理事長インドでAYC役員会議を開催 ミヤケホームを視察




2月10日から18日まで、人類共栄会の三宅光雄理事長はAYC(世界連邦アジア青年センター)役員会議への出席やミヤケホーム等を視察するためインド各地を訪問した。

●盛んなカルカッタでの社会活動

2月11日、三宅光雄理事長は、随行の香西俊雄氏(人類共栄会評議員)・戸谷朋子さん((株)レルネット)と共に、タイのバンコク経由でインド最初の訪問地カルカッタに到着した。途中、バンコクでは、WAC(世界連邦アジアセンター)タイ支部長のピチャイ・トビビッチ博士と会談した。

カルカッタでは、まず、AYC(アジア青年センター)が運営に協力している視覚障害児のための学校を訪問した。この支部はインドの中でも活発な活動を展開している中心的な支部である。金光教教団も古くから、点字翻訳活動をしているが、この学校では、多くの点字書があり、そして今もさらに新しい点本を造っている。多くの子供たちが、そのおかげで学ぶことが出来、楽しく共同生活をしている。 12日には、昨年9月に亡くなったのマザーテレサ尼の運営する施設「死を待つ人々の家」を訪問した。三宅理事長はこの20 年間に5度マザーテレサ尼と会見している。今回のカルカッタ訪問の目的のひとつであったマザーテレサの墓参を行い、ご冥福と、世界平和を祈った。

カルカッタはインド第2の大都市で、ベンガル州の州都でもある。最も貧しい大都会といってもよい街である。ここは、WACのカルカッタ支部が、古くから活発な活動をしている。今年8月には日本から世界連邦関係の団体(世界連邦には、同協議会・同建設同盟・同日本宗教委員会他多くの組織が並立ている)が訪印し、交流会を予定しているが、その中立ちはもちろん、WAC会長である三宅龍雄人類共栄会会長と事務局である泉尾教会である。人類共栄会創設者である三宅歳雄師が、四半世紀以上取り組まれた活動が今、国境を越え、実ろうとしている。

また、カルカッタから車で一時間の距離にある、主に公衆衛生を教育する学校「ソーシャル・クリニック・センター」を訪れた。このプロジェクトには、数年前よりAYCが共同参画をしており、特に、昨年春のマラリア大発生の時には、このプロジェクトに、インド政府はもとより、ユニセフをはじめ世界のNGOが参加し、中心的な活躍をした。また、現在ではベンガル州一帯で大問題になっている地下水の問題に取り組んでいる。昨年日本でも話題になっていたが、井戸水が飲めないのである。地下水に公害ではなく、昔より自然に有害物質が含まれている。もちろん、より深く掘れば問題ないのであるが、それには大変な費用がかかる。川の水を飲むよう教育しているとのこと。地道ではあるが、大切な活動である。

●インド泉光園訪問

13日は、一日かけて東部のカルカッタより、インド亜大陸中央高原部の都市ハイデラバードに入った。翌14日、ハイデラバードから片道5時間半のドライブ(今回は前回までの土道でなく、全て舗装された道をエアコン付きの車で移動する。ここ数年でインドは大きく変化している。大きな荷物を運んでいた牛車の数もめっきり減り、大型トラックで道はいっぱいであった)。早朝の出発であったが、ムッチュラの「インド泉光園」(責任者ジョン・エベネツアー氏)に着いたのは、お昼をとっくに過ぎていた。

三宅光雄理事長は「インド泉光園」の正門に着くなり、インドの大地に跪いて聖地を祈った。園内に一歩入れば、百名の子供たちから大歓迎を受け、一緒に神様に感謝の祈りを捧げた。インド泉光園の働きは、百名の子供たちの教育・育成するだけでなく、半径15キロの17カ村に対して、それぞれに合ったソーシャルサービス(社会奉仕活動)をしている。更に多くの村々に井戸水を利用してもらい、交流をしている。お祈りの後、新しい施設を見た。建設以来15年、今日に至るまで人類共栄会は毎年この施設を援助し続けているだけであって、保健室や図書室そして立派なトイレが建っていた。もちろん、井戸水はポンプアップして、蛇口を捻れば出てくる。

