日午前9時(現地時間)、バンコク市内のアジアホテルを会場に、AYC第1回アセアン青年ネットワーク会議が始まった。会場には、バンコク駐在のアセアン各国の大使をはじめ約120名が参集した。最初に、WACタイ支部長のピチャイ・トビビッチ博士(チュラロンコン大学名誉教授)より歓迎の挨拶が行われ、主催者を代表して三宅光雄AYC会長が開会の挨拶を行った。その他、タイ国政府青年局のシエイノ・K・アユダハヤ事務総長とタイ国首相府のパニット・ニティハンプラパス上級秘書官らが挨拶に立った。
アジアホテルで行われた開会式の模様 |
開会式に続いて、同国の著名な仏教指導者のプーラ・D・ワイラヤアン師が、『青年の倫理と道徳について』と題して、記念講演を行った。その後、基調講演の発題を受けての分科会が行われ、活発な意見の交換が行われた。
同日、午後からのセッションでは、AYCの幹部(国際執行理事)たちとアセアン各国から参加した青年たちが、東南アジア地域におけるAYCの活動の展開について、意見の交換を行い、希望に満ちた話し合いとなった。これまで、17年間、インド亜大陸ではかなりの成功を収めたAYCが、社会風土の異なる東南アジア地域において、いかなる活動が展開され得るかが楽しみである。
南アジアや東南アジア地域においては、ミャンマー・ラオス・カンボジアなどの一部の国を除き、ほとんどの国では、日本よりもITが普及している。AYCでは、一昨年以来、毎月日を決めて、各国委員会での活動報告をインターネットを通じて、行っており、旧知のメンバー同士は言うまでもなく、今回、実際には初めて出会った者同士であっても、既にネット上では、随分と意見交換等を行っていたので、お互いの基本的な考え方を理解し合っており、すぐに打ち解けて、核心に迫る議論ができたことは、IT時代の新しい国際協力のあり方のひとつのモデルとなるであろう。
パトリアット聖下と会見する三宅光雄師とトビビッチ博士 |
翌、18日には、三宅光雄師は、タイ国仏教最高位のスプレム・パトリアット聖下を表敬訪問し、貴重な会見の機会を得た。その際、三宅師は「宗教者が自らの助かりだけでなく、世のため人のために使っていただくことこそ、真の宗教者の働きである」と、語りかけると、パトリアット聖下は「神道指導者に会うのは初めての経験であるが、今後とも共に世界の平和を祈り、共に活動してゆきましょう」と堅い握手を交わし、三宅師に灌頂(タイの習慣で、祝福の水をかけること)の儀式を行った。その後、三宅光雄師は、AYCタイ支部を訪問。タイ支部としての活動の視察を行った。
|