人類共栄会
3rd Quater 2003 |
・日中友好条約締結25周年記念祝宴に列席
・台湾の原住民族を視察
・「日韓友好平和之塔を守る会」理事会に出席
・WCRP役員会開催
・韓国の台風被災地を訪問
・三宅理事長 WCRP団長として東チモール視察
・JLC会議に出席
・平成15年度総会開催
・三宅善信師 自民党本部で講演
・会長 比叡山宗教サミットで中東指導者と交流
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9月30日(火)、中華人民共和国の建国記念日に当たる『第54回国慶節』ならびに『中日友好平和条約締結25周年』が、大阪市内のホテルで盛大に開催され、人類共栄会からは、会長の名代として、三宅善信師が列席した。
この度の慶事は、中国の邱国洪在大阪総領事の着任の披露と併せて開催されたもので、「中国ビジネス」の機会を狙う数多くの財界人が多数参列する中、長年、中国と文化交流を続けてきた人類共栄会と、北法相宗大本山の清水寺の森清範貫主が招待されていた。
春の大相撲佐渡ヶ嶽部屋の稽古見学をはじめ、日頃から在阪の各国総領事と交流が深い三宅師の周りには、新たな「大国」中華人民共和国のパーティに参加した各国の外交団が集まり、一際、華やかな雰囲気を醸し出していた。 9月25日から28日までの4日間、人類共栄会の三宅善師をはじめとするIARF(国際自由宗教連盟)の日本連絡協議会(以下、JLCと略す)のメンバー9名は、台湾(中華民国)を訪問し、現地の“原住民”(註:日本では、「先住民」と言っているが、中国語では「死者」を意味する「先住民」は用いず、「原住民」という表記する)の生活状況や政府の施策の視察、および、IARFの加盟教団でもある佛光山本部および、最近、教勢の発展の著しい佛教慈在功徳会高雄支部などのを訪問し、交流を行った。
25日は、台北市内にある伝統仏教や道教の寺院を視察し、一般市民の重層的信仰についてフィールドワークを行い、また、台湾島を現在の状況にすることになった原因を作った国民党の蒋介石総統の記念碑「中正紀念堂」を見学し、同日夜に、南部の高雄市へと空路移動した。 26日の朝から、高雄市郊外に総本山を置く「佛光山」を訪れ、釈心定宗長(管長に相当)らと意見交換を行い、同山の施設の見学を行った。午後から、原住民関連施設を次々と訪問した。台湾島に住む原住民族(複数)の起源は古く、人類学的・言語学的には、そのいくつかの部族は、それぞれ、西はマダガスカル、南はニュージーランド、東はイースター島に暮らす人々と「共通の先祖」を持つと考えられている。
皮肉なことに、台湾の原住民が国際社会に紹介されるようになったのは、1895年の大日本帝国による同島の併合によってである。同島に言語や習俗を異にする多数の原住民種族がいることを「発見した」日本は、草創当初の文化人類学者たちを派遣し、この島の原住民の文化を科学的に調査した。また、台湾島の「内地化」によって、日本本土と同じように、原住民にも無料で初等学校教育が施されたので、それまで、独自の文字文化を持たなかった原住民たちは、日本語による読み書きができるようになった。
また、27日には、高雄市から数十キロ離れた山奥にある「原住民族文化園区」を視察し、責任者の呉鍾秤氏から説明を受けると共に、ビデオによる学習や日本語を流暢に話す、高齢の原住民たちと意見交換を行い、世界各地のマイノリティとの連帯を図るIARFの理念を説明し、今後も交流を続けていくことを誓い合った。 なお、今回の視察ツアーの主な参加者は、IARF国際評議員を務める三宅善信師の他に、IARF日本チャプター事務局長の三輪隆裕日吉神社宮司、西田多戈止一燈園当番、本山一博玉光神社権宮司および、今年度の輪番JLC事務局を預かる立正佼成会外務部の職員他の9名である。
9月18日(木)、和宗総本山四天王寺(塚原亮應管長)本坊内客殿で「日韓友好平和之塔を守る会」(理事長:水谷幸正浄土宗宗務総長)の定例理事会が開催され、同会の顧問を務める三宅龍雄人類共栄会会長の代理として、三宅善信師が出席した。
