■ 宗教界の動き ■
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 12月前半の宗教界の動き (0012S) 長らくの中断でご迷惑をおかけしていました「宗教界の動き」再開しました。11月中の出来事で未収録のものも併せて掲載しています。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇ *中尊寺 1150年祭を円成 11月10日、中尊寺の開山1150年祭は、この日の結願法要をもって、魔事なく円成した。4月20日に始まった同祭は、期間中の記念行事として、秘仏・一字金輪仏頂尊像の開帳、法話と映像上映などさまざまな歳事を展開し多くの参拝者を迎えた。 ☆神道国際学会がシンポ、神道国際化の道を探る 11月11〜12日、神道国際学会第6回シンポジウムが、『神道研究のグローバル化へ向って』と題して、東京国際フォーラムで開催され、国内外の神道研究者、宗教学者、神道実践者が集まった。レルネットの三宅善信代表は、11日のモデレーターを務めた。 ☆ビリー・グラハム伝道協会"世襲" 11月17日、過去数代の合衆国大統領就任式で説教をしたビリー・グラハム牧師が主宰する伝道協会の代表理事に、創設者ビリー・グラハム牧師の子息のフランクリン・グラハム牧師が就任したことが、同協会理事会の年次会議で発表された。ビリー・グラハム牧師はTV伝道で名をなし、「大統領の牧師」として、世界の最高権力者の決定に影響を与えていると言われている。 *日本脱カルト研究会 初の公開講座開く 11月23日、オウム事件を契機にカウンセラーが独自に集い、情報交換することからスタートし、これまで28回の研究交流会と4回の救出カウンセリング講座を開いてきた「日本脱カルト研究会」が、東京の早稲田大学で『世紀末とカルト〜幻想のかなたから〜』と題して初の公開講座をジャーナリストの江川紹子氏の司会で行った。 *京都・関西セミナーハウス 「もみじまつり」催す 11月23日、京都市左京区の(財)日本クリスチャンアカデミー・関西セミナーハウスは、恒例の「もみじまつり」を開催し、紅葉が鮮やかな彩りを見せる同ハウスを600人が訪れた。 *佛光山信徒 五体投地して牛久大仏へ 11月23日、世界各地で強力な布教活動を展開している台湾最大の新宗教教団・佛光山(開祖=星雲大師)が東京都板橋区に設置した宗教法人佛光山東京別院の信者らが、浄土真宗東本願寺派の本廟牛久アケイディア(茨城県牛久市)を参詣した。華僑の信徒約150人が集い、五体投地しながら大仏に参拝し、大仏胎内での勤行や曽我和夫総務の法話聴聞、苑内清掃などを行った。 ☆元コスタリカ大統領夫妻を招き夕食会 11月26日、三宅龍雄金光教泉尾教会教会長夫妻は、来日中のロドリゴ・カラゾ元コスタリカ共和国大統領夫妻を招いて夕食会を行い、同国の国連平和大学設立に協力した時の思い出話や、内外の昨今の政治状況など広範囲の問題について意見の交換を行った。 *本願寺派 ビハーラの将来像探る 11月26〜27日、浄土真宗本願寺派の第7回ビハーラ活動全国集会が、京都市下京区の本願寺会館で開催され、全国の各教区でビハーラ活動に取り組む会員ら200人余りが参加『いのち・共生・実践〜21世紀へ向ってのビハーラ〜』のテーマで、講演の聴講、テーマ別の分科会での集中討論などを通じ、21世紀におけるビハーラ活動のあり方を模索して研鑚を積んだ。 *世界宗教者平和会議『30年史』を刊行 11月28日、(財)世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会は、創立30周年にあたり、記念事業の一環としてこのほど『世界宗教者平和会議30年史』を刊行した。記念誌は1970年のWCRP創設以来、今日までの歩みを克明に記録したもので、白柳理事長、杉谷義純事務総長、コフィ・アナン国連事務総長などの挨拶をはじめ、今岡信一良、中山理々、庭野日敬、三宅歳雄各師らWCRP先達の足跡が紹介され、また貴重な写真もふんだんに挿入されているなど、宗教協力の全容が一目で把握できる一級の資料である。 *日蓮宗 ラオスへの小学校建設を呼び掛け 日蓮宗は、宗祖の立教開宗を記念して、毎月28日を「いのりの日」と定め、各教区・管区や全国寺院で対社会的な人心の浄化、社会環境の浄化、国際協力等を行ってきたが、今年もこの活動の締めくくりとして11月28日、渡邉総長らが新宿駅周辺で、ラオスへの小学校建設の協力を呼びかける募金活動を兼ねた「国際協力歳末助け合い運動」を実施した。 *天台宗仏青30年祝賀会 11月29日、天台仏教青年連盟の創立30周年記念祝賀会が、大津市内のホテルで開催され、全国の会員ら130人が集まった。渡邉惠進座主ほか、杉谷義純初代代表ら歴代代表も駆けつけて祝辞を述べた。 ☆関東八十八ヶ所霊場5周年 11月29日、東京都足立区の真言宗豊山派西新井大師総持寺では約350人の僧侶・檀信徒が参集し、「弘法大師関東八十八ヶ所霊場5周年記念法要」が執り行なわれた。同寺遍照殿での記念法要では、濱野貫首を導師に護摩供養を厳修、光明殿での記念式典では法楽を橋爪良恒師(高野山真言宗・慈眼院)が導師を務めて行われた。 *天台座主先頭に寒行托鉢 12月1日、天台宗の「全国一斉托鉢の日」に当たり、渡邉惠進座主を先頭に、藤光賢天台宗宗務総長、清原恵光延暦寺執行らが、お膝元の大津市坂本などで募金活動を繰り広げた。師走恒例の行事になりつつある天台座主の托鉢の模様はTVで採り上げられた。収益はNHK大津支局に寄託される。 ☆増える自殺者 四国霊場で講演会 12月2日、「愛媛祈りの会」(連絡先=松山市・真言宗豊山派石手寺 温泉川内町・臨済宗妙心寺派安国寺)は、松山市で、「自死・自殺 ふつうの人が死ぬとき」のテーマで講演会を開いた。講師は日本自殺予防学会の会員で大妻女子大の松本教授。 *大谷派 伊藤全門協会長ベトナムへ 12月2日、真宗大谷派の伊藤節雄全国門徒会正副会長協議会(全門協)会長が、ベトナム・ハノイに日本語学校と日本寺を建てるため、出発した。今回は、ベトナム僧向けの日本語学校の開設に加え、ハノイの日本寺建設を目指し、ベトナム仏教協会などとの話し合いが行われる予定。 *"代々木の杜80"フォーラム 最終回 12月3日、東京・代々木の明治神宮の鎮座80年を記念して、この3月からほぼ毎月1回「神々と森と人のいとなみを考える」を総合テーマに開かれてきた「代々木の杜80フォーラム」が、ひとまずの総括となる第8回「森と水の恵み」で最終回となった。このフォーラムは80年前の若者らの「代々木の杜づくり」精神を次世代に引き継ごうという願いにより始まった。最終回はこれまでの議論を総括しながら、来年から「森と水のめぐみ」をテーマに再開する構想のある同フォーラムへの課題を探っていくことになった。 *成田市で歳末托鉢 12月3日、成田市仏教会恒例の歳末托鉢が行われた。この行事は昭和20年、成田山で始めたもので昭和30年に成田市仏教会が結成されてからは仏教会の主催で行われている。浄財は、成田市社会福祉協議会を通して共同募金に納められる。 ☆ミレニアム合同礼拝 12月3日、「21世紀の人類の平和を祈る諸宗教ミレニアム合同礼拝」(主催・かめおか宗教懇話会)が、京都府亀岡市の西山緑化公園・平和の塔前で行われ、仏教・キリスト教・神道・教派神道の宗教者33人が「戦争の世紀」だった20世紀を反省し、間近に控えた新世紀が「平和の世紀」となるよう祈りを捧げた。 *今宮戎神社"福娘"代表決まる 12月3日、「大阪のえべっさん」で知られる今宮戎神社(津江明宏宮司)は、朝日放送ABCホールで例大祭「十日戎」において参詣者に縁起物の福笹を授与し、宝恵かご行事等に花を添える福娘(50人)の代表を選ぶ「第49回平成13年度今宮戎神社福娘発表会」を落語家の桂三枝師匠の司会で開催した。これは11月26日の「福娘選出審査会」で選出された50人の福娘を対象に公開審査で代表者3人を選ぶもの。 *全日仏 「移植法」見直し前に教化セミナー開催 12月4日、浄土真宗本願寺築地別院で、(財)全日本仏教会の主催による教化セミナー「いま、仏教と医療を考える」が開催された。