■人間救済への実践を積極的に
新年明けましておめでとうございます。金光教泉尾教会におかれましては、本年正月に布教八十年の慶事をお迎えとのこと、重ねてお祝い申し上げます。
さて本年、比叡山では、貴教会を始めとした内外の宗教団体のご協力のもと、「比叡山宗教サミット二十周年」が予定されております。各地の紛争紛議は解決には遠く、地球規模での環境問題は深刻化し、国内においても青少年及び家庭を取り巻く諸問題に人間性の喪失感が漂うなど、世相は深刻なる混迷に在ると言わざるを得ません。
かかる折なればこそ、われわれ宗教者は徒(いたずら)に悲観することなく、各宗教が互いに協力して、共に語らい、共に祈り、人間救済への実践を積極的に進めるべき時と存じます。二十周年が切なる祈りと真摯(しんし)な努力の場となりますよう、泉尾教会の皆様にも絶大なるご支援、ご協力をお願い申し上げます。
末文ながら皆様のご多幸をお祈り申し上げて、年頭のご挨拶といたします。
■「源」を振り返り平和に貢献
平成十九年の年明けとともに、いよいよ1月28日には「御布教八十年記念大祭」を挙行されますこと、心からお祝いを申し上げます。
思えば昨年3月、三宅龍雄先生のご逝去に驚き悲しんだことが、つい昨日のことのように偲ばれます。けれどもその後、宗教者の集まりなどで、先生のご遺志を継がれて活躍されるご子息・光雄先生のお姿を拝見するたびに、わが事のように嬉しく喜びを感じております。
さて、私も本年5月に「卒寿」を迎える身となり、いま「源」を振り返る大切さを痛感しております。日蓮大聖人のご遺文に「源遠ければ 流れ長し」とあるように、遙かなる人類の歴史を、私たちが「源」を忘れて途絶させてはなりません。貴教会の栄えある歴史も大恩師親先生、二代親先生という「源」を大切に発展を遂げられ、90年、100年と刻み続けていただき、今後も私たちと手を携えて世界平和に貢献されることを期待しております。
■家庭をととのえることが平和の根本
昨年は、「第8回WCRP世界大会」が京都で開催されました。大会の運営にあたりましては、光雄先生、善信先生に多大なるご支援を頂きました。帰幽された歳雄先生、龍雄先生の御遺志を胸に、先頭に立ってご尽力くださいましたことに、改めて御礼申し上げます。
今回の世界大会では、この世の様々な暴力が取り上げられ、共にすべてのいのちを守るための方途が議論されました。各国委員会も年々増加し、平和に向け、確実な進展があったと受けとめています。
しかし、世界大会の議論は一時のものです。肝心なのは、私ども一人ひとりの心であり、日常の生活のあり方であろうと思います。
特に、家庭は、人間にとって最も重要な場です。自分の家庭がととのわなければ、世界の平和といっても空論に終わってしまいます。やはり、一番おおもととなる心が平安であって、家庭がととのうことが、世界平和の基礎となるわけです。
世界の平和と申しますと、とても大きな問題のようにとらえてしまいます。しかし本当は、「家庭の平安」即「世界平和」につながる??このことを、お互いさま、肝に銘じたいものであります。
■いのち輝く平和な世界を
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年を顧みますと、海外では中東紛争の激化や北朝鮮の核問題、国内では殺人・虐待・子どもたちの自殺など暗く悲しい出来事が多く報道された年でございました。本年こそ平安で穏やかな良い年となりますよう、尊い命が守られる社会となりますよう、神さまに祈らずにはおれません。
さて、一昨年には世界連邦を国是とする国会決議が衆議院にて採択されるという画期的な出来事がございましたが、昨年秋には民族大量虐殺や人道に反する罪、戦争犯罪を国際社会が裁く機関「国際刑事裁判所(ICC)」の設立条約に日本が批准することを政府が表明し、本年中の条約加盟に向け準備が進められております。このように、世界連邦の実現に向け着実に歩が進められてお