韓(朝鮮)半島における日本の植民地政策による殉難者の慰霊を行うために、日本国内に安置されている韓(朝鮮)半島出身者の遺骨の供養方法を巡る厚生省援護局等と、全日本仏教会の支援を得た在日本曹渓宗普賢寺の長年の交渉の結果、京都府の最南端、滋賀・奈良・三重との県境地帯にある相楽郡南山城村に、「日韓友好平和之塔」が建立され、その施設と精神を護持する目的で「守る会」が結成され、活動を行っている。 今年は、毎年実施されている同塔での「慰霊祭」が第20回を迎えるため、10月27日に、韓国から約200名の参拝団を迎え、在日本曹渓宗の釈泰然管長らを導師に、「韓(朝鮮)半島出身殉難者慰霊祭・世界平和祈願祭」を実施することを機関決定し、その具体的な段取りを審議した。 9月18日(木)、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会(理事長=白柳誠一カトリック枢機卿)の常務理事会および理事会ならびに評議員会が金光教泉尾教会において開催され、宮本丈靖妙智會会長、庭野日鑛立正佼成会会長や三宅龍雄人類共栄会会長らをはじめとするWCRP役員の宗教指導者二十数名が来所した。
泉尾教会でWCRPの公式役員会が開催されるのは4年半ぶりであるが、前回1999年3月末に開催された役員会が、WCRPの創設者でもある人類共栄会創始者故三宅歳雄師が出席した最後の役員会であったため、来所された常務理事の先生方は、口々に往時を懐かしまれ、あらためて故三宅師がWCRP発展のために果たした実績の大きさを感じさせられた。 (常務理事会では白熱した議論が行われた)
午前中に、国際会議場の小会議室で常務理事会が開催され、日本委員会の活動方針の大枠が方向付けられた。また、奥庭を望む和室での和やかな昼食会が持たれたが、この和室で昼食会が行われるのは、1991年にジミー・カーター元米国大統領ご夫妻が来訪された時以来のことで、WCRPとも関係が深いノーベル平和賞受賞者のカーター氏の活動のことなども話題に出た。
午後2時から、大会議室で、(財)世界宗教者平和会議日本委員会の理事会・評議員会が開催され、ホスト教団として、日本委員会の常務理事を務める三宅龍雄会長から、歓迎の挨拶がなされ、実質の審議に入った。
今回の理事会・評議員会の審議内容で最も注目されたのは、2005年に愛知県で開催される国際博覧会(通称:愛知万博)に参加予定のIARF(国際自由宗教連盟)日本連絡協議会(JLC)と協力して、万博会場で1カ月間(この期間中に約150万人が訪れると推定されるNGO関連のパビリオンのメインイベントとして)、“霊性”についての特別のプレゼンテーションを行うことについて、WCRP日本委員会の開発・環境委員長である三宅光雄理事長から、詳細の説明が行われ、機関決定された。
9月15日から17日にかけて、人類共栄会の三宅善信師は、民間信仰共同研究会(会長:米山俊直大手前大学学長)の一員として、朝鮮半島の南東端に位置する慶尚南道の釜山(プサン)・蔚山(ウルサン)・慶州(キョンジュ)の各市を訪問し、フィールドワークを行った。
三宅師が韓国の地を訪れる2日前、この地域を台風14号が直撃し、百名におよぶ死者・行方不明者を出した韓国現代史上最大規模の台風被害によって、東アジア最大といわれる釜山港のコンテナ埠頭が壊滅し、河川の氾濫による田畑の冠水およびビニールハウス栽培による都市近郊農業が甚大な被害が出たが、民間信仰共同研究会の一行10名は、その様子を見学した後、現代(ヒュンダイ)財閥の本拠地蔚山市にある「蔚山大学」を公式訪問。ナ・サンキュン学長をはじめとする同大学の幹部から歓迎され、工業化社会に続いて情報化社会に最適の人材を養成するためのIT関連の最新設備を備えた同大学を見学した。同大学はまた、理事長のチョウ・モンジュン氏(現代財閥総帥)がFIFAの副理事長を務める関係で、2002年のワールドカップ大会の際に、ブラジル選手団が練習場にした同大学のサッカー場の見学もした。
15日は、蔚山大学以外に、加藤清正が豊臣秀吉の“朝鮮征伐”のために築城したと伝えられる「西生浦倭城」跡や、慶州市内に数十はあると言われる新羅時代の古墳群(大陵苑)のいくつかを視察した。台風14号の暴風によって、各地で松の巨木が根こそぎ倒れたが、古墳や寺院にも甚大な被害が出た。
