< 2014年度上期活動報告 >
  

会長ごあいさつ
フィリピン台風被災者を支援
会長 世界宗教者平和会議
(WCRP)第9回世界大会に出席
WCRPと人類共栄会創設者
NYで世界連邦運動理事会
平成25年度総会開催
JLC当番事務局を務める
  2013年度下期活動報告



あなたも人類共栄会の会員に

世界各国に支援と救済の輪を広げる人類共栄会に、あなたも参加しませんか。年会費は、一般会員が1口3,000円、賛助会員が1口3万円です。会員のみなさんには、会費や寄付金が有効に利用されていることをご理解戴くために、年次報告書をお送りいたします。

集まったお金は世界各地の
救済・援助の費用として
役立てています。

たとえば・・・



あなたのご参加を
お待ちしております。
人類共栄会事務局まで
〒551-0001 
大阪市大正区三軒家西3-8-21

Tel.06-6551-0049
Fax.06-6553-7073
www.relnet.co.jp/jinrui


人類共栄会では、集まったお金は
世界各地の子どもたちの
救済・援助のための
費用として役立てています。

あなたのご理解とご協力を
お待ちしております。




  会長ごあいさつ

三宅光雄会長
三宅光雄会長

 人類共栄会員の皆様には、健やかに新しい年をお迎えになられたことと思います。昨年は、東京オリンピックの招致成功やアベノミクスの効果もあってか、二十年続いた経済不振の出口が見え、社会に明るさが増してきたように思えますが、被災地の復興や原発事故の後始末は遅々として進まず、また、日本の周辺では、領土的野心を剥き出しにした近隣諸国が無謀な挑戦をエスカレートさせています。

 そんな中で、太平洋の遙か南方の小笠原諸島の西之島付近に、海底火山の噴火によって突如として「新しい島」が出現するという瑞兆がありました。日本の国は、神代の昔から、次々と海中から出現した島々によって形成されたと神話は伝えています。ですから、今回の新島出現は、まだ神々がこの国の人々を幸わっておられるのだという証でもあります。

 今回出現した新島は、まだ広さが甲子園球場の二倍ぐらいで、標高もせいぜい30メートルほどの「小島」に過ぎませんが、私たちの目に見えない海中には、水深4000メートルの太平洋の海底から屹立した富士山よりも高い大海底火山という「根っこ」があり、その上に「ちょこっと顔を出している」のが今回の新島なのです。われわれは、つい「眼前の現象」に目を向けがちですが、物事が目に見える形になって現れるためには、計り知れない自然の作用や先人の苦労があって初めて「形になって現れる」のです。

 人類共栄会では、数多くの国際会議への出席や難民や被災者の支援活動を展開してきておりますが、それらの多くは、本会の創設者や長年にわたって本会の活動を支えてくださった会員の皆さまのご支援があったればこそのことであります。今回の新島出現は、そのことをわれわれに気付かせてくれました。逆に、たとえ、なかなか効果が現れないようなことでも、皆さまのもう少しのご支援が加われば、海面上に姿を現すことができるかもしれません。引き続き、本会へのご支援ご協力をよろしくお願いいたします。



  フィリピン台風被災者を支援

インペリアル副領事と被災状況について話す三宅理事
インペリアル副領事と被災状況について話す三宅理事

 11月13日、三宅善信理事は、会長の名代として在大阪・神戸フィリピン共和国総領事館を訪れ、895hPaという観測史上最強クラスの台風30号のレイテ島への直撃によって、数多くの犠牲者が出たフィリピンの人々に対してお悔やみを述べ、また、甚大な被害を受けた人々へのお見舞いの言葉を伝えると共に、この日の緊急呼びかけによって集まった義捐金153,960円をドミニク・インペリアル副領事に寄託した。

 人類共栄会本部のある大阪市大正区はそのほぼ全域が海抜0メートル地帯で、各種の防潮設備が整う1960年代まではしばしば高潮の被害を受けた経験を有する会員も多く、1959年、東海地方に甚大な被害をもたらせた伊勢湾台風の際には、名古屋に500名の奉仕員を派遣したこともある。

 


  会長 世界宗教者平和会議(WCRP)第9回世界大会に出席

世界各国から数多くの宗教者が参加した
世界各国から数多くの宗教者が参加した

 11月20日から22日まで、オーストリアのウィーンにおいて、世界宗教者平和会議(WCRP)の第9回世界大会が『他者と共に生きる歓び』をテーマに開催され、世界百余カ国から約600名の宗教指導者をはじめ国連・各国際機関関係者、政府代表等が参加した。人類共栄会からは、日本の正式代表を務めた三宅光雄会長をはじめ3名が出席した。