りますことは、大変喜ばしいことでございます。
世界連邦の理念であります「すべての国の人々がひとしく法と秩序と正義に守られ、一人ひとりのいのち輝く、争いのない平和な世界」が一日も早く実現されますよう、皆さまと共に祈り、共に努力して参りたいと強く念願しております。
宗教的使命を遂げる力
京都から世界に向けて発信された「気候変動枠組条約・京都議定書」が一昨年二月に発効しました。2008年から四年間に温室効果ガスを一定数値に削減することを義務づける「議定書」は、採択から発効まで、6年間を要してようやく締結を見たものです。この問題から見えてくることは、国際間の協調や連携を抜きには実現不可能であるということであります。それとともに、世界を覆うグローバリズムの波は、こうすればよいという正解が見えない、しかも、人間存在の根源に向けて困難な課題を投げかけて来ています。
このような課題を眼前にして、私はいま、如来の真実義をかかげて歩んできた悠久なるいのちの世界と歴史に想いを馳せるのであります。それは時代を超え社会の現実を貫いて、人々の心に届いてきました。歴史のうえに培われてきた営みに真摯(しんし)に学びつつ現実の課題に取り組むかぎり、その営みは、必ずや時代社会に宗教的使命を遂げる力となっていくと確信いたします。
■家庭本来の役割を回復するよう
「21世紀は心の時代」と言われていますが、現実には、人間の拠って立つべき拠り所が失われているとしか言えない事件や社会的な現象が後を絶ちません。
「われさえよくば、今さえよくば」といった利己的、刹那(せつな)的な考え方が蔓延し、現代社会の混迷を一層深めています。
このような心が荒(すさ)んだ現象は、本来人間が人間としてあるべき生き方の基本を示す場である家庭に要因があると私は考えています。子供たちにとって、最初の先生である両親の家庭での言動が非常に重要ですが、家庭内外の環境が大きく変化した結果、逆に家庭の教育力が低下してきていると言われています。健全な家庭こそが社会の基盤であり、夫婦および親子の強い絆の上に家族本来の役割を回復・維持するように説き、導くことが、私たち宗教者に課せられた共通の使命であると思います。
今こそ、われわれ宗教者が拠り所を失っている人々に、生きることの意味を広め、そして、一人ひとりが使命感を持って、人の心をどのように幸せにしていくかということを真剣に考え、行動していかなければなりません。
天理教では、「感謝・慎み・たすけあい」を陽気ぐらしへのキーワードとして世の中に提示しています。人びとが心豊かに暮らせる世に建て変わるよう、世界たすけに邁進(まいしん)を誓う次第です。
合 掌
■問題はわれわれ自身の意識にある
金光教泉尾教会の皆様、新年のお慶びを申し上げます。
今、世界は、分断、分裂、対立、抗争、そして規範崩壊などの様相を呈し、人類一人ひとりの人間性の喪失や荒廃は著しく、このまま進んでゆくと、人類の未来は一刻の猶予もならない事態を迎えることになります。この機に臨んで、宗教者はいったい何をなすべきなのか。私は、人類の未来は予言するものではなく、創造してゆくものである、と思っています。そして、今ほど人類一人ひとりの意識改革が必要欠くべからざる時はない、と思っています。
すべてのいかなる問題も他から発せられるのではなく、外から生ずるものでもなく、あくまでも人類一人ひとりの心の内に潜む、不平不満、狭量、虚栄、残虐、貪欲、競争、限りなき所有欲、そして自我欲望達成から引き起こされているのであります。問題はわれわれ自身の意識そのものにあるのです。
