■ 宗教界の動き ■


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2月前半の宗教界の動き (0102F)
民俗風習である節分の諸行事や教団トップの人事が多くありました。

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☆管長に福島慶道師3選 東福寺派
2月1日、任期満了に伴う臨済宗東福寺派の管長選挙の開票作業が東福寺派宗務本院で行われ、福島慶道現管長(東福寺専門道場師家)の当選が決まり、3期目の管長就任となった。同じく任期満了による宗務総長選挙も同日開催され、単独候補となっていた現職の青木謙整宗務総長(善福寺住職)の4選が決まった。いずれも任期は4月1日からで管長は5年間、宗務総長は3年間。


☆門主の任命で永谷真龍師が宗務長に 木邊派
2月1日、真宗木邊派の木邊圓慈門主は、2期4年間務めた高田信明宗務長の任期満了に伴い、後任に参務や北海道教務所長を歴任した永谷真龍潜龍寺前住職(北海道小樽市)を任命した。人選には、このほど、約60年ぶりに改正し、5月に発布を予定する『木邊派宗制』を始めて適用した。


☆森首相が来山 総持寺
2月1日、森喜朗首相は、曹洞宗大本山総持寺を訪れ、板橋興宗貫主と懇談した。板橋貫主が森首相の地元、石川県の大乗寺専門僧堂で堂長を務めていた時からの親しい関係にある。懇談の内容は明らかにされていないが、「政治の話しなんかはしない。楽しく雑談した」と板橋貫主は話している。


☆東福寺派管長 米国の22大学へ出講
2月2日、前日に管長に3選されたばかりの臨済宗東福寺派の福島慶道管長(東福僧堂師家)は、毎年恒例のアメリカ行脚に出発した。今回は全米の22大学と市民対象講座4カ所、座禅会2カ所の合わせて28カ所で"ZEN"指導にあたる。


☆炮烙にお願いごと墨書 壬生寺
2月2〜4日、重要無形民族文化財の「壬生(みぶ)狂言」で全国的に知られる律宗別格本山壬生寺(松浦俊海貫主、京都市下京区)で2日から3日間節分会が営まれ、境内は連日多くの参詣者で賑わい、壬生狂言三十番のうち「節分」が繰り返し上演された。素焼きの厄除け炮烙(ほうらく)に願いごとなどを墨書して奉納し、4月に上演される壬生狂言『炮烙割り』で割ってもらうと、厄除を免れて福徳を得られるとする珍しい風習がある。
関西では、節分の日、その年の「恵方(えほう=今年は南南東)」に向い、家族揃って巻きずしを丸かぶりすると幸運が回ってくるという言い伝えがあり、巻きずしが飛ぶように売れていた。


☆環濠平野を節分托鉢 大念佛寺
2月3日、融通念佛宗総本山大念佛寺(白井慈勲管長、大阪市平野区)の節分会(「寒行修行」「毘沙門天護摩供」「大般若会」)が奉修された。寒行修行の節分托鉢には辻泰彦庶務、久保良方財務の両部長を含む宗務職員ら15人が、黒衣に菅笠、草鞋の姿で2班に分かれ、先頭に幟旗を立て鉦を打ち鳴らし念仏を唱えながら、旧平野区の町内を行脚した。かつて節分托鉢は、小寒入りの日から立春前夜まで毎日行われていたが、いつのころからか節分だけになった。この日集まった布施は同宗の福祉施設に送られる。


☆追儺豆まき式 成田山
2月3日、智山派大本山成田山新勝寺(照碩貫主)の節分大会「追儺豆まき式」が行われた。成田山の節分会では「福は内」とのみ唱え「鬼は外」とは唱えない。特別参加年男として、大相撲からは横綱武蔵丸・大関千代大海や、NHK大河ドラマ『北条時宗』に出演中の和泉元彌・伊藤四朗・西田ひかる他が参加した。


☆500人の年男 西新井大師
2月3日、真言宗豊山派西新井大師總持寺(浜野堅照貫主、東京都足立区)では、本堂で大護摩(達磨供養本尊供)を修行し、光明殿前庭で達磨大供養会を営んだ。午後3時からは、本堂で節分大護摩が営修され、その後の撤豆式では500人の年男により、約700kgの豆がまかれた。


☆「縁喜がらまき」に歓声 日光山輪王寺
2月3日、栃木県の天台宗日光山輪王寺(鈴木常俊門跡門主)の節分会追儺式が、同寺三佛堂(本堂)で行われた。時おり小雪のちらつく厳寒のなかの節分となったが、縁起物や景品交換券もまかれる名物「縁起がらまき」に多くの参拝者が詰めかけた。今年の「特別年男」役は、女優の小川真由美、三林京子、内林若奈、男優の山下規介ら。式後寺務所で催された斎食では、「特別年男」らを囲んで歓談した。


