99年 Summer

ユーゴの戦災孤児に義援金あいさつ

人類共栄会では、3月24日から2カ月半にわたるNATO軍の空爆によって、軍事施設だけではなく一般市民に多くの犠牲者が出るとともに、国内の産業・交通・通信施設といった生活基盤に大きな被害を受けたユーゴスラビア連邦の戦災孤児に義援金10万円を贈呈した。

7月5日、理事長の名代としてユーゴスラビア連邦大使館(東京都品川区)を訪れた三宅善信師は、R・ブライッチ駐日大使と冷戦以後の民族・宗教問題について意見の交換を行った。




同連邦内のコソボ自治州における少数派セルビア系住民と多数派アルバニア系住民の民族紛争に端を発した今回の事態は、まず、ユーゴ連邦の「盟主」セルビア共和国によるコソボ鎮圧(相当数のアルバニア系住民が虐殺されたと伝えられる)に始まり、今度は「その蛮行を止めさせるため」という大義名分で、米国を盟主とするNATO各国が軍事介入に発展し、ベトナム戦争以後最大規模といわれる空爆によって、コソボはおろかユーゴ連邦の隅々まで戦火は拡大し、アルバニアやマケドニアといった周辺諸国に百万人の難民が流出することになった。

幸い、6月10日の停戦で、戦火は一応の収束をみたが、双方が「正義」を主張し合うかぎり、問題の根本的解決を見ることはほど遠く、同じような戦災被害を受けたにも関わらず、コソボ自治州のアルバニア系住民には国連を始め数々の国際機関・NGOから救援物資が寄せられたが、「欧米を敵に回して」戦ったばかりに、ほとんど救援物資の寄せられなかったセルビア系戦災孤児に対して、人類共栄会は「敵味方を分け隔てしない人道援助」の精神に則り、10万円の義援金を贈り、同国駐日大使から謝意を伝えられた。


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