それを克服するためには、あらゆる宗教宗派を超えて宗教者が一丸となって、真の祈りの意義ある行動を起こすことであります。真の祈りの力を示すことにあります。真の祈りとは、人類一人ひとりに内在する神性(仏性)を引き出すことにあります。これこそ、今、宗教者に求められている課題ではないでしょうか。
■宗教者は共に手を携えて
新年のお慶びを申し上げます。
今、日本も、そして世界も、行き先の不透明な混沌とした状態に包まれてしまいました。科学の最先端は、人倫を超えた領域に踏み込み、テロリストは無差別な殺戮(さつりく)を繰り返し、子供たちはひどい虐待を受け、お互いに不信頼と憎しみが満ち溢れています。
宗教者は善悪の共通認識を信じ、共に手を携えることができると確信し、人類共存の可能性を求めつつ、誠実に歩むべく連携を深めています。
今回も金光教の三宅善信様からお呼びかけいただいたことを深く感謝申し上げます。これからも真理の光を見つめつつ、ご同伴させていただきたいと存じます。
■宗教者は人々の手本となって
新年、明けましておめでとうございます。
昨年は貴教会に於かれましては二代教会長様のご帰幽という大変悲しい出来事がありましたが、新教会長様のもと、今年は「布教八十年記念大祭」という記念の年を迎えられること、洵(まこと)におめでとうございます。
また、日頃の世界平和促進に対する貴教会のご活躍には衷心より感謝申し上げる次第であります。
さて、現下の世界を眺めますと、北朝鮮核問題、テロ組織の暗躍、中東紛争問題など全世界を恐怖で震撼させる出来事が多く見受けられております。また、日本の国内では精神的荒廃が進み、相次ぐ小中学生の自殺など、聞く耳を疑うような事件が頻発(ひんぱつ)しております。
私たち、宗教者は遍(あまね)く全てのものに愛を施し、人々の手本を示し、宗教・思想・国境を越えて共に祈り、世界平和実現のために邁進(まいしん)して行きたいと念願するものであります。共に一層のご精進に励まれるようご期待申し上げます。
■宗教文化や学術の底力
アメリカがイラク戦争を仕掛けたとき、世界の多くの国は厳しく批判した。ブッシュ大統領はそうした世界の世論に耳を貸さなかった。その背後にはネオコン(新保守主義)とよばれる勢力やキリスト教の原理主義的な勢力があったと報じられている。日本の宗教界も反対の声をあげたが、大きな声にはならなかった。日本の国益、とりわけ経済的利益を重んじるためには「国際貢献」をしなくてはならないという声の方が大きかったのだ。
だが、長期的に見てどうだったか。イラクの惨状は「民主化のための代償」といえる域を大きく超えている。アメリカ合衆国にはさまざまな長所があり、学ぶべきところは学びつつも、大事なときには日本にふさわしい道を歩くことができるような姿勢が弱かったのではないか。宗教文化や学術の底力が足りなかったと言えるだろうか。
日本の自立のために、また国際平和を支える力を強めるために、宗教文化や学術の側面から貢献していく必要はますます高まっている。
■真に豊かな人生を歩むためには
新年明けましておめでとうございます。
三宅教会長をはじめとする金光教泉尾教会の皆様方は、宗教による心の平安だけにはとどまらず、教育、文化、社会福祉をはじめ多岐にわたる分野で非常に重要な役割を果たされて参りました。
現在の日本国は、物質的には世界でも有数の豊かな社会となりました。しかし、残念なことにその一方で、心の荒廃、凶悪犯罪、青少年問題、倫理観の低下などが社会問題として噴出しております。
もちろん、私ども政治家も懸命に努力しておりますが、これらの問題の解決には、宗教界を担う皆様方の叡智によるご助言、ご指導、ご協力が是非とも必要だと考えております。
なにより私たち一人ひとりが真に豊かな人生を歩むためには宗教および宗教的行事を通じて育まれるすなおな信仰心や生命の尊重、自然に対する畏敬の念、他者への感謝や慈愛の気持ちを大切にしていかなければならないと心から思います。
