< 2013年度上期活動報告 >
  

会長ごあいさつ
UNHCRとシリア難民を支援
オランダで
IARF欧州中東会議開催
サウジ国王提唱の
国際対話会議に参加
アフリカの自由選挙に貢献
平成24年度総会開催
東日本大震災に義捐金
  自然災害と宗教文化について検証
世界宗教者平和の祈りの集い
AYC総会参加者募集
会長 宗教者有隣会を結成
  2012年度下期活動報告



あなたも人類共栄会の会員に

世界各国に支援と救済の輪を広げる人類共栄会に、あなたも参加しませんか。年会費は、一般会員が1口3,000円、賛助会員が1口3万円です。会員のみなさんには、会費や寄付金が有効に利用されていることをご理解戴くために、年次報告書をお送りいたします。

集まったお金は世界各地の
救済・援助の費用として
役立てています。

たとえば・・・



あなたのご参加を
お待ちしております。
人類共栄会事務局まで
〒551-0001 
大阪市大正区三軒家西3-8-21

Tel.06-6551-0049
Fax.06-6553-7073
www.relnet.co.jp/jinrui


人類共栄会では、集まったお金は
世界各地の子どもたちの
救済・援助のための
費用として役立てています。

あなたのご理解とご協力を
お待ちしております。




  会長ごあいさつ

三宅光雄会長
三宅光雄会長
 人類共栄会員の皆様には、健やかに新しい年をお迎えになられたことと思います。

 日本では、昨年末の総選挙を経て政権が交代いたしました。三年三カ月間に及ぶ壮大な「社会実験」は、まさに大言壮語ばかりで、ほとんど成果を得ることなくして失敗に終わりました。その間、東日本大震災という未曾有の自然災害がこの国を襲ったという不運はありましたが、想定外の事態に対処することこそが指導者の責務とすれば、この国の政治のレベルはあまりにも低いと言えましょう。

 否、政治家のレベルが低いのではなく、そのような人を政治家に選んでいるわれわれ日本人自身の「民度が低い」と言えるでしょう。世界の多くの国では、とっくの昔にリーマンショックのダメージを克服して、国によっては「次の危機」に直面している国もあるというのに、わが国はその間ずっと「鍋底」のような景気低迷に甘んじてきました。

 また、昨今、長年日本固有の領土であった島々に、周辺国が堂々と国際法違反の挑発行為を繰り返しておりますが、残念ながら、政府やマスコミはそれに対する有効な手段を講じることすらできていません。恵まれていることに安座して、相手がウンザリするまで徹底的に話し合うことなく、面倒がって途中で説得を諦めてしまっているからです。

 「四方の海 みなはらから(同胞)と 思ふ世に など波風の 立ちさわぐらん」は、明治天皇の御製であります。人類共栄会では、言語・民族・宗教・文化等の異なる世界中のあらゆる人々が、相互に尊重しあって暮らしてゆける世界の創出の願っております。このことを実現するためにも、皆様の一層のご理解とご協力をお願いいたします。



  UNHCRとシリア難民を支援

檜森隆伸UNHCR協会事務局長から感謝状を受ける三宅会長
檜森隆伸UNHCR協会事務局長から感謝状を受ける三宅会長

 12月3日、三宅光雄会長は、日本におけるUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の窓口団体である国連UNHCR協会を訪れ、同協会の檜森隆伸事務局長とシリア難民問題について話し合った。

 シリアでは、一昨年、北アフリカ・中東地域に吹き荒れた「アラブの春」の影響によって、親子二代にわたって独裁体制を敷いてきたアサド大統領側と反政府勢力側とが内戦状態になったが、シリアには石油天然ガス等の資源がないため、たとえ内戦に介入してこれを終結させたとしても「得るもの」がないので、同じ長期独裁国家であったリビアの場合と異なり、欧米を中心とする国際社会からも放置されており、数多くの国民が戦闘を逃れてトルコ等へ難民として流出しているが、支援が不足している。

  そのような現状を踏まえて、人類共栄会では、UNHCRからの要請に応えて、前年の「ソマリア難民支援」に続いて、今回はシリア難民への支援活動のために10万円を寄託した。


