2000年 Summer

理事長 ロシア正教総主教と会見


 5月17日、初来日したアレクセイU世ロシア正教会総主教(カトリック教会のローマ教皇に相当)の歓迎レセプションがロシア大使館(東京都港区)で開催され、パノフ駐日ロシア大使からの招待を受けた三宅光雄理事長ならびに三宅善信師が、各界からの来賓と共に列席した。




日本の宗教界を代表してクレムリンに招かれ、核兵器廃絶について記者会見するありし日の三宅歳雄 人類共栄会創設者

 人類共栄会の創設者である故三宅歳雄師は、昭和32年、原水爆実験禁止要請の国民使節として、初めてロシア(当時はソ連)を訪れた。ブルガーニン首相とは予定されていた会見時間30分を大幅に超え、2時間以上に渡って激論を闘わせた。
また、他のソ連政府幹部やサハロフ博士ら科学アカデミー幹部とも会談して核兵器に廃絶を訴えた。

さらに、歴代のロシア正教総主教とも宗教対話の交流を深めてきた。これらの功績を認められて、故三宅歳雄師は、ゴルバチョフ書記長(当時)主催の「核兵器廃絶世界平和フォーラム」や1988年に挙行されたロシア正教宣教ミレニアム(ビザンチン帝国からロシアにキリスト教が伝えられて千年の記念式典)に、日本の宗教界を代表して招待されたこともある。

アレクセイU世総主教は5月12日に来日した函館や京都などを訪問した後、17日には天皇陛下を表敬訪問し、その後、ロシア大使館での大使主催の晩餐会に出席した。総主教は挨拶の中で日露両国における精神文化の復興の重要性について強調した。

晩餐会の中では、この点について、列席者と意見を交わしたが、三宅光雄理事長が13年前に撮った故三宅歳雄師とアレクセイU世総主教(当時、神学院長)との記念写真を示すと懐かしそうに写真に見入り、故三宅歳雄師との思い出を語った。

また、会長代理として理事長に同行した、三宅善信師は、大学院の修士論文で「ロシア正教会の儀礼」について研究した程の専門家でもあり、アレクセイU世総主教がまだレニングラード(現サンクトペテルブルグ)の神学院長であった頃から同総主教と面識があり、総主教をはじめロシア正教会指導部との再会に感慨深げであった。




アレクセイ総主教と談笑する両三宅師
 

5月12日からロシア正教会総主教アレクセイ2世が総主教として初めて訪日し、函館・東京・京都などを訪れた。日本ハリストス正教会で主代郁夫首座主教の着座式と府主教昇叙式を祝福し、各地で信徒と交流した。17日には天皇陛下を表敬訪問した。また、ロシア大使館で記者会見に臨み、両国の友好関係の発展や日本の文化について語り、その後、大使館主催の晩餐会に出席した。翌18日には森喜朗首相と会談をした

この日、宮中にて天皇陛下との会見を済ませたばかりの総主教は、「一方(ロシア)は、長年の共産主義支配による精神文化の荒廃、もう一方(日本)は、極端な経済発展至上主義による精神文化の荒廃と、経緯は異なるけれども、共通した問題を抱える、両国がこの問題について手を携えて協力して行くべきである」と述べられた。


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