皆様におかれましては、日ごろの献身的な宗教活動に対して深甚なる敬意を表するとともに、今後のご健勝、ご活躍を心よりご期待申し上げ、お祝いの言葉とさせていただきます。
■人生の流れをどう受けとめるか
9・11のテロ以来、世界は宗教を巻き込んだ、冷戦時代とは異なる型の混迷の時代に入りました。故ヨハネ・パウロ2世が「どんな戦争も宗教的理由をもって正当化することはできない」と述べられたのも、世界的な宗教戦争を防ぎたいとの思いからのことです。
自爆テロは自らの死を前提にしたテロで、軍事力だけで防ぐことは不可能です。そうした行動に出る精神的な原因を取り除くことが不可欠です。わが国の現状もテロこそ頻発はしていませんが、親の子殺し、子の親殺しが頻発し、不満の捌(は)け口が暴力やいじめに向かっています。
人間が生まれ、社会の中で生活し、子どもを生み育て、そして死んでゆくという自然の流れをどう受けとめるか、宗教者の皆さんはそのことを考える機会を多くの人々に提供していただきたいとお願いします。
■思いやりあふれる社会づくりに
金光教泉尾教会の皆様には、ご家族とご一緒に、輝かしい2007年の元旦をお迎えのこととお喜び申し上げます。
また、皆様には、日ごろから大阪府政の推進に格別のご理解、ご協力をいただき、厚くお礼を申し上げます。
さて、近年、いじめや児童虐待の問題をはじめ、子ども同士が傷つけあい、そして大人が子どもを傷つける痛ましい事件が続発しています。子どもたちは、自分の夢や目標を持てず、物事に本気で取り組めないまま、気持ちやエネルギーのやり場をなくしてしまっているのではないか。そして、大人たちも、自分の生き方や、子どもたちと向き合うことに自信を失ってしまっているのではないかと思います。
こうした中、皆様には強い信心のもと、心の豊かさを大切にしながら、人々の幸せづくりのため、様々な活動に取り組んでおられます。皆様のご活動を大変心強く思いますとともに、そこから思いやりと慈しみの輪が大きく拡がり、思いやりあふれる社会づくりにつながるものと期待申し上げます。
大阪府では、次代を担う子どもたちを社会全体で健やかに育んでいくため、大人も子どもも今一度、命の大切さを確認するという原点に立ち返るとともに、「ええもんはええ」「あかんもんはあかん」という当たり前のことを再確認し、自分自身を見つめ直す「こころの再生府民運動」を展開しています。こうした取組みを進めていくためには、皆様のご支援がぜひとも必要ですので、今後とも大阪府政の推進に一層のご協力をお願い申し上げます。
結びに、金光教泉尾教会の今後ますますのご発展と、皆様のご健勝、ご多幸を心からお祈りいたします。
■相互に理解を深め心豊かに
新年、あけましておめでとうございます。
皆様方には、ご家族とともにお健やかに新春をお迎えのことと、心からお喜び申しあげます。
近年、国の内外を問わず、人々を不安に陥れ、生命や財産を脅かす事件や事故、紛争や災害が相次いで発生し、国際社会の平和と安定は大きな危機に直面しております。
こうした中、人々が恒久平和を希求し、相互に理解を深め、尊重しあい、心豊かに生きられるよう、宗教者が果たされる役割は誠に大きく、三宅教会長のもと、金光教泉尾教会の皆様方の一層のご活躍を期待申しあげます。
大阪市では、住み働く人々がいきいきと輝き、ゆとりと豊かさを実感できるまちづくりを進めるとともに、内外から多くの人・もの・情報が集まり、新しい文化や産業を生み出す活力と魅力に満ちた「創造都市」の実現をめざしており、今後とも皆様方のご理解とご協力を賜りますようお願い申しあげます。
金光教泉尾教会のますますのご発展と、皆様方のご健勝、ご多幸を心からお祈り申しあげまして、ごあいさつといたします。