11月10日から14日まで、インドのニューデリーならびにチェンナイ(旧マドラス)で、世界23ヶ国から約250名の参加者を集めて、第23回WFM(世界連邦運動)世界大会が開催された。人類共栄会からは、世界連邦アジアセンター会長を務める三宅龍雄会長以下15名が参加した。 ◆三宅会長が聖火に献燈 10日午後、大会のメイン宿泊施設となったニューデリー市内のYMCAホテルの会議室で評議員会が開催された。ここで、当初、開会式への出席が予定されていたバジパイ首相の参加が急遽取り止めになったことが報告された。インドやアラブ世界では予定の突然の変更は毎度のこととはいえ、今回の会議の波乱の幕開けを象徴するような出来事であった。 午後5時から行われた開会セレモニーでは、和服で正装したの三宅龍雄人類共栄会会長が、インドの伝統である「聖火(会議開催中、燈し続けられる)」への献燈役をした。続いて、ヒンズー教の聖なる舞踊が舞われ、開会式が始まった。世界連邦アジアセンターの会長でもある三宅龍雄師は、WFMの正副会長や事務局長と共に登壇。元英国下院議員のK・ベスト事務局長やカナダ代表のウイルソン上院議員らが挨拶を行った。引き続き、WFM会長であるP・ウスチノフ卿が挨拶を行い、開会式は終了した。 11日は、朝から同ホテルでインド・パキスタン・バングラデシュ等の国会議員を中心に、「連邦主義と民主主義――インドおよび南アジア地域の51年の経験」と題するワーキングセッションが行われた。三宅龍雄師は、人類共栄会が南アジア各国で運営している孤児院や学校などの責任者たちから報告や要望を受ける懇談会に出席した。また、元カシミール州のマハラジャ(藩王)で、ラジブ・ガンジー政権ではインドの駐米大使も務めたカラン・シン博士(TOU会長)とも、インドの核政策について個別の会談を行ったりした。 ◆チェンナイでの諸会合 12日からは、会場を2,000キロも離れたインドにおける世界連邦運動の中心地チェンナイ(旧マドラス)に移し、テーマごとの分科会(1国連の民主化と再構築、2地球共有資産の管理、3開発および貧困廃絶に対する権利、4国際的な法手段による人権の擁護、5紛争を防止するための国際介入、連邦主義と地域主義)や、地域会議(欧州・アジア等)などが行われた。中でも注目されたのは、南アジア各国に8,000人の会員を有し、各地で社会奉仕活動を行っているAYC(世界連邦アジア青年センター)の活動である。スリランカにおける「農村開発運動の教祖」ともいわれるサルボダヤ運動の創始者アリアラトネ博士なども討議に加わって、南アジア各国の現状に即した開発のあり方が真剣に討議された。 13日には、全体会議を行い、各決議事項や新役員人事を承認した。そして、最終日の14日に閉会式と新理事会、さらには会議場を飛び出しての大衆集会などが開催され、無事、5日間にわたる世界大会の幕を閉じた。チェンナイにおける会議は、会長と入れ違いでインド入りした人類共栄会理事長の三宅光雄師(AYC会長を兼任)が中心的な役割を果たして、会議をリードした。 なお、今回の世界大会の期間中、人類共栄会の一般会員10名は、ハイデラバード市郊外のカモン県ムッチェラ村にある社会福祉施設「インド泉光園」を訪問し、人類共栄会の協力によって造られ、近郊住民の飲み水の供給源となっている「大井戸」や学校・孤児院「ミヤケホーム」等を見学し、現地の人々と交流を持った。 |