7月9日から13日まで、カナダ・マニトバ州のウイニペグ大学を会場に、第26回WFM(世界連邦運動)世界大会が開催され、三宅光雄人類共栄会会長をはじめ、世界各国から世界連邦運動に携わる政治家やNGO関係者など約70名が参加して開催された。
日本における世界連邦運動の歴史は、尾崎行雄・湯川秀樹・賀川豊彦らが一世を風靡した終戦直後にまで遡るが、ここ四半世紀は、世界連邦推進日本協議会をはじめ、多くの関連団体に分かれてまったく別々に運動を展開しているのが現状である。
一方、ニューヨークに国際事務局を置くWFM本部は、国連経済社会理事会に諮問資格を有する千以上の国際NGOの意見を糾合して、戦争犯罪等の「人道に対する罪」を冒した独裁国家の現役指導者をも裁ける画期的な機能を有した国際刑事裁判所(ICC)をオランダのハーグに設置させることに成功して以来、国際的に大変注目を集めるNGOに成長したが、日本国内における世界連邦各運動体が、WFM本部と人事や政策的にほとんど乖離状態に陥っている現状がある。
第1副議長の受諾演説をする三宅光雄会長
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今や、グローバル政策の提言機関として有給スタッフとインターン合わせて約50名もの事務局体制を敷くWFMには、世界各国の財団や研究機関から次々と資金提供の申し入れがあり、年間予算の95%以上を外部からの寄付金で賄っており、日本人に求められているのは、迅速な国際情勢の正確な認識と確固たる意思表明をすることである。
第26回世界大会に先立ち、7月9日午後、現評議員による最終の国際評議員会が開催され、2011年度国際評議員会の議事録承認、執行理事長の報告、評議員会議長の報告、次期役員指名委員会からの報告、規約委員会からの報告、正副各メンバー組織からの活動報告等が行われた。また、この日の夕方、歓迎レセプションが開催された。
翌10日朝、第26回世界大会が正式に開幕した。会長挨拶、事務総長報告、会計報告、活動報告等が行われた後、WFM会長選挙が行われ、ウイニペグ大学の総長でもあるロイド・アックスウオーシー卿が会長に再選された。続いて、執行理事会によって推薦された各活動部会のメンバーおよび部会長の人事が承認され、役員改選の準備(立候補者の紹介等)が行われた。
午後からは、@国際正義・法規約・人権部会、A平和・人間の安全保障・紛争予防部会、B国連改革・グローバル統治部会、C地球規模での環境と経済のコントロール部会の4部会に分かれて会合を行い、再度、集合して、国連「議会」総会に関する基調パネルを行った。
WFM世界大会で選出された国際評議員諸氏
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11日朝、次期国際評議員の最終候補者名の公布が行われた。続いて、ICC十周年についての基調パネルが行われ、候補者名簿を選考委員に委ねた。午後に開催された全体会議で、国際評議員をはじめとする53名の役員の選挙が行われた。夕方には、4つの活動部会がそれぞれ分科会を行った。
翌12日は、午前中、新たに選任された国際評議員による評議員会が開催され、評議員会議長、執行理事、財務委員長、運営委員長等を互選し、意思決定機関である評議員会の議長には、ジェームス・クリスティ博士に代わってフェルナンド・イグレシアス氏が選ばれた。続いて、これまで第2副議長であった三宅光雄AYC(世界連邦アジア青年センター)会長が第1副議長に、ピーター・ルッフ氏が第2副議長にそれぞれ選出された。任期は次期世界大会まで。さらには、いくつかの法定事項の決議と次回の評議員会の開催地の決定等を行い、新評議員会は閉会した。
午後からは、新執行理事会が開催され、市内の人権に関する施設見学や晩餐会を行い、翌13日午前中の公開フォーラムの開催をもって、第26回WFM世界大会関連行事がすべて終了した。