☆有名俳優が豆まき とげぬき地蔵
2月3日、"おばあちゃんの原宿"と呼ばれる東京巣鴨の「とげぬき地蔵」曹洞宗高岩寺(来馬規雄住職、東京都豊島区)で、節分追儺会が盛大に厳修された。午後4時から大般若祈祷、つづいて豆まきが行われ、大河ドラマ主演の和泉元彌、狂言師の和泉淳子、三宅藤九朗、俳優の中村嘉津雄、女優の藤村志保、樹木希林、鮎ゆうき、田中麗奈らが参加した。


☆「扇塚」法要も 西山深草派総本山
2月3日、京都市内有数の繁華街・新京極商店街にある浄土宗西山深草派総本山誓願寺(井ノ口泰淳法主)で恒例の節分会が執り行なわれ、終日福を求める善男善女で賑わいを見せた。同日、午後1時から本堂脇に建立されている扇塚前で、諸芸上達を祈願する扇塚法要も行われた。


☆「福は内、鬼も内」金峯山修験本宗
2月3日、総本山金峯山(五條順教管長)で「福は内、鬼も内」の掛け声で豆を鬼に打ちつけて調伏する「節分会」が厳修され、境内は2,000人の参拝者で賑わった。


☆盛り上がる赤鬼青鬼のコント 立正佼成会
2月3日、立正佼成会(庭野日鑛会長)の「節分会」が、全国239の教会で一斉に行われた。同会では「節分会」を心の中にある鬼(貪欲・瞋恚・愚痴)を追い出し、心を切り替える(心を清める)日と意義付けている。東京都杉並区の教団本部では読経供養、法話の他、赤鬼・青鬼のコント、豆まきが行われた。


☆還暦組は陣羽織姿で 最上稲荷
2月3日、最上稲荷教総本山(管長稲荷日應妙教寺貫主・岡山市)は「節分豆まき」を執行。約35,000人が境内を埋め、年男年女が5組にわかれて豆をまき大きな歓声に包まれた。このうち還暦組は赤頭巾に陣羽織をまとって登壇した。


☆宮本会長自ら"年男" 妙智會
2月3日、妙智會教団(宮本丈靖会長)では、東京・代々木の本部大講堂で「節分追儺式」を厳修した。今年84歳を迎え「年男」となった宮本会長の導師で参拝者一同が「お題目十唱」、続いて宮本会長が1月20日から15日間にわたる「寒修行」が無事に終了したことを奉告、節分追儺の祈願を奉上し、「人々の幸せを築くために、忍善の道を歩みつつ、あらゆるすべてのものに感謝の心を持って、お導き修行に努力して下さい」と指導した。


☆石原都知事や双子山一家来場に熱気 霊友会
2月3日、霊友会増渕派(大形市太郎会長)では、東京・麻布台の本部釈迦殿で恒例の「節分会」行事を執り行なった。「節分会ご供養」の後に執り行なわれた「豆まき」の特設舞台には、大形会長、酒井健守運営会議議長ら教団関係者の他、石原慎太郎東京都知事、霊友会会員の花田勝治氏(初代若乃花)と双子山親方、横綱貴乃花ならびに双子山部屋の関取衆、日本画家の川崎春彦画伯、久世公堯参議院議員、近隣町会の役員らが登場した。特に初場所で優勝した貴乃花が司会者に紹介されると、会場は拍手と歓喜に包まれ、多いに盛り上がりを見せた。


☆奉納の演芸で賑わう 辯天宗
2月3日、奈良県五條市野原町の辯天宗(大森慈祥管長)大和本部で、節分祭が盛大に執り行なわれ、全国各地から帰参した多くの信者らで終日賑わった。奉納演芸では年男の川上のぼるさんの司会で漫才や歌謡曲などを披露、続いて当たりくじなどの入った福豆がまかれ、境内は大きな歓声に包まれた。この後、護摩殿で大盛り光祥宗務総長の導師で星供護摩祈祷を厳修、参列者に護摩の灰が授与された。


☆教主の退院を喜ぶ 大本
3日夜から4日未明にかけて、人間世界の立て直しを願い天・地・人を清める大本(出口聖子救主、奥田宗弘本部長)の節分大祭が教団発祥の地・京都府綾部市の梅松苑長生殿で執り行なわれた。3カ月余り入院していた出口教主が退院して挨拶。玉串奉奠をするなど元気な姿を見せ、参拝した全国の信者や市民ら15,000人を喜ばせた。


