三宅善信代表 インドでIARF国際評議員会に出席

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  2010年3月23日と24日、インド南部のケララ州コーチにおいて、IARF(国際自由宗教連盟)の2010年度国際評議員会が13名の評議員と約10名のオブザーバーが参加して、トーマス・マシュー会長(インド)と国際事務局スーパーバーザーである三輪隆裕日吉神社宮司の共同議事進行によって開催され、三宅善信代表も、国際評議員のひとりとしてこれに参加した。ここでは、本年9月にこの地で開催される予定の第33回IARF世界大会を中心に、通常年度の決算・予算や活動方針等ついて審議された。


ゴクラムホテルで開催された2010年度IARF国際評議員会

  IARFは、1893年にシカゴのコロンビア万博の一イベントとして開催された万国宗教会議をきっかけに、欧米において長年、異端視されてきたユニテリアン(キリスト教世界において「正統」とされる「三位一体論」を信じないグループ)を中心に、宗教的なマイノリティ(少数派)の人権擁護を目的に1900年にボストンで結成された世界最古の諸宗教対話団体で、現在では、国連経済社会理事会に総合諮問資格を有する国際NGOである

  本年9月4日から7日まで、『対立から和解へ:21世紀の挑戦』をテーマに、世界各国から約五百人の参加者を集めて、ケララ州コーチのCRC(カトリック・リニューアル・センター)をメイン会場に、その第33回IARF世界大会が開催される。特に注目されるのは、開会式にチベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世が基調講演を行うことである。

  今回の国際評議員会では、長年、オランダ政府や欧米の基金の支援を受けて、IARFが南アジア地域で実施してきたHRE(人権教育)プログラムにおける資金の流れの透明化および執行状況の客観化を目的とした「スタンダード・レポート様式」の成文化や2009年度の財務報告、2010年度の活動方針について激しい議論が行われた。特に、三宅善信代表は、IARF国際評議員の一人として、将来検討委員長ならびに規約委員長および世界大会実行委員の要職を兼任し、今回の国際評議員会の議論において、常に「財政再建路線」から厳しい言説を展開した。


2010年度IARF国際評議員会で再三発言する三宅善信代表

  約40年間にわたって、IARFに限らず国際的な諸宗教対話団体においては、欧米の宗教指導者が規約や人事や活動プログラムの方針を決め、日本の新宗教教団が資金を提供し、途上国において各種の社会開発プログラムを実施(資金を消費する)というパターンが繰り返されてきたが、近年、IARFにおいては、日本国内の宗教指導者の世代交代によって、それぞれの教団を代表する宗教指導者自身が皆、外国語が堪能で、教団職員等の「通訳(解釈)」を介さず、直接各国の指導者との忌憚のない意思疎通が可能となり、また、多額に資金を提供する以上、個別的な内容についても評価検討を行い、従来のようなレシピアント(援助受け取り者)のニーズではなく、ドナー(資金提供者)の価値観に基づいたプログラムの実施が可能となったので、評議員会自体大いに白熱を帯びたディスカッションが行われるようになった。

  今回の国際評議員会で最も注目されたのは、会長・副会長・会計役を含む次期(任期2010年から2014年までの四年間)国際評議員候補16名の氏名が発表され、四年に一度開催される「総会」に代わる通年の最高意思決定機関である評議員会としてこれを承認した。また、今後三年間は、国際字句局業務を引き続き、大阪で執行することが承認され、2013年以降の国際事務局の所在地と2014年の世界大会開催地に関しては、2012年の国際評議員会で決定することとなった。



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