16日には、慶州郊外の朝鮮王朝時代(1392〜1910年)を支えた両班(ヤンバン=官僚)の生活様式がよく保存されている村を視察。新羅時代の古墳のひとつ「掛陵」を見学。国立慶州博物館を視察した。また、世界文化遺産にも指定された慶尚南道最大の仏教寺院「佛國寺(プルグクサ)」を訪問し、3年前に泉尾教会で開催された「日韓宗教者協議会30周年記念行事」の際に、韓国側を代表して基調講演を行った李性陀会主を表敬。諸問題について意見交換を行ない、三宅師は台風の被害が大きかった同寺へ見舞金を手渡した。さらに、遥かに日本海を見下ろす郊外の山上にある佛國寺の“奥の院”とも言える「石窟庵」を見学。帰途、高麗青磁の登り窯のある工房を見学し、17日朝の便で帰国した。 9月3日から10日まで、WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会・開発環境委員会の東チモール視察団が、同委員長を務める三宅光雄人類共栄会理事長を団長に同地を訪れ、日本大使館を表敬訪問、国連PKF(平和維持部隊)を視察、また東チモールの南部に位置するスワイ市の人々に、WCRP日本委員会の平和開発基金並びに本会からの公共トイレ造りによる村開発についての基金を手渡し、感謝された。また、東チモールの独立の引き金となった同島での虐殺事件のあった教会を訪問し、殉教者追悼ミサに列席した。
日本からの直行便がないため、バリ島経由で四日、WCRP代表団一行は、東チモールの首都ディリ国際空港に降り立ったが、在東チモール旭英昭臨時大使が到着便のタラップの下まで、WCRP代表団一行7名を迎えた。インドネシアでは、この1カ月間に、2度もテロによる爆破があっただけに、昨年、インドネシアから独立を果たしたばかりの東チモールではどのようなことが起こるのかと予感させるものであった。 最初に、在東チモール日本国大使館を表敬訪問し、旭英昭臨時大使から東チモールの現状についてのレクチャー(現在日本人は、自衛隊員522名を含む600名ほどが東チモールに居り、その内NGO関係者は各地に40名ほど)を受けた。引き続いて、大使館まで出迎えてくれた自衛隊の車両に先導されて、国連のPKFに昨年より参加している自衛隊のタシトールキャンプを訪問した。キャンプでは、今回の派遣の責任者である田邊揮司良一等陸佐が歓迎の挨拶を受け、担当隊員に昨年からの自衛隊の東チモールでの活動のレクチャーを受けた。
翌5日朝、三宅団長と旭臨時大使の両名が、首都ディリから、プロジェクトの行われているスワイに向かうこととなった。東チモールは長野県ほどの小さな国だが、山岳地帯の細くて舗装もほとんどされていない道を走り、北部のディリ市から南部のスワイ市まで向かうのに、7時間半もかかった。もちろん3台とも日本製の四WD車である。その間、三宅団長は旭臨時大使とイスラム諸国家の情勢を中心に意見交換を十分に行い、午後4時にスワイ市に到着した。 スワイでは、昨年の4月よりこの地にて、布教活動並びに人道支援をしている山田経三神父(元WCRP日本委員会の平和研究所員、開発・環境委員)の出迎えを受けた。山田師は、イエズス会の神父であり、上智大学教授でもあったが、「東チモールの地での布教に今後の一生を捧げたい」と、単身この地に渡たり、農村開発に献身する数少ない日本人である。 1999年9月6日、それまで世界の誰もが知らなかったこの小さなスワイ市を、世界中の多くの人々に知らしめす事件がおこった。それは数百名の人々が虐殺されるという、悲惨な事件である。その直前に実施された選挙の結果にて、東チモールの人々の長年の夢であったインドネシアからの独立が宣言されたことに対して、インドネシアの国軍の一部の 人々に先導された民兵が、スワイの地を始めとする東チモールの暫定国境線あたりで、大虐殺をしたのである。
この地でも、アヴェマリア教会に逃げ込んだ200人のキリスト教徒と、信者を守ろうと民兵の前に立ちはだかったインドネシア人のデワント神父たちが惨殺された。その日が、4年目の記念日に、殉教者慰霊祭にWCRPを代表して来賓として参列し、マニュエル主任司祭の依頼を受け、世界の宗教者の代表として、三宅理事長が祈りとスピーチをした。その後、六百人の信者と共に、祈りの行進をして、慰霊の碑での祈りも共に捧げた。 この日はまた、山田神父が進めている「共同トイレ造りによる村造りプロジェクト」の視察に、ハスアイン村(註:328人 57世帯に対して、30個所の共同トイレ)やアイディララテン村を訪れた。WCRP日本委員会の平和開発基金並びに本会等からの公共トイレ造りによる村開発についての基金を手渡し、村民からは大歓迎を受けた。
