< 2007年度上期活動報告 >

  

会長ごあいさつ
ローマ教皇ベネディクト16世に謁見
WCRP第8回世界大会を
全面的に支援
英国でIARF拡大執行理事会
平和のための
宗教者大阪シンポジウム
タスクフォース会議
会長WFM国際理事会に出席
イスラムとつきあう法
世界連邦日本大会に参加
2007年度下期活動報告



あなたも人類共栄会の会員に

世界各国に支援と救済の輪を広げる人類共栄会に、あなたも参加しませんか。年会費は、一般会員が1口3,000円、賛助会員が1口3万円です。会員のみなさんには、会費や寄付金が有効に利用されていることをご理解戴くために、年次報告書をお送りいたします。

集まったお金は世界各地の
救済・援助の費用として
役立てています。

たとえば・・・



あなたのご参加を
お待ちしております。
人類共栄会事務局まで
〒551-0001 
大阪市大正区三軒家西3-8-21

Tel.06-6551-0049
Fax.06-6553-7073
www.relnet.co.jp/jinrui


  会長ごあいさつ

人類共栄会が新体制になって、足かけ十年が経過いたしました。その間、創設者の三宅歳雄師はもとより、昨春には二代会長の三宅龍雄師が帰幽し、不肖、私が会長の重責を担うことになりましたが、まだまだ私の力不足で、本会に潜在する能力を十分に発揮できずに終わっていることは、誠に申し訳ないことと思っております。

 その間、圧倒的なアメリカの軍事力と、その攻勢に対して正面から反撃できない人々がテロという手段を採ることによって、一般市民を巻き込んだ形で、中東から世界中に拡大してしまった暴力の応酬は申すまでもなく、インド洋大津波や各地で頻発した大地震、さらには、地球温暖化によると思われる巨大台風や集中豪雨などの異常気象の続発など、人災天災で世界はますます住みにくくなりました。

 国内に目を転じても、新自由主義経済の導入による格差社会と、本来ならばより責任あるべき社会的地位にある人々の規範の崩壊や、一生懸命頑張っても将来の自分に希望を持てなくなった青少年の刹那主義的な生活態度は、社会を荒んだものにさせてしまいました。

 このような世界において、人類共栄会の果たすべき役割はますます大きなものになっています。幸い、人類共栄会は毎年、3,000万円を超す予算で、世界の各地で、戦争や自然災害の被災者をはじめ、貧困や疾病などに苦しむ人々を支援させていただくことができましたが、まだまだその働きは、創設者の意図されたものからはほど遠い感がいたします。

 どうぞ皆様、人類共栄会の働きをひとりでも多くの人に伝え、より大きな活動が展開できますように、倍旧のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

  ローマ教皇ベネディクト16世に謁見


2006年10月14日、三宅光雄会長は、バチカンのサンピエトロ大聖堂前特設会場において、世界十億人のカトリック教会の最高指導者であるローマ教皇ベネディクト16世に謁見した。

 人類共栄会とバチカンとの関係は深く、初代会長の故三宅歳雄師が人類共栄会を創設した翌1952年(昭和28年)、ローマを訪れた際に、時の教皇ピオ12世と会見したことに端を発する。爾来、創設者は、歴代の教皇に数度にわたって会見し、全世界規模で平和と福祉を推進しているカトリック教会との協力関係を構築してきた。


ローマ教皇と言葉を交わす三宅会長

 二代会長の故三宅龍雄師も、1990年(平成2年)に教皇ヨハネ・パウロ2世と謁見したが、2005年4月にヨハネ・パウロ2世が薨去され、新たにベネディクト16世が教皇に即位されてからは、人類共栄会としては、初めてのバチカン訪問となった。

 教皇との謁見に続いて、諸宗教間対話評議会を訪れた三宅光雄会長は、1年前に泉尾教会に来訪されたF・マチャード次長と、8月に京都で開催された第8回WCRP世界大会へのバチカンの協力に対する謝意と、今後の協力体制について会談した。

 こうして、人類共栄会では、世界の指導者たちと交流を図って事業を展開している。


  WCRP第8回世界大会を全面的に支援


2006年8月26日から29日まで、100カ国から500名の宗教指導者と国内2000名の宗教関係者を集めて、国立京都国際会館で世界宗教者平和会議(WCRP)第8回世界大会が、『平和のために集う諸宗教――あらゆる暴力をのり超え、共にすべてのいのちを守るために』をメインテーマに開催され、世界大会受け入れ委員会副委員長を務めた三宅光雄会長はじめ100名以上の会員が参加、ボランティア活動など人類共栄会を挙げて参加した。