  オランダでIARF欧州中東会議開催

三宅会長の名代として開会式で挨拶する善信理事
三宅会長の名代として開会式で挨拶する善信理事

 7月19日から22日まで、オランダの地方都市ヌンスペート近郊の会議研修施設を会場に、IARF(国際自由宗教連盟)のEME(欧州中東地域会議)が開催され、欧州ならびに中東の12カ国・地域から約70名が参加し、『リベラルな宗教:立ち止まるのか、何かの役割を演じるのか、さらに前進するのか』をテーマに、当該地域におけるIARFが抱える今日的課題について話し合った。

 19日の開会式では、EME議長のW・ダイクストラ女史が開会宣言を行い、地元オランダを代表してアト・イペンバーグ師が歓迎の挨拶を行った。続いて、直前にカナダで開催されたWFM(世界連邦運動)の第26回世界大会に「副理事長」として出席したため、今回のEME会議に参加できなかった三宅光雄IARF会長の名代としてこの会議に参加した三宅善信人類共栄会理事が、「東日本大震災の際に欧州から寄せられた義捐金に感謝すると共に、原発事故による不自由が日本社会に大きな変革をもたらせている。いかなるNGOにとっても資金と人材を集めることが欠かせないが、それが『できない』という人は正直ではない。その人はその努力を『したくない』という思いをごまかすために、いろいろな理由をつけて『できない』と言っているだけである。今回のEME会議を通じて、われわれは自己犠牲を払いつつ、自ら進んで何をなすべきかを探らねばならない」と檄を飛ばした。

 20日は、A・マコール教授が『経済学的観点から見た宗教的少数派』という野心的なテーマの基調講演を行った。続いて、国際事務局員のR・パピーニ氏から2010年9月にインドで開催された第33回世界大会以後の進捗について報告され、その間に北アフリカや中東地域を大きく変えたSNSによる社会変革の機会を捉えて、IARFでもウェブサイトをはじめSNSを最大限利用して活動を広めてゆく旨の報告がなされた。夜には、国際役員や事務局や地域代表の間で、数多くの非公式会合が行われた。

会議研修センターの屋外での閉会式の模様
会議研修センターの屋外での閉会式の模様

 21日は、「EMEの現状と課題」、「中東における出会いプログラム」、「欧州議会とIARFの関係」、「国連経済社会理事会の一員としてのIARF」等、多くのテーマについて分科会が催された。夕方にはEMEの意思決定機関である「総会」が持たれ、人事等が承認された。夕食後には「文化イベント」が行われた。

 22日は、野外ホールで閉会セレモニーが行われた。次回のEME会議は2016年に英国で開催される予定。なお、EME会議に引き続き、4月に大阪で開催されたIARF国際評議員会で決議された二つの活動部会の内のひとつ「平和活動部会」の初めての会合が23日まで行われ、三宅善信氏はこの会合の委員にも選出された。


  サウジ国王提唱の国際対話会議に参加

KAICIID開所式典でのアブドラ国王の祝辞
KAICIID開所式典でのアブドラ国王の祝辞

 サウジアラビアのアブドラ・ビン=アブドゥルアジズ国王の肝いりによって創設されたKAICIID(アブドラ国王国際諸宗教・諸文化対話センター)のサウジとスペインに続く三カ所目のセンターがウイーンに開設されたことを記念して、11月26日、世界各国からイスラム教・キリスト教・ユダヤ教を中心に約200名の宗教者と社会活動家が招待されて、ウイーン市内のヒルトンホテルで開催された。主催者からIARFも招待され、三宅光雄会長の代理として三宅善信人類共栄会理事が参加した。

 この日のワークショップは、最初に「紛争管理」と「文化的プログラム」、続いて「青年」と「宗教教育」というセッションに分かれて、世界の各地で活躍する約20のNGOがその活動に関するプレゼンテーションを行い、参加者との間で熱心な質疑応答を行われた。三宅善信氏は「紛争管理」に関するセッションで、宗教的・民族的マイノリティの人権擁護について積極的に発言した。