  1970年に第1回世界大会が京都で開催されて以来、WCRPの世界大会は、これまで5年に一度の割合で、欧州・北米・アフリカ・豪州・欧州・中東・日本と世界の各大陸を巡回して開催されてきたが、前回の世界大会から今回まで7年もの期間が空いてしまった。その間に、世界を取り巻く情勢は、「テロとの戦い」の時代から「アラブの春」に見られるような市民ひとり一人が世界相手に情報を発信してゆく時代へと激変した。

 今回の世界大会は、ウィーン市内のホテルを会場に『他者と共に生きる歓び』をテーマに開催され、世界各地から約600人の宗教指導者をはじめ国連・各国際機関関係者、政府代表等が参集したが、その半数は、この7年の間に新たにWCRPに加盟した国々からの代表たちが占め、よく言えばこれまでの慣例に流されることなく新しい視点から会議を進行することができるが、悪く言えば、WCRPが長年積み上げてきたこれまでの経緯を無視した「思いつきの発言」によって、その場凌ぎの会議の中身になってしまう可能性がある。

ベンドレイ事務総長と三宅会長
ベンドレイ事務総長と三宅会長

  今回の世界大会の最大の特徴は、サウジアラビア国王が創設したKAICIID(アブドラ国王国際諸宗教・諸文化対話センター)が共催団体となって、ヒト・モノ・カネで全面的にバックアップしているという点である。それゆえ、従来の欧米のキリスト教や最大の支援国であった日本中心の会議構成からアラブ中心のそれへと変換しており、中東やアフリカからの参加者が増えた半面、日本からの参加者数が激減した。今大会の日本からの正式代表枠は、三宅光雄会長を含めてたった5名分しかなかった。 

 色とりどりの装束に身を包んだ世界各国からの宗教指導者が一堂に会する中、開会式は11月20日の朝から始まった。L・キシコフスキー実務議長の下、パン・ギムン(潘基文)国連事務総長からの祝辞をはじめ、F・ムアマアルKAICIID事務総長やエラ・ガンジー女史(マハトマ・ガンジーの孫)やW・ベンドレイ事務総長が挨拶を行った。続いて、『子供の保護』に関する特別セッションが行われ、ユニセフのL・バリー局長らが発題を行った。

分科会で環境問題について発言する三宅会長
分科会で環境問題について発言する三宅会長

  午後からは、本大会のテーマである『他者と共に生きる歓び』と題する全体会合が行われ、サウジアラビアのA・ビン=バッヤ地球刷新センター会長や米国ユダヤ人協会のD・ローゼン国際局長らが発題と討論を行った。その後、今大会の四つのサブテーマ、すなわち、@「紛争予防・解決を通して」、A「正しく調和のとれた社会を通して」、B「地球を尊重する人間開発を通して」、C「諸宗教教育を通して」に分かれて分科会を行った。環境問題を審議する第3分科会に出席した三宅光雄会長は、「人間が環境を改善するというよりは、まず、『地球に感謝する』という姿勢が大切である」と力説して、用意した資料を配付されてこの分科会の議論をリードした。

ユニセフのバリー局長と三宅会長
ユニセフのバリー局長と三宅会長

  夕方には、第1分科会での議論を集約したものが、ノーベル平和賞の選考委員でもあるG・シュタルセット名誉オスロ主教らからの論点整理と共全体会合でに報告された。また、連日の昼食や夕食会の時間はもとより、各セッション間の休憩時間も、世界の各地から訪れた宗教指導者たちと意見交換を行う機会となった。三宅善信理事は、WCRPを通じて長年交流があるシリア正教会のマール・イブラヒム大主教の安否について、イラクやシリアのメンバーから安否情報を尋ねた。イブラヒム師とは、ちょうど一年前にウィーンで開催されたKAICIID会議や昨年の比叡山宗教サミットの際にも話し合う機会があったが、激化するシリア内戦に伴う混乱によって、人質として拉致され、220日間にわたって行方不明状態が続いているからである。  

オナイエケン枢機卿と三宅会長
オナイエケン枢機卿と三宅会長

 2日目は、第2分科会の議論を集約したセッションから始まった。このセッションの進行は、アフリカ司教会議議長のJ・オナイエケン枢機卿である。ナイジェリアのオナイエケン枢機卿のことは十数年前から存じているが、枢機卿は民族的・宗教的マイノリティの人権擁護ということに大変関心を抱いており、三宅会長は、2014年夏に英国のバーミンガムで開催される第34回IARF世界大会に枢機卿を招請した。

 続いて2日目の分科会に移り、この日の第3分科会の座長をしたカナダ教会協議会のK・ハミルトン事務総長と親しい三宅会長はこの日も積極的に発言して分科会の議論をリード…。ユニセフのバリー局長らとも意見交換した。ハミルトン女史と世界連邦運動(WFM)の前理事長であるJ・クリスティ博士らとは昼食の時間も諸問題について意見交換を行わった。