▼36年ぶりに日本で開催

 8月26日、日本で36年ぶりに開催される第8回WCRP世界大会が『平和のために集う諸宗教――あらゆる暴力をのり超え、共にすべてのいのちを守るために』をテーマに開幕した。色とりどりの民族衣装や法衣をまとった世界各国から来日した宗教指導者500人と、国内からの参加者2,000人で満堂となった国立京都国際会館の大ホールには、「地球感謝の鐘」の音が鳴り響いて開会式が始まった。


開会式で祈りを行う三宅会長

 開会式では、W・ベンドレイ国際事務総長や国際管理委員会議長を務めるヨルダン王国のハッサン殿下が主催者側の挨拶を行い、小泉純一郎首相が祝辞を述べた。壇上には、特別ゲストとしてイランのM・ハタミ前大統領や教皇ベネディクト16世の特使の濱尾文郎枢機卿や渡邊惠進天台座主の姿も見えた。

 L・キシコフスキー副議長に促されて、世界の十大宗教の代表の一人として、三宅光雄人類共栄会会長が開会の祈りを行った。WCRPの創設に尽力された人類共栄会初代会長故三宅歳雄師、また、その第1回世界大会に、運営部長として実務上の諸準備を担われた二代会長故三宅龍雄師もさぞやお喜びのことであろう。

 昼食休憩を挟んで、『あらゆる暴力をのり超え、共にすべてのいのちを守るために』と題する全体会議Tが開催され、ベンドレイ事務総長の議事進行で、核開発をめぐってアメリカ政府と鋭く対決しているハタミ前大統領や、H・キュング地球倫理財団総裁他がディスカッションを行った。

 また、『共にすべてのいのちを守るための紛争解決』と題して全体会議Uが、世界教会協議会中央委員会のA・アボーム博士の議事進行で、常に問題を抱えるパレスチナと隣接しているヨルダンのハッサン殿下や、十数年前には血みどろの民族紛争を繰り広げた旧ユーゴのイスラム教最高指導者M・セリッチ師他が実態に即した紛争解決のプロセスについて意見交換を行った。

 さらに、夕方からは、@『紛争解決研究部会』、A『平和構築研究部会』、B『持続可能な開発研究部会』と三つの部会に分かれて、それぞれの分野の専門家たちが世界大会の期間中に話し合うべき事柄の枠組みについて協議した。中でも、K・ハミルトン博士と共に、「持続可能な開発研究部会」の共同議長を三宅光雄会長が務め、世界大会の“運営”だけでなく、“内容”そのものについても、大いに貢献した。


▼環境問題にも注意を喚起


 会場大ホール前ロビーには、『STOP +2℃』と命名されたディスプレイが展示され、来場者の目を集めた。この展示は、「いかに戦争を防げたとしても、人類がこのままのペースで化石燃料を燃やし続けたら、地球温暖化によって早晩、大都市の集中する平野部は、極地の氷河が溶け出すことによる海面上昇で水没し、2016年には生物種の大量絶滅が始まるかもしれないから、宗教者も地球温暖化防止に大いに取り組もう」ということを一目で見て解るようにした展示である。


小泉首相らVIPと歓談する三宅会長

 大きな水槽内に、忠実に再現された各大陸のジオラマが配置され、南極の氷に見立てた“氷柱”が国際会館の室温によって自然に溶け出すことによって、各大陸の低地が次第に水没していく様を再現したものである。三宅会長がNGO諸団体の副委員長として参加して1997年に開催された第3回温暖化防止会議で、世界の首脳が集い歴史的な『京都議定書』に署名した会場でもあるこの国立京都国際会館において開催されるWCRPの世界大会で、是非とも世界の宗教指導者に訴えかけたい中身のひとつでもある。


