2012年11月3日、カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)で国際シンポジウム『自然災害と宗教文化』が開催され、日米欧から6名の学者が研究発表をし、パネルディスカッションが行われた。また、この日の夜には同大学の講堂で国指定重要無形文化財の『秩父神楽』が上演された。
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UCSBで開催されたシンポで研究発表を行う三宅善信代表 |
シンポジウムの開会に当たり、スポンサーのインターナショナル・シントウ・ファウンデーションのキャサリン・マーシャル理事長(元世界銀行総裁顧問)らが祝辞を述べた。引き続き、『カオスとコスモス:震災復興の宗教文化』と題して薗田稔京都大学名誉教授が、『3・11津波被害と神社についての信仰解釈』と題して茂木栄國學院大学教授が、『災害ユートピアと宗教』と題して三宅善信レルネット代表が、『地震の神学:前近代日本における自然災害と宗教文化』と題してファビオ・ランベッリUCSB東アジア言語文化学科長が、『終焉の大洪水:中国宗教史における終末と原初』と題してドミニク・ステアーヴUCSB准教授が、『キリスト教と終末』と題してステファニア・トゥティーノUCSB歴史学科教授が、それぞれの研究発表と質疑応答を行い、先の6名でパネルディスカッションが行われ、フロアも交えて大いに議論に花が咲いた。
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UCSBでのパネル討議でランベッリ教授と意見を交える三宅善信代表 |
この日の夜には、同大学のオーディトリウムにおいて、国指定重要無形文化財の「秩父神楽」の内『岩戸開き』が上演され、地元テレビ局も取材に訪れ、有料のイベントにもかかわらず満員の盛況であった。天岩戸に天照大神が隠れられたことによって、この世が闇になったのは、いわば、神話時代における「大災害」であって、「天宇売女命がエロチックな踊りをおどり、騒がしい外の様子を見ようと天照大神が岩戸の扉を少し開けた時に、手力男命が天照大神を洞窟から引っ張り出し、二度と戻れないように大きな岩で蓋をした」というストーリーをコミカルに演じる構成は外国人にも解りやすく、好評であった。
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UCSBのオーディトリアムで上演された秩父神楽 |
なお、大学での国際シンポと神楽公演に先立ち、2日には地元の公立小学校や日本人学校を訪れ、「本物の神楽」を子供たちに見せ、日本文化の一端を喧伝し、大いに感謝された。
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公立小学校の児童たちを前に演じられる秩父神楽 |