☆火渡り行に千人参加 林松寺
2月4日、姫路市網干区興浜の東寺真言宗林松寺で、開運厄除けなどを祈願する恒例の「星祭大柴燈護摩供」が厳修され、近畿一円から集まった約1,000人の檀信徒らは白煙が立ちこめる境内で手を合わせ、一心に祈っていた。柴燈護摩供修行成満後、火生三昧の火渡り行が執り行なわれ、川崎住職と修験道の行者らに続いて次々と檀信徒らが各々の心願を込めて、まだくすぶり続ける護摩木の上を素足で渡った。またこの日、併せて阪神淡路大震災の物故者の七回忌も営まれ、犠牲者の冥福を祈った。


☆立春祭に約2万人 世界真光文明教団
2月4日、世界真光文明教団(関口勝利教え主)は21世紀初の「立春祭」を静岡県中伊豆町冷川の主座世界総本山で挙行し「天意(あい)の実現、聖紀のみ代へ」のスローガンのもとに国内外から約2万人の組み手(信者)が集まった。関口教え主は自らの「手かざし」による救いの実証を語り、世界人類を幸せに導く「スピリチュアルボランティア」の推進と、「1ヵ月1,000人の初級研修会」実現を呼びかけた。


☆「折伏、破折、攻撃!」 創価学会
2月4日、創価学会関西男子部の新世紀第1回部長会が、大阪市住之江区のインテックス大阪で開催された。これには約5,000人が参加。池田大作名誉会長が「全員が師子となって折伏精神、破折精神、攻撃精神を燃え上がらせよ!」とメッセージを贈った。また、海外10カ国・地域のSGI(創価学会インタナショナル)と国内の10地域からもメッセージが寄せられた。


☆中村門主を三度推戴 浄土宗
2月7日、中村康隆浄土門主の任期満了に伴う「浄土門主・法主推戴委員会」(委員長=水谷幸正宗務総長)が、京都市東山区の宗務庁で開かれ、同委員会は、審議の結果全会一致で中村門主を三度推戴することを決めた。任期は4年間。現在94歳と高齢だが、1月に神戸で行われた阪神淡路大震災物故者追悼法要では導師を勤めて垂示を述べるなど、まだまだ元気な様子。


☆民族芸能の夕べ開催 生田神社
2月8日、今年御鎮座1800年を迎える生田神社(神戸市中央区・加藤隆久宮司)は、この奉祝行事として、加藤宮司が団長を務める神戸市民族芸能団による「神戸民族芸能の夕べ」を開催された。会場となった神戸文化ホールでは多種多様な芸能演舞が繰り広げられた。


☆天理教表統領 台湾の陳総統と会見
2月9日、天理教の代表役員である飯降政彦表統領は、台北を訪れ、陳水扁中華民国総統と会見した。陳総統は席上、中山善衞前真柱(教祖以来の教統の保持者)が1994年に当時の李登輝総統と会見したことに触れ、「現真柱(中山善嗣師)にもぜひ台湾にお越しいただき、お会いしたい」と述べたという。


☆老舗山中大仏堂が倒産
大阪・堀江の仏壇仏具の老舗山中大仏堂(山中文和社長)は、1月22日の第1回手形不渡りの事故後、再建に向けて同社の顧問弁護士などの有識者を交えて意見の調整を図っていたが、民事再生法の適用を申請するという結論に達し、2月9日夜、大阪地方裁判所に申請し、受理され、事実上倒産した。山中大仏堂は、300年の歴史(創業元禄2年)を誇り、多くの寺院の内装を行ってきた実績があるだけに、仏壇業界だけでなく、寺院関係者にも大きな衝撃を与えている。


☆百日の荒行を成満 中山法華経寺
2月10日、日蓮宗大本山中山法華経寺(千葉県市川市・長瀬日還貫主)の日蓮宗加行所(伝主=長瀬貫主、佐野前暁伝師)では、昨年11月1日から100日間に渡り行われていた荒行の結界が解かれる成満会を迎えた。待ちわびていた家族や檀信徒らは歓喜の声で迎え、加行僧らは、奥の院などの各堂を参拝、荒行が成満したことを奉告した。


☆「建国記念日」に中央式典 神社界
2月11日、神社界を挙げて、全国各地で「建国記念日」奉祝行事や式典が行った。東京では、政府後援にによる「(財)国民の祝日を祝う会」主催の式典が、また「日本の建国を祝う会(会長・小田村四朗拓殖大学総長)」主催の奉祝中央式典が開催された。中央式典に先立って、明治神宮表参道の原宿駅周辺で奉祝パレードが行われた。


