三宅代表が米国の国連改革についてコロンビア大学教授

05年12月14日

  12月14日、大阪市北区のアメリカ総領事館で行われた国際関係フォーラム『アメリカが目指す国連改革』に、三宅善信代表が招待され、コロンビア大学国際機関研究所長のエドワード・ラック教授の基調講演と、星野俊也大阪大学大学院国際公共政策研究科教授の進行によるディスカッションが行われた。

  国連創設60周年にあたるこの年、日本政府も本腰を入れて取り組んだ「常任理事国追加G4案」(註:この案に対する三宅代表の評価は、『なぜ日本は常任理事国になれないのか』で詳解されている)に対して、ラック教授は、国連改革に対してG4案が展開する「(安保理の正統性を高める)代表性(representativity)」の問題よりも、実際の国際紛争に対する「(国連としての早急な意思統一と解決のための)実効性(effectiveness)」のほうが重要であるという論旨で、G4案を一蹴した。また、今回の安保理枠拡大失敗によって日本国内で巻き起こった「19.5%という著しく高い日本の国連分担金減額要求(=国際発言力と分担額を比例させるべきだ)」に対しても、これを批判した。

  それに対して三宅代表は、「G4案」が敵ばかり増やす愚案であることにはラック教授に全面的に賛成するものの、やはり「民主主義の正統性を担保するものはその代表性である」との立場から、「第二次世界大戦の戦勝国である」ということだけが唯一の正統性とする現在の安保理体制そのものが、イスラム原理主義者たちをはじめとする各種のテロ活動や独裁国家の核兵器開発意欲を助長しているのであるとして、従来の「大陸別」の代表制に代わる、歴史・宗教・文化などにも配慮した代表制を提案した。


ラック教授と意見交換する三宅代表

  さらに、三宅代表は、19.5%の日本の分担金減額要求に対しても、「むしろ逆で、日本が国連の分担金を100%負担すべきである」というウルトラC案を出してラック教授らを驚かせた。現在の体制が続く限り、何十年待っても日本を常任理事国にしようという声は大きくならないが、十年連続国連の全ての支出を日本が持てば、国連は日本抜きでは生きてゆけない日本という“麻薬漬け”状態になってしまい、その状態にしてから、何でも日本の主張を通させるという案のほうが、むしろ「実効性(effectiveness)が高い」という、長年にわたる国際NGO機関での活躍によって習得した対処法を披瀝した。


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