各国の代表者らと共に会議に出席

第二日目は、サブテーマ毎に三部に分かれて研究部会が行われ、さらに、各研究部会の中に、専門分野別に三つの作業部会を形成し、より突っ込んだ話し合いが行われた。中でも、B研究部会である『持続可能な開発』研究部会内の三つの作業部会:『子供とHIV/エイズ』・『貧困撲滅』・『環境』のひとつである『環境』作業部会のコーディネータを人類共栄会の三宅善信理事が務めて、堪能な語学力と幅広い知識をもとに、この日と翌28日の二日間に及ぶ『環境』作業部会をほとんど一人で取り仕切った。


▼あらゆる機会を通じて対話を


 大会三日目となった8月28日は、朝から、『共にすべてのいのちを守るための持続可能な開発』と題する全体会議Wが、インドのシャンティ・アシュラム事務局長のV・アラム博士の議事進行で行われ、ノルウェイのC・ボンデヴィック前首相やウガンダのイスラム最高会議のS・ムバジェ法律顧問他が討議を行った。

この日も、前日に引き続き、九つの作業部会に分かれてディスカッションが行われ、それぞれの作業部会からの提言がまとめられた。三宅善信理事には『環境』作業部会のコーディネータとして、『環境』作業部会の結論を如何に多く、これから数年間のWCRPの活動方針(優先順位)を決める国際管理委員会の議題に盛り込んでいくかを腐心した。この後、九つの作業部会に分かれていたものが、三つの研究部会に集約され、『持続可能な開発』研究部会の共同議長として、ハミルトン博士と共に三宅光雄会長が議論の集約と調整を行った。

 大会最終日の29日は、アフリカ司教会議議長のJ・オナイエケン大司教の進行で、三つの研究部会からの報告があった。冒頭、『持続可能な開発』研究部会を代表して、共同議長としてハミルトン博士と共に登壇した三宅光雄会長は、同研究部会からの討議の成果の報告と、新しく選出された国際管理委員会に申請する活動の要約を行った。同様に、『紛争解決研究部会』と『平和構築研究部会』からも報告が行われ、今回の世界大会の実務上の会議はすべて終了し、引き続き閉会セレモニーが執り行われた。


  英国でIARF拡大執行理事会


10月6日から8日まで、英国オックスフォード大学において、IARF(国際自由宗教連盟)の拡大執行理事会が開催され、近年の財政危機と組織上の混乱に終止符を打つための緊急避難的措置として、国際事務局を日本へ移転することが議決された。


真剣な議論が行われた拡大執行理事

 今回は、審議される内容が重要かつ緊急性を要するため、正・副会長、財務委員長ならびに3名の執行理事に、国際評議員の中から特に各地で指導的な働きをしている4名を加えて10名による拡大執行理事会が開催された。日本からは、執行理事の山野井克典立正佼成会理事長(代理)とIARF日本連絡協議会を代表して国際評議員の三宅善信人類共栄会理事の2名が出席した。

 会議の内容は、3月に台湾で開催された第32回世界大会の事後評価や、2005年度の決算、2006年度の予算、2007年度の活動計画をはじめとする通常の執行理事会の審議事項に加えて、数年来の財政不振を招いた原因究明のための『改訂版行動計画』の評価ならびに、2006年3月に当時の会長等執行部と対立して契約任期半ばで事務総長を事実上の解任されたダリル・バリア博士問題への対処をめぐって起こった混乱に対する収拾策が討議された。

 特に、事務局業務の停滞と混乱を収束させるために、IARFの解散まで視野に入れて真剣に討議された結果、これまでの通常年間予算約20万ボンド(約4,500万円)を約8万ポンド(約1,800万円)規模に縮小して国際事務局体制を維持すると共に、諸経費の高くつく英国から国際事務局機能を日本に移転することが決議された。


  平和のための宗教者大阪シンポジウム


2006年8月30日、第8回WCRP世界大会に参加した海外の宗教者の7名と、三十数年前にWCRPを生み出す母体のひとつとなった大阪国際宗教同志会主催による『平和のための宗教者大阪シンポジウム2006』が泉尾教会で開催された。
泉尾教会では、まず記念植樹を行い、引き続き、会堂広前において諸宗教代表による『世界平和の祈り』が仕えられ、金光教、キリスト教、イスラム教、仏教、神社神道の順にそれぞれの形式で平和の祈りを行った。