 午後には、第3分科会の議論を集約したセッションが行われ、ラテンアメリカ諸宗教委員会議長のR・ダマスケノ枢機卿らが話し合いを進めた。また、『女性に対する暴力』に関する特別セッションが、国連等からの代表を招いて行われた。そして、もう一度、四つの分科会が行われた。この日の夕食後に行われたビジネスミーティングでは、向こう5年間の国際委員会の人事等について検討が行われた。    

シリアやイラクの指導者と人質解放について協議する三宅善信理事
シリアやイラクの指導者と人質解放について協議する三宅善信理事

 大会最終日は、国連のA・ディエン事務次長を招いて開催された『保護する責任』に関する特別セッションが催された。これは、現在、国際社会で最も問題になっている問題で、従来の考え方では、主権国家が構成単位である国連は、多国間の戦争防止には有効に機能するが、実際に世界で多発している統治機能を失った破綻国家や独裁国家内において、無辜の民が大量に虐殺され、あるいは難民として流出しているにもかかわらず、誰も彼らに救いの手を差し伸べることができなかった現状をいかに改めてゆくかという問題である。つまり、国際社会は、こと人道や人権問題に関しては、各国の国家主権を超えて介入することができるとする考え方に基づくものである。

 その後、アメリカ・アフリカ・欧州・中東・アジア大洋州の五地域に分かれて地域別会合行い、第8回ACRP(アジア宗教者平和会議)が来年8月末の韓国のインチョンで開催されることが発表された。アジア地域会合には初めて北朝鮮の代表団も参加したことが注目された。 
 
 昼食後に、閉会式が行われ、大会の「宣言文」が採択された。今回の世界大会を最も特徴付けたのは、「アラブの春」の要因ともなったツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディアの普及である。各国の宗教者たちも、目の前の壇上で誰かが発題を行っている最中でも、掌中のスマホやタブレット端末を盛んに操作して、会場で今撮影した映像と共に、それぞれの意見をドンドンとネット上に書き込み、全世界に向けて発信していたことであった。


  WCRPと人類共栄会創設者
バチカンで開催された第6回世界大会で教皇ヨハネ・パウロ2世と共に雛壇に並ぶ三宅歳雄師
バチカンで開催された第6回世界大会で
教皇ヨハネ・パウロ2世と共に雛壇に並ぶ三宅歳雄師

  世界宗教者平和会議(WCRP)発足の直接の発端は、ベトナム戦争が泥沼化した1968年1月に京都で開催された「平和についての日米諸宗教者会議」である。この会議に、米国から参加したユニテリアンのD・グリーリー博士やユダヤ教のM・アイゼンドラス師らと意気投合した人類共栄会の創設者三宅歳雄師は、マハトマ・ガンジーの生誕百周年を前に盛り上がった「平和」への気運を結集するため、15年ぶりにバチカンを訪問。教皇パウロ6世に謁見し「世界宗教者平和会議」の必要性を訴えた。折から、千年に及ぶカトリック教会の伝統を大転換し、諸宗教との対話を模索し始めていたバチカンは、東方正教会の首座であるアテナゴラス総主教を紹介し、三宅師は翌1969年2月にイスタンブールを訪問。総主教からも大いに賛同を得た。 
  
 1969年の7月には、ボストンで開催されたグリーリー博士が会長を務める国際自由宗教連盟(IARF)の第20回世界大会に参加した。この当時、すでに70年の歴史を有していた世界最古の諸宗教対話団体IARFの世界大会が、翌1970年に京都で発足することになるWCRPのあり方に大きな影響を与えた。因みに、現在のIARFの会長は本会の三宅光雄会長である。 
  
 このような二年半にわたる三宅歳雄師の熱意と綿密な準備を経て、1970年10月、世界39カ国から300名の参加者を集めて、人類史上画期的な「世界宗教者平和会議」が開催された。ただし、この画期的な出来事であった「世界宗教者平和会議」も、三宅歳雄師が居なければ、「一回きりの国際会議」になるところであった。三宅師は、世界宗教者平和会議の終了間際に「宗教者による平和への関わりは緒に就いたばかりである。この動きをここで止めてはならない!」と主張して喝采を浴びて「事後委員長」となり、その最初の会合を金光教泉尾教会で開催した。

 こうして、世界宗教者平和会議は「WCRP」という名の下に継続されることとなり、その年の12月には、ニューヨークの国連本部前のビルに常設の国際事務局を設けた。また、「行動する宗教者」として戦禍のベトナムを訪れ、平和の重要性をアピールした。

 三宅歳雄師は、1984年にケニアで開催された第3回世界大会で国際委員長(会長)兼財務委員長に就任し、1994年にイタリアで開催された第6回世界大会時に名誉会長に推戴されるまで、WCRPの創設前から世界的なNGOとして認知されるまで、四半世紀にわたって中心的な役割を果たした。