☆『建国記念日の日』を問う キリスト教関係者
2月11日、日本キリスト教団西中国教区広島西分区(分区長=西嶋佳弘広島牛田教会牧師)やカトリック正義と平和広島協議会などの主催で、「2・11『建国記念日の日』を問う広島集会」が、広島市中区八丁堀の広島YMCA研修室で開かれた。同集会は、毎年カトリックとプロテスタントが合同で主催している市民集会。今回は、柴田もゆる日本キリスト教団廿日市教会牧師が「信仰と行動の自由について〜牧会権訴訟が問いかけるもの〜」と題して語った。


☆「夫のかわりはおまへん」 北御堂
2月13日、大阪市中央区の浄土真宗本願寺派本願寺津村別院(通称=北御堂、立森成芳輪番)で、大阪教区基幹運動推進委員会(会長=田中明宏教務所長)の第13回同朋運動推進の集いが開催され、一昨年、夫人の介護を理由に公職である市長を突然辞職して話題を呼んだ江村利雄前高槻市長が講演。「市長の代わりはおっても、夫の代わりはおまへん」との江村氏の言動は、高齢化社会の老人介護のあり方に一石を投じるものとして注目を集めた。

☆大阪国宗 新会長に大森慈祥辯天宗管長
2月13日、宗派を超えて大阪の宗教者らでつくる「大阪国際宗教同志会」(三宅龍雄理事長=金光教泉尾教会長)は、大阪・大正区の同教会で、平成13年度の総会を開催。平成9年度から2期4年間勤めてきた津江孝夫会長(今宮戎神社名誉宮司)の任期満了に伴う新会長人事について、大森慈祥常任理事(辯天宗管長)の就任を承認した。また、総会に先だって、日本古代史研究の第一人者、上田正昭(財)世界人権問題研究センター理事長(京都大学名誉教授)の講演会と質疑も行われた。なお、レルネットの三宅善信代表が、本講演と質疑の司会を務めた。


☆三宅島被災者救援に140万円 高幡不動尊
2月13日、東京都日野市の高幡不動尊金剛寺(川澄祐勝貫主)の救援募金の募金額が1,381,749円となり、読売新聞社「読売光と愛の事業団」に届けた。募金総額は昨年分と合わせて2,000,671円に達した。また、9日には、昨年11月の萬燈会参加者からの御燈料の中から30万円と、あじさいまつり句歌集頒布代金57,107円を日野市社会福祉協議会に届け、社会福祉事業の一助とした。


☆共済年金制度委が解散 高野山真言宗
2月14日、高野山真言宗の共済年金制度運営委員会が開催され、解散した。公務員やサラリーマンと比べて、「自由業」であるが故に「老後の手当」がほとんどなかった僧侶の世界で、「退役」後の福祉を推進するために、近年各宗派が積極的に進めてきた宗派毎の共済年金制度であったが、昨年の千代田生命の破綻等により、天台宗の年金制度が崩壊したのを受けて、各宗派の対応が急がれていた。高野山真言宗では、共済年金制度については昨年11月の秋季集会で生保業界の現状と将来を考え、加入者のリスクを未然に防ぐため、同制度の廃止が決まっていた。同委員会はこの会議をもって解散となった。


☆「進化論」の授業復活 米国
2月14日、キリスト教原理主義者の多い米国カンザス州では、「聖書に書かれてある神による天地創造の話と矛盾する」という理由で、州の教育課程基準から「進化論」を削除していたが、同州教育委員会(公選制、10人は、進化論を復活させるカリキュラムを賛成7:反対3で採択した。


☆新管長に岡本本能寺貫主 法華宗本門流
2月14日、法華宗本門流の第123代管長に、大本山本能寺(京都市中京区)の岡本日亘貫主が就任し、15日午後、同寺で推戴式が行われた。任期は1年3カ月。


☆藤堂恭俊法主 表葬
2月15日、昨年12月14日に胃癌のため逝去した浄土宗大本山増上寺藤堂恭俊法主の表葬儀が東京港区芝の同寺で執り行なわれ、各界から約1,500名が参列した。葬儀は、中村康隆浄土門主を導師にしめやかに執り行なわれた。


