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2月後半の宗教界の動き (0102S)
アジアの国々の諸問題が注目された月でした。
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☆1301回目の「お日待大祭」 五流尊瀧院
2月15日夜から16日未明にかけて、修験道本庁総本山五流尊瀧院(宮家道元管長、岡山県倉敷市)は、1300年以上続いている修験道最大の伝統行事「お日待大祭」を執り行なった。日の出を待って五流山伏が採燈大護摩を施行。全国から参集した信者らの諸願成就、一天太平、万民豊楽などを本尊・神変大菩薩(役行者)から伝わる悲報で祈願した。
☆念法眞教二代燈主小倉霊現師逝去
2月16日、念法眞教二代燈主の小倉霊現師(82)が、大阪市鶴見区の念法眞教総本山小倉山金剛寺で逝去。密葬(教団葬)は20日金剛寺祈願本堂で営まれた。本葬(教団葬)は3月24日、金剛寺で執り行なわれる予定。喪主は、金剛寺責任役員の桶屋良祐師。小倉燈主は初代燈主の跡を引き継ぎ、北方領土返還、性教育の行き過ぎ等について活発な運動を展開し、熱烈な愛国者として知られていた。小倉霊現燈主の死去に伴い、同教団の三代燈主にこのほど、総本山金剛寺執事長の稲山霊芳氏(75)が就任した。稲山師の三代燈主就任は、前燈主が生前から後継指名していた。
☆米国教会・教勢は安定、献金は増加
2月16日、米国教会協議会(NCC)が発行した『米加教会年間2001年版』によると、北米のキリスト教各教派では、全体として教勢減少に歯止めがかかる一方、献金額は微増している。会員数の多い上位3教会(教団)は次の通り。第1位ローマ・カトリック教会、第2位南部バプテスト会議、第3位合同メソジスト教会。
☆「自治会」を問い直す 本願寺派有志
2月17日、浄土真宗本願寺派備後教区の有志の会「備後・靖国問題を考える念仏者の会」(川上三朗代表、事務局:三次市東河内町、西善寺)は、第15回公開講座を開催。講師はノンフィクションライターの田中伸尚氏。テーマは「自治会と神社」。現在、全国に約28万ある自治会・町内会の中で、地域の神社費のを供出しているところが数多くある。それが政教分離原則に違反していないか等が問われた。
☆AYC第1回アセアン青年ネットワーク会議
2月17日から18日まで、AYC(世界連邦アジア青年センター、会長=三宅光雄金光教泉尾教会副教会長)の「第1回アセアン青年ネットワーク会議」がタイのバンコク開催された。開会式で主催者を代表して三宅会長が開会の挨拶を行った後、タイの仏教指導者プーラ・D・ワイヤアン師の「青年の倫理と道徳について」題する記念講演があった他、活発な意見交換がなされた。7,000人の会員を有するAYCは、これまで南アジア(インド亜大陸)を中心に活動を行ってきたが、今後は、東南アジア地域にもその活動を拡大する予定。http://www.relnet.co.jp/izuo/brief/2001gyouzi02.htm
☆庭野平和賞 エリアス・チャコール氏に
2月19日、宗教協力を通じ世界平和の実現に顕著な功績を挙げた個人・団体へ贈られる第18回庭野平和賞(主催=庭野平和財団、長沼基之理事長)は、ユダヤ人とパレスチナ人の融和を目指し、自ら学校を創設して教育活動を続けてきたカトリック・メルキト派の聖職者でパレスチナ人のエリアス・チャコール氏へ贈られることが決まり、同財団の庭野欽司郎専務理事が発表した。贈呈式は5月10日行われる。
☆バチカン・イラク空爆反対
2月19日、バチカン(ローマ教皇庁)国務長官のアンジェロ・ソダノ枢機卿は、今回の米英のイラク空爆には同意できない意向を明らかにした。枢機卿は、対イラク経済制裁についても非難した。
