■ 宗教界の動き ■

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9月前半の宗教界の動き (0109F)

 世界の耳目を集めた「同時多発テロ」の裏でも、多くのことが宗教界に起こりました。
9.11同時多発テロ」関係は、特集」にまとめています。

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☆故三宅歳雄師の二年祭
9月1日、金光教泉尾教会(三宅龍雄教会長)において、先代教会長故三宅歳雄大人(うし)の二年祭が三宅光雄副教会長祭主のもとに行われ、外部に通告されていなかったにもかかわらず、約1000人が参拝した。


☆二大神楽がヨーロッパ公演
9月1日から6日までの日程で、NPO(特定非営利活動)法人「神道国際学会」(梅田善美理事長)は、ローマ・ロンドン・オスロなど、ヨーロッパ各地で秩父神楽と豊前神楽の公演を行なった。計1,300名が参観し、公演後には、日本文化についてのシンポジウムが開かれ、交流が図られた。


☆『個人情報保護法案』反対集会
9月2日、「個人情報を保護する」との大義名分のもとに、言論の自由を統制しようとする個人情報保護法案。これに反対する作家・ジャーナリスト・宗教家らが、日比谷野外音楽堂で『個人情報保護法案をぶっとばせ2001人集会』を開催した。憲法で保障された言論、表現の自由を抑圧し、戦後の日本社会の基軸となってきた自由を脅かす同法案の問題点を指摘し、成立に反対の意思を表明した。


☆鎮座1,300年の八朔祭 松尾大社
9月2日、松尾大社(京都市西京区)で、八朔(はっさく)祭が営まれ、白い法被(はっぴ)姿の女性約100人が新造の女神輿(みこし)を担ぎ、嵐山周辺など約6キロを巡行した。女神輿(重量約300キロ)は総ひのき造り。松尾大社が今年で「御鎮座千三百年」にあたる。


☆賀露神社で「赤ちゃん泣き相撲」奉納
9月2日、鳥取市賀露町北の賀露神社で、毎年恒例の秋祭りが開かれ、子供の健康を祈願する「赤ちゃん泣き相撲」が奉納され、元気な泣き声を競った。参加した赤ちゃんは、赤い腹巻と鉢巻きを身にまとって、地区の壮年力士に抱かれて土俵に上がり、掛け声とともに頭上に高々と差し上げられて、どちらが早く泣く(神様に祈りが通じるの意)かを競った。


☆伊射波神社で御典用材の搬送パレード
9月2日、伊射波神社(三重県鳥羽市安楽島町)の「遷宮」御典用材の搬送パレードが、陸と海で行われた。同神社は、奈良時代から平安時代初期に創建。「志摩国一の宮」と呼ばれ、海の守り、魚介類の利用などを広める神だった。今年11月3日が遷宮にあたり、社を建て替えるため、神社近くのヒノキ100本を伐採、製材した用材を町民総出で運んだ。


☆世界宗教者が祈りの集い
9月2日から4日まで、スペインのバルセロナで、40カ国約250人(正式代表)の諸宗教者らが参加し「世界の宗教者による平和のための祈りの集い」が開催された。同集会は1986年10月、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の提唱によりイタリアのアッシジで始まり、この集いの精神は、翌年から始まった「比叡山宗教サミット」とカトリック教会の在家運動団体である「聖エジディオ共同体」に継承されたが、今回は15周年を記念するもので、宗教者だけでなく政治家や社会活動家、学者を交えての拡大した内容となり、日本からは50名が大挙参加した。


☆大本 ヒトES細胞研究解禁に抗議
9月3日、大本(出口紅教主)は、科学技術に関する国の総合戦略を作成する「総合科学技術会議(議長=小泉純一郎首相)」が、先月30日にヒト細胞研究を事実上解禁したことに対して抗議声明を送付した。教団が行ったアンケート調査では、「国民の7割以上がヒトES細胞研究のこと知らない」との結果で、抗議書では、「国が国民に対して果すべき説明責任を怠っている」とヒトES細胞研究を解禁した同会議の決定を「拙速」だとしている。


☆抗日戦争勝利記念日に中国が牽制
9月3日、中国共産党の機関紙『人民日報』は、「侵略戦争を美化することは、日本とアジア各国との真の和解を阻む」などとする抗日戦争勝利記念日の外交部報道官談話を1面に掲載した。今年の談話掲載は、小泉純一郎首相の靖国神社参拝を牽制したものとみられる。