 


  NYで世界連邦運動理事会

WFM年次理事会で報告するペース事務総長
WFM年次理事会で報告するペース事務総長

 7月24日から26日まで、ニューヨーク州ロングアイランドのホフストラ大学において、世界連邦運動(WFM)の年次理事会が、役員や事務局スタッフ関係者ら約40名が出席して開催され、本会からは、WFM第一副理事長を務める三宅光雄会長の名代として、昨年WFM理事に就任した三宅薫氏が出席した。
  
 フェルナンド・イグレシアス理事長の議事進行によって開会した2013年度の理事会は、出席することのできなかったWFM会長アックス・ウォーシー卿からのメッセージの紹介から始まった。続いて、今回の議題案の採択と前年夏にカナダのウイニペグ大学で開催された年次理事会の議事録の承認が行われた。WFMは、国際自由宗教連盟(IARF)や世界宗教者平和会議(WCRP)と比べて、法律家・政治家や実業家の役員が多く、機関の意思決定を行う理事会における「手続き」がより尊重されているという特徴があり、議事の進行方法や決議の承認手続きなどは極めて精緻である。今回の理事会では、全体会合以外にも、各加盟団体からの報告やパワーランチ(昼食を摂りながらの会合)等が絶え間なく行われ、充実した会合であった。

 全体会合では、この度新たにWFMに加盟申請をしている諸団体(正会員と准会員)からの申請書をもとにその可否を審議したり、約3.5億円にもおよぶ年間予算について審議された。WFMは国連本部の経済社会理事会やジュネーブの人権理事会やハーグの国際刑事裁判所とのネットワークを活用し、数々の有効なプログラムを実施することによって、その活動を支援する外部からの寄付金も潤沢で、加盟団体からのメンバーシップ料が全体予算に占める割合はわずか1%にも満たない。それだけに、外部への情報の発信にも常に心血を注いでおり、ビル・ペース事務総長が率いる約20人のフルタイムスタッフと約30のインターンを抱える国際事務局は、従来のウェブサイトだけでなく、ツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディアを活用して、全世界に向けてオンタイムで双方向的に自在に情報を発信している。

 今回の年次理事会への主な参加者は、本会の三宅光雄会長が主催して5月にスリランカで開催された第9回AYC(世界連邦アジア青年センター)総会で基調講演を行ったジェームス・クリスティ前理事長やキース・ベスト執行理事会議長やベント・ニールソン財務理事らである。

 


  平成25年度総会開催

平成25年度総会の模様
平成25年度総会の模様

  8月15日、人類共栄会の平成25年度総会が金光教泉尾教会で開催された。

 司会の小島宏理事の開会宣言に続いて、廣瀬彰理事が開会挨拶を行い、香西俊雄事務局長から、平成24年度の活動報告ならびに決算報告がなされ、平成25年度の事業計画と予算案が説明され、満場一致で承認された。

 最後に、三宅光雄会長が総括を行い、人類共栄会の活動方針を示して、総会は無事、閉幕した。

 


  JLC当番事務局を務める
12月16日に開催された第187回JLC会議の模様
12月16日に開催された第187回JLC会議の模様

 2013年度は、本会の三宅光雄会長が会長を務めるIARF(国際自由宗教連盟)の日本連絡協議会(JLC)の事務局を金光教泉尾教会が一年間にわたって務めた。  
    
 2月6日に開催された第182回JLC会議を皮切りに、3月29日、6月14日、8月2日、10月9日、12月16日の第187回まで、合計6回のJLC会議を泉尾教会で開催し、主として、2014年夏に英国で開催予定の第34回IARF世界大会に向けての諸準備を行った。
    
 その間、4月18・19両日には、2013年度のIARF国際評議員会の開催を受け入れ、約30名にわたる国際役員・事務局員・関係者たちをもてなすなど、人類共栄会を挙げてIARFの活動を支援した。
   
 JLCは、1984年に第25回IARF世界大会が東京で開催された際に、世界大会のスムーズな運営を支援するために、当時、日本でIARFに加盟してた団体によって結成された連絡協議機関であり、すでに30年の歴史を有する。現在のメンバーは、立正佼成会・泉尾教会・一燈園・四天王寺・玉光神社・むつみ会・日本チャプター・IALRWの8団体で構成されている。

 なお、2014年8月下旬には、英国で第34回IARF世界大会が開催されるが、本会からも十名以上の会員の参加を予定している。団体ツアーの詳細については、後日、発表されるので、一人でも多くの本会会員に、実際の国際舞台での本会活動の様子を体験していただき、その様子を各地域の人々に広宣流布していただきたい。