月にニューヨークの国連本部において開催されたミレニアムサミットに先立ち、8月28日から31日の日程で、宗教者によるミレニアム世界平和サミットが国連本部ならびにアストリアホテルを会場に開催され、各国から約千名の宗教家が一同に会し、新しい千年紀に際して、人類共同体のあり方を模索する会議を行なった。日本からは、WCRP(世界宗教者平和会議)国際委員会名誉会長も務める三宅龍雄人類共栄会会長を含む27名が正式に参加し、三宅会長の名代として三宅善信師が参加した。
国連本部総会場の様子
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8月28日午後4時(現地時間)、国際政治の殿堂、ニューヨークの国連本部総会場を色とりどりの聖衣を身に纏った1000名を超す世界の宗教指導者が埋め尽くした。
この会議の目的は、続いて開催される政治的指導者によるミレニアムサミットに対して、世界平和の実現に向けた提言を行うことであった。世界各地で激化する民族紛争解決のためには宗教的・精神的指導者が率先してこの問題に取り組んで行く他はなく、世界的にその期待が高まっていることを反映しての開催であった。
開会式は、諸宗教の代表者による会議に相応しく祈りで始まった。日本からの神道、仏教を含む世界中の宗教の代表者が次々と登壇し、それぞれの様式で平和への祈りを行った。
サミット第2日も国連本部総会議場で開催された。大きな拍手に迎えられて登壇したアナン国連事務総長は、「そもそも国連とは、主権国家の連合体であり、政教分離が国連の原則であるが、そのことはいささかも宗教者の役割を軽視するものではない。それどころか、私は、世界の諸問題に対する宗教者の積極的な関わりに期待している」と述べ、さらに、「宗教には世を照らす光の面があるのと同時に、暗い面があることも事実である。暗い面とは、女性や弱者への差別を助長してきたこと。極端なナショナリズムへの荷担。さまざまな社会的問題への無関心である。宗教者は、変化への媒介者とならねばならず、世界を分裂させるのではなく、和解と統合の推進者となるべきである」と述べ、出席者たちから大きな喝采を浴びた。
続いて、『対話への呼びかけ』と題して、人類共栄会とも関わりの深いインド上院議員のカラン・シン博士が議長になって全体会議の第1セッションが始まった。 発題者は、カトリック・イスラム教・ユダヤ教・神道など諸宗教や国際機関の代表者らである。
引き続き、今回のミレニアム宗教サミットのパトロンであるT・ターナー氏が登壇。メディア王らしく、大きなアクションと解りやすい口調で、「宗教者の平和活動
に、経済人も積極的に協力すべきだ」と力説し、盛んな拍手を浴びた。また、アナン国連事務総長の招待による昼食会が催され、三宅会長の名代である善信師も正式代表としてこの席に列した。
サミット第3日目と4日目は、会場を市内のホテルへ移し、全体会議第3セッションの『許しと和解に向けて』と、第4セッションの『貧困と環境の悪化の脅威の終結』が行われた。また、それぞれの分野別のテーマに分かれて、ワーキングセッションが、この2日間、熱心に討議された。
8月31日の夕刻、閉会セレモニーが行われ、世界各地から持ち寄られた「聖なる水」がひとつの鉢に注ぎ込まれて、霊的一体感が高まり、宣言文が採択されて、4日間にわたる宗教者によるミレニアム世界平和サミットが閉幕した。
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