 夕方には、神聖ローマ皇帝として長年、欧州に君臨したハプスブルグ家が650年間にわたって居城としたホフブルグ宮殿に会場を移し、パン・ギムン国連事務総長やサウジの外相ファイサル殿下らをはじめ約800人の招待客を集めて、KAICIIDウイーンセンターの開所式典が行われ、サウジ国王、スペイン国王、オーストリア大統領らがビデオメッセージを寄せ、晩餐会が行われた。三宅善信氏は、この会場において、現在、「ガザ地区」で一般市民に多くの犠牲者が出ているイスラエル・パレスチナ紛争について、イスラエルのデビッド・ローゼン首席ラビと意見交換をし、また、アサド大統領と反政府勢力との間で内戦状態になっているシリアのマル・イブラヒム大主教とも意見交換を行い、人類共栄会の貢献の可能性について探った。


  アフリカの自由選挙に貢献

IFAPA会長のイシュマイル・ノコ博士と
IFAPA会長のイシュマイル・ノコ博士と

10月28日から30日まで、南アフリカのヨハネスブルグで、全アフリカ大陸から120名を集めて、第4回IFAPA(アフリカにおける平和のために行動する諸宗教)サミットが開催された。アジアから招かれた二人の内のひとりとして、人類共栄会の三宅善信理事が出席した。この会議には、宗教指導者だけでなく、議員や大使や開発関係の国際機関の代表も参加して、具体的かつ積極的なディスカッションが二日半にわたって行われた。

 今回のテーマは『アフリカのおける自由で、公正な民主的選挙』をいかに実のあるものにするかというものであり、「アラブの春」という社会変革で、長年におよぶ独裁体制に終止符を打った北アフリカ諸国から、内戦の続く中央アフリカ諸国、制度的には欧米並みの民主主義体制が確立されているにもかかわらず、多くの社会的問題を抱える南アフリカのような国々の間で、いかに民主主義を確立してゆくかが問われている。

エジプトの国連代表による基調講演
エジプトの国連代表による基調講演

 最終日には、南アフリカ共和国のズマ大統領の名代としてR・アロイ大臣も臨席した今回のIFAPAサミットには、アフリカ民族宗教ブードゥーの法王であるダダ・ウナ2世陛下もフル日程で出席され、数の上で優位なキリスト教徒やイスラム教徒を中心に展開されるディスカッションに大いに問題提起をするなど、民族的・言語的・歴史的・宗教的背景の異なる50カ国以上の代表が議論を展開した。


  平成24年度総会開催

平成24年度総会の模様
平成24年度総会の模様

 8月15日、人類共栄会の平成24年度総会が金光教泉尾教会で開催された。

 司会の小島宏理事が開会宣言に続いて、廣瀬彰理事が開会挨拶を行い、香西俊雄事務局長から、平成23年度の活動報告ならびに決算報告がなされ、平成24年度の事業計画と予算案が説明され、満場一致で承認された。

 最後に、三宅光雄会長が挨拶を行い、人類共栄会の活動方針を示して、総会は無事、閉幕した。


  東日本大震災に義捐金

 2万人を超す死者・行方不明者を出した東日本大震災の発生以来、人類共栄会では、青年会員を被災地に派遣して復旧活動に協力したり、被災者への義捐金や現地で各種の活動を行っている諸団体への支援金を提供してきたが、平成24年度は、大阪センターの被災地復興支援活動を通じて、434,958円を寄託した。


  自然災害と宗教文化について検証

カリフォルニア大学で発表する三宅善信理事
カリフォルニア大学で発表する三宅善信理事

  11月3日、カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)で国際シンポジウム『宗教と自然災害』が開催され、日米欧から6名の学者が研究発表を行った。開会に当たり、国際シントウ・ファウンデーションのキャサリン・マーシャル理事長(元世界銀行総裁顧問)らが祝辞を述べた。

最初に、薗田稔京都大学名誉教授が『カオスとコスモス:震災復興の宗教文化』と題して、茂木栄國學院大学教授が『3・11津波被害と神社についての信仰解釈』と題して、三宅善信人類共栄会理事が『災害ユートピアと宗教』と題して、ファビオ・ランベッリUCSB教授が『地震の神学:前近代日本における自然災害と宗教文化』と題して、ドミニク・ステアーヴUCSB助教授が『終焉の大洪水:中国宗教史における終末と原初』と題して、ステファニア・トゥティーノUCSB教授が『キリスト教と終末』と題して、それぞれの研究発表と質疑応答を行った。