☆現教主の金光平輝師が三選 金光教
2月15日、金光教(代表役員=森定斎教務総長)では、任期満了に伴う教主選挙(有権者は約1,600の教会長)が実施され、即日開票の結果、現教主の金光平輝師が圧倒的多数で当選し、翌日に推戴を受けた同教主は20日に就任を受諾した。2期目となる今期の任期は26日で満了、翌27日に改めて教主に就任し、3期目を務める。任期は5年。なお、6月10日に行われる教団独立(101年)記念祭に併せて教主就任式が執り行なわれる予定。


☆次期管長に仙石泰山師 黄檗宗
2月15日、林文照管長の任期満了に伴う黄檗宗(赤松達明宗務総長)の管長選挙の立候補届け出が締め切られ、大本山萬福寺塔頭萬寿院住職の仙石泰山師が単独立候補となり、事実上当選が確実となった。次期管長就任確実となった仙石師の任期は4月1日から7年間。


☆金剛組が手斧始め式 四天王寺
和宗総本山四天王寺の年中行事の一つである「四天王寺手斧(ちょうな)始め式」が、さきごろ、同寺の金堂内で、(株)金剛組の出仕で古式通り執り行なわれた。この儀式は大工のその年の木造り始め、すなわち仕事始めの儀式で、四天王寺創建のとき、聖徳太子が百済から4人の造営工を呼び寄せ七堂伽藍の建立に当たらせたことに由来しており、1400年間の長きにわたって金剛一族が四天王寺の建設を司ってきた。


☆ホームページ「アーブ」開設へ 本願寺派
本願寺派、教学助成財団(菅義成常務理事)の平成12年度指定研究としてインターネットのホームページ「ARB(アーブ)」が開設される。大村英昭関西学院大学教授と金児暁大阪市立大学教授の両氏が中心となって推進しているプロジェクトで、その内容は、肉親との別れ(死別)だけでなく、面子(めんつ)、活力、ペットなど「大切なものを失う体験」を幅広く取り上げて、現代人、特に若い世代の宗教心を探ってゆくもの。


☆「備え付け書類提出問題」風化傾向に危惧 宗教法人法
「改正」宗教法人法に基づく備付け書類提出の3年目(平成12年提出分)の期限が過ぎた。初年度から2年目へかけて、提出拒否法人は全国的に見て微増傾向だったが、「改正」法制定時には、宗教界で広範に論議された「改正」問題の風化傾向が進んでいる。
提出拒否を通じて「改正」の違憲性を訴え続ける立場からは、過料(1万円)支払いによる書類提出免除の定着化で、逆に問題意識が薄れることを憂慮する声が聞かれる。理由は不明だが、文化庁は所轄の提出拒否法人に対する3年目の過料手続き件数を「未集計」(宗教法人室)として公表していない。提出義務と政罰の基準の曖昧さも明らかになりつつあり、書類提出問題は義務化初年度の攻防とは異なる様相ながら、いぜん複雑な問題を孕んでいそうである。


☆脳死臓器移植反対でリーフレットを作成
密教21フォーラム(上村正剛会長)は、このほど脳死臓器移植問題に対して『脳死は人の死ではありません』とするリーフレットと啓発資料『私達のアピールと見解〜撒き散らされる不道徳の数々〜』を刊行し、各方面に配布した。リーフレットには、脳死移植に反対する理由や「脳死移植法」改定に反対する意見も述べている。


☆「地震は天罰」発言で辞任
インド西部の大地震について南部カルナタカ州のジョン航空相が「地震はキリスト教徒を迫害した天罰だ」と発言して物議をかもし出し、その責任を取って航空相は間もなく辞任した。


☆ヒトのクローン研究に歯止めを
英国下院がヒトに関するクローン研究規制法案で医療研究のためのヒト細胞を使った実験を認める法案を可決したことから、英国とウェールズのカトリック教会指導者、ウエストミンスター大司教コーマック・オコーナー師が、下院決議を上院の審議で逆転するようにと訴えた。ブレア政権は「新しい希望を与える医療研究だ」としてこの法案を支持している。


☆ホームページで人材発掘を 天台寺門宗
天台寺門宗では、滋野敬宣財務部長は「若い人たちの潜在的な宗教ニーズは多いはず」と、ホームぺ時を立ち上げ、比較的若年層の利用が多いインターネットを通じて伝統の国峯修行への関心を喚起し、僧侶志望者を掘り起こしていきたい考え。


☆仏像盗難に対する声 御室派
御室派総本山仁和寺北側の成就山にある「御室八十八ヶ所霊場」の本尊など41体が盗まれていたことが新聞、テレビ等で大きく報道され、宗内にも衝撃が走った。盗んだ者に対する憤りとともに、内局の管理者責任を問う声もあったが、今後の対策と、新しい仏像の安置を考える必要があるとの声が多い。


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