「臓器移植法」制定3年後に行われる「見直し」を前に、医療と仏教の関係性や問題点を掘り下げ、仏教者の役割を問い直してみようというもの。 当日は、臨床の場に実際に携わっている佐藤雅彦大正大学非常勤講師が「脳死・臓器移植問題にどう向かうか」を、ビハーラを提唱した田宮仁飯田女子短期大学教授が「ビハーラによるケアと仏教者の課題」を講演、仏教者は医療現場に対する意識を高めるべきと提起した。 *四国八十八ヶ所霊場会 研修会 12月5〜6日、四国八十八ヶ所霊場会(淵川利昭会長、本部事務局=香川県善通寺市)は、第34回「公認先達研修会」を第七十五番札所善通寺・遍照閣で開催、「新任者の部」に450人、「昇補者の部」に550人が受講し、それぞれ先達、大先達などに公認された。開会式では総裁の高吉清順善光寺法主が"同行二人"の心を強調、遍路三信条の一つ「摂取不捨の誓願」について説いた。 *師走恒例の大根だき 12月7〜8日、京都市上京区の千本釈迦堂大報恩寺(菊入卓如住職)で、師走恒例の「大根(だいこ)炊き」法要が営まれ、地元だけでなく他府県からも大勢の参拝者が訪れ、境内は日暮れまで賑わった。 *宗教倫理学会が発会 12月9日、諸宗教の垣根を越えて広く倫理的課題などについて協議、その成果を世に問うことを目的とした宗教倫理学会の発会式及び第1回学術大会公開シンポジウムが、京都市上京区の同志社大学今出川キャンパス内の神学館で開催され、仏教やキリスト教の研究者、大学教授ら約100名が参加、会長に瓜生津隆眞京都女子大学学長、副会長にシュペネマン・クラウス同志社大学文学部教授を選出。会長が基調講演を行った後、「宗教と倫理」をテーマにした公開シンポが開催された。レルネットの三宅善信代表も参加し宗教倫理学会会員となった。 *誉田氏の一周忌営む 12月9日、誉田玄昭毘沙門堂門跡前門主(延暦寺一山法曼院前住職)の一周忌法要が、大津市坂本の滋賀院門跡でしめやかに営まれ遺族・関係者ら150人が参列し、叡山講福聚教会の創設など詠讃道に生きた故人を偲んだ。 *今年を象徴する一字は"金" 12月12日、(財)日本漢字能力検定協会が毎年末、1年の世相を表す漢字一字を募集している「今年の一字」が"金"に決まり、北法相宗大本山清水寺(森清範貫主)の奥の院舞台(いわゆる「清水の舞台」)で森貫主による揮毫と奉告法要が実施された。 *有原日龍新貫主を選出 12月13日、法華宗本門流大本山本興寺(三浦成雄執事長)貫名日普貫主の辞任に伴い、後任選挙を実施し、兵庫教区妙宣寺住職・有原日龍を新貫首に選出した。任期は5年。 *伊勢神宮の新神楽殿竣功 12月14日、神宮(三重県伊勢市)の「外宮(げぐう=豊受大神宮)」にこのほど竣工した新神楽殿の開殿祭が、池田厚子祭主(天皇陛下の実姉)、久邇邦昭大宮司以下神宮神職、東園基文統理はじめ神社本庁関係者が参列して斎行された。 外宮神楽殿は明治24年に祈祷所が神楽殿と改称され、同26年に今造営で解体された旧神楽殿を新築し開殿祭を斎行。以来、修改築を重ねながら崇敬者を迎えてきたが、老朽化の進行と参拝者が減少傾向にある外宮の活性化を目的に、全面的な改修となる新神楽殿が造営されることになった。 ☆大蔵経データベース化に募金会 このほど、1993年以降、故江島恵教東京大学教授を中心とするボランティアによって『大正新脩大蔵経』のデータベース化が進められてきたが、それを資金面で支援するために、2006年2月までの予定で募金会が設立された。 *中国初期天台の全文献をCD1枚に収録 天台宗典編纂所は中国初期天台の全文献を収録したCD『天台電子佛典CD2』を完成させた。初心者でも簡単な操作で収録文献の完全検索が可能という。天台大師をはじめ、陳・隋・唐の時代にかけて著わした現存する81書目をすべてデータベース化、また1997年にリリースの『CD1』に収録した文献、天台三大部と法華三部経を丸ごと含んでいる。『CD2』は頒価3,000円。また、開宗1200年を迎える2005年までに、初期日本天台の典籍を納めた『CD3』を完成させる予定。 戻る |