☆小泉首相 国立慰霊施設の建設に前向き
9月3日、小泉純一郎首相は、台湾訪問の帰国報告で官邸を訪れた加藤紘一元幹事長と会談した。加藤氏は、首相の靖国神社参拝について「毎年こんな騒ぎになるのはバカげている。ぜひ、国立の慰霊碑を建設するべきだ」と指摘。首相は、国立慰霊碑建設に向けた私的懇談会を設ける意向を明らかにしており、前向きな姿勢を示した。


☆櫛田神社で櫛まつり 美容師が多数参拝
9月3日、櫛田神社(三重県松阪市櫛田町)で、県美容業生活衛生同業組合が主催の「櫛まつり」があり、大勢の美容師らが長年使った櫛やブラシ多数持参。宮司からお祓いを受けた後、関係者が玉串を奉奠(ほうてん)して、使い終わった櫛への感謝と美容技術の向上を願った。


☆マテオ・リッチ北京到着400周年
9月5日、教皇ヨハネ・パウロ2世は、バチカンで恒例の一般謁見を行なった際、謁見に参加していた「マテオ・リッチ北京到着400周年」記念行事の関係者らに、歓迎の言葉を述べた。教皇は、マテオ・リッチをめぐる国際会議が10月に、北京とローマで開催されることを紹介し、「マテオ・リッチの生涯は、福音宣教に携わる人々にとって貴重なモデルである」と語った。


☆金光教三宅師 ヨハネ・パウロ2世に謁見
9月5日、三宅光雄金光教泉尾教会副教会長と三宅修神戸灘教会長は、バチカンにおいて、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世と謁見した。両師ともこれまで数度、教皇と謁見しているが、今回は、1994年以来のことである。
また、両三宅師は、これに先立つ4日、欧州の行政改革の現状について視察訪問中の石原伸晃行政改革担当大臣とローマ市内のホテルで会談した。


教皇ヨハネ・パウロ2世と手を取り合う三宅光雄師

☆台風で切れた夫婦岩の大注連縄の張り替え
9月5日、初日の出で知られる伊勢(三重県二見町)の夫婦岩(めおといわ=大小2つの岩が海面から突き出ている)で、大注連(しめ)縄が張り替えられた。全部で5本ある大注連縄(全長35m)が夫婦岩を結んでおり、年3回張り替えられるが、今回は、先月の台風11号によって全部切れたため、急遽、新調された。


☆首相の靖国参拝 政教分離に抵触せず
9月5日、安倍晋三官房副長官は、小泉純一郎首相の靖国神社参拝に関して「憲法20条(政教分離)の問題について、最高裁は津地鎮祭判決で『社会的儀礼上の範囲内であれば問題ない』としており、首相の靖国参拝にも当てはまる。首相が靖国神社に行ったからといって、神道の布教活動が活発化することはない」と強調、憲法20条には抵触しないとの考えを講演した。


☆ナイジェリアの宗教抗争で死者多数
9月7日にナイジェリア中部プラトー州の州都ジョスで起きたイスラム教徒とキリスト教徒の衝突の死者数は、9日までに少なくとも165人に達した。ナイジェリアでは、北部の州を中心に「シャリア(イスラム法)」を導入する動きが拡大し、キリスト教徒との対立が激化している。


☆大和山教団恒例のチャリティーバザーが開幕
9月8日、松緑神道大和山(田澤豊弘教主)では、恒例行事「大和山チャリティーバザー」が、五所河原会場(青森県五所川原市)からスタート。今後、札幌や帯広、盛岡、宮古、松島など11会場で、土日を主に11月25日まで開催される。一食を抜きその食事代を恵まれない人々へ役立てる『一食を捧げる運動』は、松緑神道大和山教団の初代教主であった故田澤康三郎師が提唱して、内外の多くの宗教団体に浸透した(海外では、「Donate-a-Meal Movement」として知られている)運動であり、本バザーも同教団のチャリティー活動の一貫である。


☆ブッシュ大統領「国民の祈りと追悼の日」を指定
9月14日、米国のブッシュ大統領は、この日を「国民の祈りと追悼の日」に指定し、同日、全米各地で犠牲者の追悼集会が開かれた。ワシントン大聖堂(National Cathedral)には、歴代大統領や連邦議員らが参列した。ブッシュ大統領は参列者に、「神の下で国の統一」を呼びかけた。全米が「愛国心」一色に染まり、大統領は軍事行動に踏み切ることで米国の威信を取り戻そうと懸命の様相。各種世論調査も最低で七割以上が報復攻撃を指示して、「宗教戦争」の趣を呈してきた。

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