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6月前半の宗教界の動き (0106F)
社会的な問題がおおいに取り沙汰されました。
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☆ネパール国王 皇太子に射殺される
6月1日、ネパールのビレンドラ国王・アイシュワリヤ王妃ら10名の王族が、マヒンドラ皇太子が乱射する銃によって殺害されるという事件が発生した。日本の仏教界の支援によって、同国で実施されている釈迦由来の地ルンビニー園マヤ堂の復興事業に、同国王を支援していたため、今回の事件がマヤ堂復興に影響を与えることが必定である。また、同国では1991年に、同国王夫妻も出席して第4回アジア宗教者平和会議(ACRP)が開催され、レルネットの三宅善信代表も正式に参加した。4日、元国王の実弟ギャネンドラ殿下が即位した。
☆東本願寺 第26世継承の傅燈式
6月1・2両日、東本願寺(東京都台東区)において、大谷光見法主の第26世法主継承を宣言する傅燈式が、寺号公称奉告法要と兼ね厳修され、全国から約6,000人が参詣した。
大谷光見法主は、1999年12月に逝去した第25世大谷光紹浄土真宗東本願寺派法主の長男。一年半前に亡くなった25世法主は、天皇陛下の従兄弟でもあり、東大やハーバードで学び、伝統仏教界を担うホープと期待されていたが、父の第24世大谷光暢法主と真宗大谷派(「東本願寺」)の"改革派"内局との間で争われたいわゆる「お東さん紛争」によって真宗大谷派を離脱し、「東京本願寺」をベースに浄土真宗東本願寺派を興していた。25世法主の生前中からの念願であった「東本願寺」の名跡復活が、このたび(4月末)、所轄庁である文部科学省から承認され、寺院規則変更で「浄土真宗東本願寺派本山東本願寺」として認証されたばかりであり、光見法主にとっては、「二重の慶事」となった。
☆新「光霊殿」が落成 大和山
6月1・2両日、松緑神道大和山(青森県平内町・田澤豊弘教主)において、このぼど竣工した新「光霊殿」の献堂陳告祭を厳修され、神集閣で落慶式典を挙行した。「御両祖教主遷座祭」のあと、教祖、同夫人、初代教主の遺骨が遷された。
☆大谷派 ハンセン病問題でシンポ
6月2日、「ハンセン病国家賠償訴訟」熊本地裁の歴史的判決を受け、真宗大谷派(木越樹宗務総長)は、『心の底から納得できる解決を!』という題した公開シンポジウムを開催し、「判決は確定したが、実態として元患者らへの差別が残ることがあってはならない」と、原告の元患者や弁護士、識者を招いて今後の対応を探った。
☆「オンラインでの告解」は論外
6月4日、バチカン広報評議会議長のジョン・フォーリー大司教は、宗教情報サービスとのインタビューで、「インターネットを用いた告解(懺悔)は、問題外で罪の許しの道ではない。カトリック教会に"告解"とは、告解する人と、その告白を聞いて赦免を与える司祭との関係に関する秘跡的の中でなされなくてはならない」と語った。
☆首相の靖国神社参拝中止を要請 真宗連合
6月5日、真宗十派で構成する「真宗教団連合」(理事長=木越樹・真宗大谷派宗務総長)は、終戦記念日の8月15日に靖国神社に内閣総理大臣として参拝する意向を示している小泉純一郎総理大臣へ宛て、「内閣総理大臣の同神社参拝は違憲行為であり、参拝を中止するよう」要請文を郵送した。
☆「新宗連将来計画」を採択
6月7日、(財)日本新宗教団体連合会(新宗連・深田充啓理事長)は、大阪天王寺区の妙道会教団(佐原慶治会長)本部で、理事会および平成13年度評議委員会を開催した。本年は役員改選期に当たり、第22期役員27人を選出、理事長に深田充啓・円応教教主を再選、5人の副理事長も重任した。理事会では、10月に行われる「新宗連50周年記念式典」で発表する「新宗連将来計画」を採択した。
☆「寺子屋NPO」を提言 智豊合同講習所
6月7日、「現代寺院の在り方を問い直す」をテーマに、真言宗智山派(小林照宥宗務総長)と豊山派(大塚惠章宗務総長)の両派による第45回「智豊合同布教講習所」が、京都市東山区の智山派宗務庁で開かれ、神仁(じんひとし)全国青少年教化協議会プログラムオフィサーが、『寺小屋NPOの可能性を問い直す』と題して公演。「不登校やひきこもりなどなど青少年の心の問題が深刻化する中で、地域社会の核となってきた寺院の役割が、今後ますます大きくなってくる」と話した。
☆アーユスが総会開催
6月9日、アーユス仏教国際協力ネットワーク(茂田真澄理事長)は、2001年総会を東京都江東区の長専院で開催した。昨年度の事業報告、今年度計画などが審議された。また、移住労働者と連帯する全国ネットワーク事務局員の矢野まなみ氏が講演を行なった。
☆増上寺第87世 成田有恒法主晋山
6月9日、浄土宗大本山増上寺(東京・芝公園)の第87世法主成田有恒師の晋山式が、同寺で厳修され、浄土宗八本山法主と内局、徳川家ほか、宗内外から約1200名が参列し、新法主の法灯継承を祝した。増上寺は、徳川将軍家の菩提寺であり、成田有恒師は、「寺内大吉」のペンネームで知られた作家でもある。
