2000年 Winter

会長 理事長 WCRP7に参加

三宅龍雄会長は、11月23日から12月1日までの日程で、ヨルダンの首都アンマンで開催された第7回世界宗教者平和会議(WCRP7)世界大会に参加した。世界60カ国から宗教・政治指導者や国際機関の代表、研究者ら約1,000名の参加して、世界平和の構築に向けて宗教者の叡智を集めた会議が行われた。人類共栄会からは、会長の他、三宅光雄理事長以下6名が参加した。なお1994年から国際委員長職にあった三宅龍雄会長は、今回の大会から名誉会長に就任した。


▼人類共栄会とWCRP

人類共栄会創始者、故三宅歳雄師らの尽力により、1970年に京都において、世界(39カ国)の諸宗教の指導者が一堂に会して、平和の問題について話し合うという人類史上画期的な第1回の世界大会が開催された。三宅龍雄会長始め、人類共栄会の面々も物心両面にわたってWCRP活動を支えてきたが、今回、初めて中東イスラム圏での世界大会が開催された。三宅龍雄会長は、24日午後の旧役員による最後の国際管理委員会出席、翌日から開催される第7回世界大会の諸問題について討議した。


▼国王臨席の下、華やかに開幕

11月25日、王立文化宮殿ホールで、開会式が華やかに開幕し、昨春王位に就いたばかりのアブドゥラ国王と叔父君のハッサン殿下が会場に到着され、三宅龍雄会長は国際委員長のひとりとして玄関ホールまで出迎えられた。



アブドゥラ国王をお迎えする三宅龍雄会長

壇上には、大会ホストとしてアブドゥラ国王・ハッサン殿下、ヨルダンを公式訪問中のインドネシアのアブドゥルラフマン・ワヒド大統領、WCRP側からは、国際管理委員会議長のアダモ・N・ンジョヤ博士とW・ベンドレイ事務総長の5人が席に着いた。ハッサン殿下が、「初めてイスラム圏で開催されるこの大会の歴史的価値、すなわち、新しい千年紀の人類的課題を解決するための宗教の活躍が大きく期待されている」と、力強く挨拶をされた。
 



開会式:左からベンドレイ事務総長・ワヒド・インドネシア大統領・アブドゥラ国王・
ハッサン殿下・ンジョヤ管理委員会議長

さらに、先月大統領に就任したばかりのワヒド師が、「ここ両年のインドネシアにおける政治的混乱の中で大統領に就任することになったが、自分の気持ちは常にWCRPと共にある。東ティモールに続いて、もしその住民が望むのなら、アチェ自治州が独立するのを妨げないこと」を表明した。最後にアブドゥラ国王が登壇。「ユダヤ・キリスト・イスラム教の聖地であるエルサレムは、イスラエルの支配を離れて国連の統治地区とし、世界中の信徒たちが自由に巡礼できるようにすること」等について、アラブ諸国の首脳として始めてエルサレムの領有権を放棄する注目発言をされた。


▼個別的「文化」権への配慮を

 この日の晩、三宅龍雄会長はハッサン殿下主催のディナーに招待された。ハッサン殿下は、欧米キリスト教的標準を「グローバルスタンダード(地球基準)」化しようとする昨今の国際情勢に憂慮の念を現され、「各地の歴史や風土の違いに配慮した、いわば『文化権』という考え方もたいせつでないか」と注目される発言をされた。大会期間中、三宅龍雄会長と光雄理事長は、連日、全体会議や各セッションに参加し、各国の宗教指導者たちと意見の交換を行った。

 大会最終日、29日には、三宅龍雄会長が、全体集会の壇上で「金光教の祈り」を行った。大会期間中に行われた「祈り」は、イスラム教・キリスト教・ユダヤ教という、中近東で発生したいわば兄弟宗教によって独占されていたが、この日の「金光教の祈り」によってすっかりと雰囲気が変わった。

 閉会式の際にも、二代にわたるWCRPへの貢献に感謝して、今回から名誉会長に就任することになった三宅龍雄会長に感謝の記念品が贈呈された。また、先頃、逝去した故三宅歳雄名誉会長の菩提を弔うために世界各国の仏教僧約20名が登壇。それぞれの国の言葉で、読経を行ない、無事、閉会式は終了した。



各国の読経を受ける三宅龍雄教会長


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