泉尾教会で行われた「世界平和の祈り」

 さらに、会場を神徳館国際会議場に移して、海外からの宗教代表者と地元大阪国際宗教同志会の有志によるシンポジウムが三宅光雄会長の議事進行の下、二時間半にわたって持れ、WCRP世界大会で話し合った内容について、ヨルダン、レバノン、ジンバブエ、パキスタン、インド、カナダ、オーストラリアからの参加者が、国宗の先生方に報告すると同時に、国宗会員の先生方からレバノン情勢をはじめとする様々な問題について質疑応答が行われた。


主催者として挨拶を行う三宅会長


  タスクフォース会議


11月17日、泉尾教会において、IARF(国際自由宗教連盟)の将来像について検討する予備タスクフォース会議が開催された。

 本会議は、10月初旬に英国で開催されたIARF拡大執行理事会におけるIARF国際事務局の日本移転決議と、その後のIARF日本連絡協議会の協議で、その受け入れ先が泉尾教会に決まったことを受けて、アビ・ジャナマンチIARF会長と欧米におけるIARFの最大支援団体であるユニテリアン・ユニバーサリスト協会(UUA)のビル・シンクフォード会長を招いて開催された。

 この日の会議には、三宅光雄会長をはじめ、国際事務局管理官に就任予定の三輪隆裕日吉神社宮司、国際評議員の三宅善信師、日本連絡協議会代表の一燈園の西田多戈止当番、岩崎均椿大神社部長(山本行恭国際評議員の代理)らが出席して、12月中旬にボストンのUUA本部で開催される公式のタスクフォース会議に先だって、事務局業務の国際分掌について協議した。



  会長WFM国際理事会に出席


2006年10月28日に、ニューヨークで開催されたWFM(世界連邦運動)の国際理事会に、WFM国際副理事長として、三宅光雄人類共栄会会長が出席した。


国際副理事長として発言する三宅会長

 WFMは、第二次世界大戦の反省から、1947年にスイスで創設された国際NGOである。WFMは、主権国家のみを構成要素とした国際連合とは別の方法、すなわち、各国政府の主権を制限することによって真の世界連邦政府を樹立して、世界平和の実現を目指した運動であり、あのアインシュタイン博士もこの運動に大きく関わった。日本では、WFM創設初期から湯川秀樹博士や人類共栄会創設者の三宅歳雄師らが積極的に関わってきた。

 冷戦後の世界秩序においては、従来は戦争によってその国を攻め滅ぼす以外の方法では国際社会が介入することができなかった「国家の指導者(独裁者)による人道への罪」を裁くために、WFMが世界の主なNGOに呼びかけ、139カ国の政府が署名して、オランダのハーグに「国際刑事裁判所」が設置された。三宅光雄会長は、WFMの最有力構成団体であるAYC(アジア青年センター)の会長として、WFMの運動に大きな貢献をしており、国際副理事長として、規約の改定を主な議題とした今回の国際理事会をリードした。

 この日は、穏やかな天気に恵まれ、終日、来場者の歓声がこだました。なお、今回のバザーの売上金1,604,000円は、全額、人類共栄会を通じて海外での救援活動に寄付された。


  スラムとつきあう法

10月2日、泉尾教会で開催された大阪国際宗教同志会の平成18年度第3回例会で、同志社大学神学部教授で同大学一神教学際研究センター研究員の四戸潤弥氏が『イスラム世界とつきあう法』と題して基調講演を行った。

 四戸教授は、1979年のイラン革命に触発されたイスラム原理主義勢力の動きは、2001年「9.11同時テロ」事件以前と以後とでは大きく異なることについて触れ、イスラム側から見た論理展開について解りやすく説明した。



  世界連邦日本大会に参加 


11月4日、第26回世界連邦日本大会が、『世界連邦運動の新たな幕開け』をテーマに、1,000名を集めて中之島の大阪市中央公会堂で開催され、世界連邦近畿協議会会長を務める三宅光雄会長以下、人類共栄会から約60名が参加した。

 地元高校生による開会アトラクションに続いて、大会長植木光教世界連邦推進日本協議会会長の挨拶。また、太田房江大阪府知事や關淳一大阪市長らが来賓挨拶を行った。その後、政策フォーラム(2005年夏、衆議院において「世界連邦建設」の国会決議が行われたことを受けて)が行われ、支部の活動報告が行われた。

 さらに、日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャン氏の『みんな地球に生きるひと』と題する記念講演が行われ、最後に、日本大会の副大会長を務めた三宅光雄人類共栄会会長が閉会の挨拶を行い、全プログラムが終了した。