さらに、国連PKFの西地区司令部を表敬訪問した。責任者のバンクラフト大佐(豪州軍)以下各国の司令官の出迎えを受けて、昼食を共にした。西地区には、オーストラリア・シンガポール・タイ・フィジー・アイルランド・ニュージーランドの6カ国が駐屯しておりWCRP代表団の訪問直前にアイルランド・ニュージーランドの2カ国は撤退。日本も規模を縮小して、給水所の維持管理のみ行っているが、東チモールでは、現地住民から各国の平和維持軍の駐留が歓迎されているが、現在、日本が行おうとしているイラク派遣は、国会で論戦が繰り広げられた「戦闘地域・非戦闘地域」の区域分けの問題以前に、外国軍の駐留が現地住民から歓迎されていないという大きな問題がある。
翌7日の日曜礼拝を終えて、丸一日掛けて南部のスワイ市から首都ディリ市まで戻り、さらに一日掛けて、バリ島経緯で帰国した。 8月28日(木)、立正佼成会本部にて開催された第126回IARF日本連絡協議会(略称JLC会議)に、金光教泉尾教会代表として人類共栄会から三宅光雄理事長と、IARF国際評議員を務める三宅善信師が出席した。 JLC会議は、IARF(国際自由宗教連盟)に加盟する日本国内の諸団体による連絡協議機関で、他に、立正佼成会・椿大神社・一燈園・日本チャプター・四天王寺・IALRW・日吉神社・玉光神社他の団体が加盟し、年に数回の割合で、日本国内におけるIARFの活動や、英国にある国際事務局との連絡事項等について意見交換を行っている。
この日の主なテーマは、9月末に台湾の高雄市で実施される予定の、現地の少数民族に関するフィールドワーク(註:百年以上の歴史を有するIARFは、少数民族や宗教的少数派の人権を擁護する国連経済社会理事会の諮問に答えうる国際NGO)の詳細や、2005年に6カ月間開催される予定の『愛・地球博(EXPO05愛知万博)』に、JLCとしていかに参画していくかについて等の問題が話し合われた。 なお、この日のJLC会議の主な参加者は、両三宅師の他に、山野井克典立正佼成会理事長(IARF財務委員長)、西田多戈止一燈園当番、三輪隆裕日吉神社宮司、猪熊俊吉椿大神社国際部長、本山一博玉光神社権宮司他数名である。 8月15日(金)、平成15年度の人類共栄会の総会が、泉尾教会の会堂広前で開催された。開会宣言後、理事の樋口徳光氏が議長に指名され、議事進行を計った。また、昨年度の収支・活動報告と今年度の予算・活動方針案について事務局国際部長の香西俊雄氏から報告がなされ、原案通り承認された。
最後に、人類共栄会会長である三宅龍雄会長が挨拶を行い、今年度の総会は無事、終了した。
8月7日(木)、永田町の自民党本部で開催された『くにのかたち研究会』(代表:額賀福志郎幹事長代理)に、人類共栄会の三宅善信師が講師として招かれ、政策決定に強い影響力を持つと言われる近江屋信広総裁・幹事長室事務部長、大谷直義政務調査会事務部長らをはじめとする同党の職員および同研究会のメンバーを前に、約2時間にわたって、『国際政治・社会における宗教の重要性』と題する講演と質疑応答を行った。
共同通信社の松田博公編集委員の司会進行ではじまったこの日の研究会は、総選挙の責任者であり、多忙を極める額賀福志郎幹事長代理の挨拶で始まった。この日は、全国知事会をはじめとする陳情団が大勢、自民党本部に来ていたが、三宅師の講演(約40分間)中は、額賀代議士は中座することなく、平明な表現を用いながらも、日本の歴史的背景や世界の諸文明を的確に批評する「知的な刺激に満ちた高度な内容」に聞き入った。 8月4日(月)、1987年に世界の宗教指導者が集まって開かれた「比叡山宗教サミット」の16周年を記念する「世界平和祈りの集い」が、天台宗総本山延暦寺で開催され、神仏基新宗教各派の代表が多数参加、宗派の垣根を超えて恒久平和のために祈りを捧げた。人類共栄会からは、三宅龍雄会長と三宅光雄理事長らが列席した。
式典には、渡邊惠進天台座主以下の天台宗関係者をはじめ、白柳誠一WCRP日本委員会理事長(カトリック枢機卿)・池田瑩輝世界連邦日本宗教委員会委員長(真言宗中山寺派元管長)らのお馴染みの顔ぶれと共に、三宅龍雄会長も登壇して、共に祈りを捧げた。
また、三宅会長は、この日の「祈りの集い」のために来日したイスラエル・ラオ師前イスラエル共和国の首席ラビとパレスチナ自治政府アラファト議長の宗教顧問シェイク・タラル・シデル師らと「平和と宗教の役割」について、意見交換を行った。 |