☆仏のカルト法案に抗議デモ
6月10日、先月フランスの国民議会を通過した「反カルト法」ともいえる『アブー・ピカード法(セクト法)』に抗議するためのデモが、東京港区六本木からフランス大使館へ向けて行われた。このデモを主催したのは、「反カルト法」によって、国家からの厳しい統制を受けることになった諸宗教の関係者を中心に結成された「宗教の自由のための世界会議」(代表:ニック・ブロードハースト師)である。いかにカルト宗教による被害を予防するためとはいえ、本法律は、本来、各個人の良心に任されるべき、宗教に対する価値判断について、「仏政府が宗教の是非を判断する」ことになり、「政教分離」や「信教の自由」といった近代民主主義国家の理念の根幹に関わる問題で、同様の法律が、日本においても制定されることの阻止を目指した動きである。
☆近畿宗教婦人連盟が京都で大会
6月12日、京都宝ヶ池プリンスホテルにおいて、近畿宗教婦人連盟(総裁:木邊美子真宗木邊派前裏方)の第48回大会が、近畿各地から宗教婦人約1,000名を集めて開催された。清水寺貫首の森清範北法相宗管長が基調講演を行った後、各府県代表の4人が、新世紀を迎えながらも混迷を深める一途の現代社会における宗教婦人の在り方について、本大会のテーマである「私ってなあに」という言葉の意味を探りながらスピーチを務めた。レルネットの三宅善信代表も参加した。
☆「日蓮宗ビハーラ・ネットワーク」設立
6月12日、日蓮宗のビハーラ(註:仏教版のホスピス)活動の普及・推進、会員相互の情報交換と協力連携を図ることを目的に、日蓮宗僧侶や教師ら有志が集い「日蓮宗ビハーラ・ネットワーク(NVN)」が設立された。NVNでは、ビハーラ活動を「法華菩薩道の実践」と位置づけている。同宗では、平成6年に発足した「日蓮宗医療問題研究会(日医研)」における学習成果の実践の場として期待されている。
☆ハンセン病判決うけ 遺骨受け入れ実践へ
6月12日、真宗大谷派宗議会(伊賀闡信議長)は、国の責任を認めた「ハンセン病国賠訴訟熊本地裁判決」をうけて、国の隔離政策によって全国の療養所納骨堂に安置されたままになっている遺骨の故郷寺院での受け入れへ向けて実践する決議を採択した。
☆池田小児童殺傷事件を追悼
6月14日、金光教泉尾教会において、大阪国際宗教同志会(会長:大森慈祥辯天宗管長)の平成13年度第2回例会が開催され、約50人の宗教者が参加した。例会に先立ち、理事会(理事長:三宅龍雄金光教泉尾教会長)が開催され、その際、6月8日に大阪教育大学付属池田小学校で起きた児童殺傷事件の犠牲者に追悼の祈りが行われた。例会では、儒教研究の第一人者である加地伸行大阪大学名誉教授による記念講演が行われ、日本のあらゆる宗教の基盤に共通する「崇祖」の積極的は意義づけについて、解り易く解説された。
☆同性愛者禁止を撤回 米長老派
6月15日、米国の長老派としては最大の「アメリカ長老教会」は、ケンタッキー州ルイスビルで大会を開催し、同性愛者を聖職者とすることを禁止した教規条項を廃止することを決めた。
☆ジェダイが"宗教"に
相次いで実施されたニュージーランド、オーストラリア、英国などでの国勢調査において、宗教に関する異変が起きている。これらの国々では、国勢調査の項目に、「自分が信じる宗教」という欄があるが、今春頃からインターネットを通じて、「従来の宗教(教団・教派・教会)を特に信じていない人々は、国勢調査で『JEDI=ジェダイの信者だと申告しよう』、という動きが拡大し、相当多くの人々が、この呼びかけに応じて、宗教欄に「ジェダイ」と申告し、国勢調査担当者だけでなく、教会指導者を慌てさせている。ジェダイとは、いうまでもなくハリウッド映画『スター・ウォーズ(Star
Wars)』に登場する平和と正義を守る宇宙騎士のことである。このままだと、JEDIはこれらの国々において、公認の"宗教"教団になってしまう可能性がある。
☆ボスニアで民族・宗教対立再燃
モスレム人(イスラム教)、セルビア人(セルビア正教会)、クロアチア人(カトリック教会)の主要3勢力で構成される旧ユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナで最近、モスクの着工式をきっかけにセルビア人とイスラム教徒の衝突が続いている。内線終結から5年以上が経過したが、以前としてクロアチア人も民族共存に背を向けており、民族対立は、宗教紛争の様相を帯びて再燃の兆しを見せている。
☆改革派一致へネット・サイト
世界の改革派諸教会(プロテスタントの主流)の一致を図ろうと「改革派オンライン」が発足した。長老派・会衆派・合同教会・改革派教会などが改革派の系列にある。ウェブ・サイトを設け、世界各国の改革派教会に関する情報を提供、相互に直接コミニュケーションが可能になる。
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