大いに盛り上がったパネルディスカッション
大いに盛り上がったパネルディスカッション

 続いて、先の6名でパネルディスカッションが行われ、フロアも交えて大いに議論に花が咲いた。直前に米国東部を大型ハリケーンが襲い、大きな被害が出ただけに、欧米の研究者も年々激化する自然災害とそれに対処する社会の側の問題について真剣に討議を重ねた。


  世界宗教者平和の祈りの集い

サウジのアル=ヒーダン宗教大臣顧問らと
サウジのアル=ヒーダン宗教大臣顧問らと

8月3・4両日、京都洛北宝ヶ池の国立京都国際会館と延暦寺広場を会場に、比叡山宗教サミット25周年記念「世界宗教者平和の祈りの集い」が、内外から千名余の参加者を集めて開催され、三宅光雄会長も列席した。

 3日、国立京都国際会館で開催された今回の比叡山宗教サミット25周年記念行事は、世界仏教徒連盟会長やローマ教皇やサウジアラビア宗教大臣らがそれぞれメッセージを寄せた「式典」に引き続き、未曾有の被害を出した東日本大震災を受けて、『自然災害の猛威と宗教者の役割――3.11大震災と原発事故への反省と実践――』と題して、哲学者の梅原猛氏が基調講演を行い、各国の宗教指導者がそれぞれの教義に基づいて、自然観や救済観について議論を交えた。なお、アサド独裁政権に対する国民の反発から内戦状態になっているシリア正教会のアレッポ大主教のマール・イブラヒム師から「緊急声明」が発表された。

国立京都国際会館で開催された記念式典
国立京都国際会館で開催された記念式典

 同日の晩には、国際会館に隣接するグランドプリンスホテル京都を会場に歓迎レセプションが開催され、三宅会長は、多くの参加者たちと旧交を温めた。また、翌4日の午前中にも、国際会館を会場に『原発事故が提起したエネルギー問題と宗教者の立場』をテーマにフォーラムが開催された。

 4日の午後には、会場を滋賀県大津市の比叡山頂の延暦寺根本中堂前広場に移し、特設ステージ上での少年少女たちによる献花に続いて、内外の宗教代表者が登壇して「平和の祈り」が行われ、全山に「平和の鐘」の音が響き渡たり、『比叡山メッセージ2012』が発表された。なお、人類共栄会では、創設者の故三宅歳雄師が第1回比叡山宗教サミットで中心的な働きをして以来、毎年、会長もしくは理事長がこの行事に列席している。


  AYC総会参加者募集

第8回カトマンズ総会の模様
第8回カトマンズ総会の模様

 世界連邦アジア青年センター(AYC=三宅光雄会長)では、本年5月にスリランカの古都キャンティで、第9回総会を開催する。

 AYCは、人類共栄会の創設者故三宅歳雄師が設立した国際社会奉仕組織で、南アジアの11カ国を中心に、数千人の青年たちが各地で開発援助・社会奉仕・災害救援活動等を実践している。

 人類共栄会では、5月にスリランカで開催される第9回AYC総会に参加する青年を募集しているので、参加希望者は事務局まで申し込んでいただきたい。


  会長 宗教者有隣会を結成

宗教者有隣会発足会合の様子
宗教者有隣会発足会合の様子

 12月13日、三宅光雄会長の呼びかけに応じて、明日の日本宗教界を担う芳村正徳神習教教主、田中庸仁真生会会長、岡野正純孝道教団統理、坂田安弘神道禊教教主、黒住宗道黒住教副教主、本山一博玉光神社権宮司の5名が金光教泉尾教会に集った。

 この集まりは、組織中心の硬直化した日本の宗教協力体制に一石を投じるもので、具体的な問題に対して、実際に取り組んで行くことを目的としている。この日の発足会合においては、会の名称を『論語』里仁篇にある「徳は孤ならず、必ず隣有り」から「宗教者有隣会」と命名された。

 なお、この会には、この日は都合で欠席した宮本けいし妙智會理事長と宍野史夫神道扶桑教責任役員も正式会員として名を連ねている。