☆本願寺派蓮総長 宗会を解散
2月20日、浄土真宗本願寺派の蓮清典総長は、京都市下京区の宗務所に招集された第261回定期宗会(武野以徳議長)の冒頭、『宗法』第46条の規程に基づき大谷光真門主の許可を得て宗告を発布、宗会を解散した。宗会の解散は平成元年6月以来で戦後5度目。宗会冒頭の解散は宗会史上初めてである。
懸案の「北山別院墓地造成問題」解決への蓮総長の消極的な姿勢に、宗会で多数派を形成する僧侶議員と門徒議員が不信任案提出の構えを見せていたのに対し、蓮総長が先手を切った。両者のせめぎあいは3月にも実施される選挙で宗門僧侶の審判をあおぐことになった。
☆WCRPアフガンに調査団派遣
2月22日から3月3日までの日程で、WCRP(世界宗教者世界会議)日本委員会(白柳誠一理事長)の常設機関である難民委員会(山田能裕委員長)は、紛争が続いているアフガニスタンで行っている難民支援事業(帰還民の子弟に対する初等教育支援=第2次難民支援事業)の状況調査と新たな計画策定について現地の国連関係者やアフガニスタン政府指導者と協議するため、支援事業を行っているアフガニスタンに派遣し、第2次事業の調査と共に、小学校建設などの第3次計画に付いて現地の国連関係者や政府指導者と協議、策定する。今回の派遣は、同難民委員会の林恵智子(全日本仏教婦人連盟事務局長)、根本昌廣(立正佼成会渉外課長)、田澤清喜(WCRP日本委事務総局)の各氏。
☆五大力尊仁王会 醍醐派
2月23日、「五大力さん」として親しまれている真言宗醍醐派の「五大力尊仁会」が総本山醍醐寺で開かれた。巨大な鏡餅を上げて五大明王に力を奉納しその霊験を授かろうという「餅上げ力奉納」(女性90キロ、男性150キロ)に男女計60人が挑み、境内に声援が飛び交った。「御影(おまもり)」を求めて70,000人が参拝した。
☆全日仏青 増上寺で全国大会
2月23日、全日本仏教青年会(須藤大恵理事長)は、東京・港区の浄土宗大本山増上寺大殿で、2001年全国大会を開催。『21世紀の仏教徒の進むべき道――新世紀の風を感じて〜癒しの心〜』をテーマに、各宗ごとに法要やパネルディスカッションを行った。奥山元照実行委員長が「最近癒しという言葉をよく耳にするが、人々は心の何を癒されたいのか、またそこで僧侶に求められているのは何か」と問題を提起し、討論に入った。
☆教皇来広20周年を記念し、平和行事開催
2月25日、ローマ教皇の来広20周年を記念し、カトリック広島司教区(三末篤實司教)は、広島市中区の世界平和祈念聖堂(幟町教会)などで、『広島から平和の発進を』をテーマに平和行事を開催。20周年を迎えた今年は、巡礼を奨励する教皇ヨハネ・パウロ2世に倣って深夜の巡礼を挙行。またフランシスコ会司祭で、釜ケ崎反失業連絡会共同代表を務める本田哲郎神父を講師に迎え、教皇の『広島平和アピール』を読み直した。
☆「管長から一医学徒へ」對本師近況語る
2月25日、臨済宗佛通寺派管長・佛通寺専門道場師家という宗門のトップから一医学徒に転身し、現在、帝京大学医学部で学んでいる對本宗訓師のインタビューが、早朝の日本テレビ放送網系『宗教の時間』で放映された。タイトルは『僧衣から白衣へ』。對本師は、生命倫理問題に身をもって取り組むために、昨年春から医学研究に専念し始めた。
☆有原日龍貫主が晋山式 本興寺
2月25日、法華宗本門大本山本興寺(兵庫県尼崎市)の第133世有原日龍貫主の晋山式が、大本山本興寺本堂で厳粛かつ盛大に執り行なわれ、原井慈鳳・法華宗宗務総長をはじめ、約500人が参列した。有原貫主は総勢200人余の晋山列を整えて塔頭・恵雲院を進発、三浦成雄執事長に導かれて開山堂(重文)に入り、日隆上人生身御影像の尊前で上人直伝の秘儀「法脈相承の儀」が執り行なわれた。