三宅理事長は、百名の子供たちひとりひとりにキャンディーを手渡しし、子供たちは可愛い声でお礼を言った。4年ぶりの訪問であったが、高学年の子供たちは、皆三宅理事長の顔を覚えていた。わずか3時間半の「インド泉光園」滞在であったが、人類共栄会の支援プログラムの最も行き届いたひとつの姿である。ハイデラバードのホテルに戻ったのは、夜10時を過ぎていた。



●第23回WFM(世界連邦)世界大会の準備を

2月15日夕方、三宅光雄理事長一行はハイデラバードより空路1時間でチェンナイ(旧マドラス)に入った。空港には、ジェームス・アルプサラジAYC議長を始め、多くのAYC役員が出迎えた。アルプサラジ博士は昨年1月の泉尾教会布教70年記念祭に来日しており、1年振りの再会であるが、他のメンバーとは数年振りになる。

「昨年より新事務所へ移ったので、見て欲しい」とのことで、AYC事務局へ直行する。そこには、事務所とストリート・チルドレン(街で働く、住む家のない子供たち)の宿泊施設もあり、常時ここだけで20名の子供たちが生活をしている。AYCは発足以来、各国各支部とも子供への支援を第一としてきた。マドラスは、AYCの国際事務局でもあり、同時にマドラス支部でもある。マドラス支部として現在、このような子供たち百数十名に職を与え、生活ができるようにと、育成している。

16日は、早朝よりWAC並びにAYCの役員会議が行われた。今秋11月10日より15日まで、ニューデリーとマドラスで第23回WFM世界大会が開催される。首都ニューデリーでの開会式には、大統領はじめインド政府高官も出席されることになった。ニューデリーにはWACのニューデリー支部があり、また、本会議が行われるマドラスには、AYCの国際事務局があるため、今大会の受け入れの責任はAYCが中心となって行うこととなった。そのために、AYC国際事務局と各国支部、更に他組織との合同で受け入れ委員会が発足し、その議長に三宅光雄理事長が任命された。

午後からは、市内よりバスで1時間の場所にある村にAYCのメンバーのみで移動した。以前よりAYC国際事務局が15周年を記念して建設の準備していたトレーニングセンター構想の土地を、各国役員に見せるためであった。そのトレーニングセンターには「ミツオ・ミヤケ・トレーニングセンター」という名前が付けられていた。「AYC名誉議長として長年AYCの活動に貢献した」ということである。三宅光雄理事長は(センターに自分の名前をつけることは)辞退したが、すでに礎石に彫り込まれており、現状のままスタートすることになった。

●三宅理事長 AYCの会長に

17日は、AYC国際役員会が開かれ、午前中にはUNICEF(ユニセフ)から南インド駐在代表オースチン・イザベル女史を招き、インド及び近隣諸国の実態につき詳細な説明があり、これにAYCバングラディシュ・スリランカ・タイ・インド(ハイデラバード)代表がそれぞれ取り組んでいる活動の現状を報告し、今後の取り組み方を報告し合った。

また、午後からUNHCR(国連高等難民弁務官事務所)南インド事務所の難民本国送還問題担当次長のミラゴロス・レイネー女史を招き、インドに流入している難民問題。南インドに於けるスリランカ北部よりのタミール人難民問題。北インドに於けるアフガン難民・ミャンマー難民・シッキム難民・チベット難民等々について詳細な報告があり、出席者一同は改めて民族問題の複雑さを実感し、更にこれら団体と、今まで以上に協力していくことを誓った。

その後、現在、AYCの名誉議長である三宅光雄師に会長に就任するよう動議があり、次回大会まで名
誉議長に合わせて会長という二つの大役を兼任し、大会以後、会長のみ務めることに決まった。人類共栄会としても、三宅光雄理事長がその中心的人物として南アジア各国で盛んに社会奉仕活動を行っているAYCを全面的に支援して行くことが求められる。