2011年7月10日、和歌山県田辺市立世界遺産熊野本宮会館において、神道国際学会とインターナショナル・シントウ・ファウンデーション共催の国際シンポジウム『神仏の森林文化』が開催され、日本国際連合協会関西本部や大阪ユネスコ協会、神仏霊場会や社叢学会の協賛を得て、本山修験宗の宮城泰年聖護院門跡をはじめ、交通の不便な山間地であるにもかかわらず、ホールが満席になる盛況であった。
パネリストとフロアとの間で盛り上がるディスカッション |
最初に、主催者を代表して神道国際学会の薗田稔会長(京都大学名誉教授)が挨拶をし、また、ユネスコバンコク事務局次長のE・クレエマン博士と中馬弘毅大阪ユネスコ協会会長が祝辞を述べた。続いて、本宮大社の九鬼家隆熊野宮司が『自然と人との共存〜再生の熊野本宮より〜』と題して、慶應義塾大学の宮家準名誉教授が『熊野本宮の修験道』と題して、コロンビア大学のマックス・モーマン教授が『神の森・仏の森――熊野に見る霊場の構成』と題して、世界宗教対話開発協会のキャサリン・マーシャル理事長が『霊的リーダーシップと自然崇拝』と題して、国際省察クラブのミシェル・タオ・チャン会長が『神々の住まう森の文化:意識の収束』と題して、それぞれが発題を行った。
三宅善信代表の閉会のスピーチに耳を傾けるシンポ参加者
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続いて、パネリストに対する質疑応答が行われ、フロアの元国際宗教学・宗教史学会会長のマイケル・パイ博士やジョン・ブリーン国際日本文化研究所准教授や岩澤知子麗澤大学准教授らから鋭い質問が寄せられた。最後に、主催者を代表して神道国際学会の三宅善信常任理事(国連協会関西本部理事)が、森を伐採して人民から神(王)と崇められたメソポタミアのギルガメッシュと、木を植えて人民から神(王)を崇められたスサノヲを比較して、森林に対する宗教的アプローチの違いに触れて閉会のスピーチを行った。