恭賀新禧/2024(甲辰)年

謹んで新年のご祝詞を申し上げます。コロナ禍が終息したかと思いきや、数年間、逼塞していたインフルエンザウイルスが活発化してくるのは、拙著『風邪見鶏:人類はいかに伝染病と向き合ってきたか』で解説したとおりです。

この間の社会の変革には凄まじいものがあり、Chat−GPTをはじめとする生成AIの急激な普及が多くのホワイトカラーから仕事を奪い、家族葬や一日葬の流行に見られる薄葬化の傾向は決して旧に復することはなく、宗教界も苦しい状態が続くでしょう。

また、ロシアによるウクライナ侵略戦争は3年目を迎え、イスラエルによるパレスチナ人に対する過剰な暴力の行使も、本来ならば国際間の紛争を抑止すべき立場の安保理常任理事国であるロシアや米国の相次ぐ拒否権の発動で国連も機能停止に陥りました。

そんな中で、世界中で最も多くの国を制限なく訪れることのできるパスポートを有する日本人の役目は大きいと思います。これまで「語学の壁」によって活動が制約されていた日本人にとって、生成AIの普及は「しない言い訳」を取り払いました。今こそ、再稼働の時です。

三宅善信


2023年を振り返って

2月27日、駐日シリア・アラブ共和国大使館でナジブ・エルジ代理大使と北レパント地域を襲いトルコ・シリア両国で5万人以上の犠牲者を出した大地震の被害状況について1時間以上にわたって会談し、義捐金50万円を寄託した。


3月14日、西本願寺聞法会館で『宗教と政治:新たな公共空間形成のために』をテーマに開催された第69回コルモス研究会議で、正教会の歴史について基調講演を行った。


5月10日、広島市のカトリック世界平和大聖堂で開催されたG7サミット宗教者による祈りとシンポジウムにおいて、2つのパネル討議のモデレータを務めた。なお、このシンポジウムの宣言文は、同15日に総理官邸で岸田文雄総理に手渡された。


9月4日、ルーマニア西部のクルジュナポカのユニテリアン大聖堂で開催された世界平和祈りの集会で、同国内のキリスト教主要7教派の主教、ユダヤ教・イスラム教・ヒンズー教・仏教の指導者と共に、神道を代表して祈りを行った。


11月27日、インドネシア大統領も臨席してジャカルタで開催されたISORA(宗教的権威による国際サミット)に招かれ、このサミットに参加した唯一の日本人としてパレスチナにおける過剰な暴力の行使を止めさせるための提言と意見交換を行った。