☆布教伝道ITを活用へ
2月25日、"IT革命"をテーマに21世紀の仏教のあり方を模索する討論会が、広島市の浄土真宗本願寺派妙聲寺(藤澤桂珠住職)で開催された。パネリストは映画監督の松林宗恵氏、元中国新聞経済部長の佐々木博真氏、藤澤住職が務め、今後、情報伝達の日常的な手段となってくることが予測されるインターネットを中心とした「IT(情報技術)」を伝統仏教寺院においても布教伝道に活用していく必要性を訴えた。
☆大本山増上寺新法主に成田有恒師
2月26日、浄土宗(水谷幸正宗務総長)は、昨年12月に死去した藤堂恭俊大本山増上寺法主の後任に、直木賞作家"寺内大吉"としても有名な成田有恒前総務総長(79)を推戴。成田師は同日付けで大本山増上寺第87世法主に就任。任期は同日より4年間。増上寺は、徳川家の菩提寺として芝で発展。京都にある総本山知恩院と並んで、首都圏における浄土宗の"総本山"としての地位を占める最重要拠点である。
☆「新宗教・新新宗教を考える」シンポジウム 花園大学
2月26日、臨済宗の宗門校・花園大学(河野太通学長、京都市中京区)は、学内の教堂で「新宗教・新新宗教を考える」をテーマとする第2回シンポジウムを開催した。文化人類学者の上田紀之東京工業大助教授と高橋卓志臨済宗妙心寺派神宮寺住職を講師に招き、仏教の現状打開の可能性などについて論じ合った。
☆中国の人権状況はさらに悪化
2月26日、米国務省のパームリ次官補代理は、米国がジュネーブの国連人権委員会で中国の人権非難決議案の提案国となることを明らかにした。国務省が同日発表した『2000年版人権報告』の中で、「中国の劣悪な人権状況は2000年になってさらに悪化した」と指摘した。
☆モンゴルへ義援金送る 大本
2月27日、大本の外郭団体である人類愛善会(会長=奥田宗弘大本本部長)は、大寒波で深刻な影響が出ているモンゴル遊牧民を救済するため、同会の『愛善基金』から50万円を『アジア21世紀協会』(東京・新宿)へ贈り、東京池之端にある人類愛善会東京本部で同協会の藤公之助代表へ手渡した。
☆宝物20点を初公開 大神神社
2月27日から3月18日までの日程で、「日本最古の神社」と言われる奈良県桜井市三輪の大神(おおみわ)神社(木下照道宮司)に奉納され、これまで一般に公開されることがなかった宝物20点が、大阪市北区のリーガロイヤルホテルにあるリーガロイヤルギャラリーで「大神神社近代名宝展」として初公開された。堂本印象や三輪休和、平山郁夫ら画壇の巨匠が"三輪山"に寄せた崇敬の念が顕現された作品が展示された。
☆中国で宗教界が「反"邪教"協会」を結成
宗教、新聞、科学、医学などに中国の各界著名人が北京で一堂に会して、このほど『中国反邪教協会』を設立した。大会には反邪教協会結成の趣意書が提案され、近年世界各地で法輪功などの邪教が急速に広がっているとした上で、"邪教"との闘いを呼びかけている。中国宗教界が中国反邪教協会に参加したことで、宗教界がこぞって"邪教"に反対することを鮮明にしたことになる。
(註:"邪教"という用語は、中国側が用いている表現をそのまま用いただけで、レルネットとしては、いかなる宗教にも"邪教"などという表現は用いないことはいうまでもない)
☆中国で聖書がベストセラーに
中国で、『聖書』がベストセラーになっている。この13年間に、中国国内で2500万冊の聖書が印刷された。中国では『聖書』の書店販売は未許可で、多くの教会が書棚を設けている。また"公認"の配布所が70カ所ある。"公認"教会に所属しない信者は、地方当局から摘発、抑圧されている
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