■ 宗教界の動き ■


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8月前半の宗教界の動き (9908S)
宗教界も毎年この時期は、「戦争」「平和」「憲法」といった政治的な話題が多いです。

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☆奥田宗弘氏が本部長就任(大本)
8月1日、大本(出口聖子教主)の代表役員、本部長に奥田宗弘氏が就任した。大本の外郭団体、人類愛善会と愛善みずほ会の会長兼任は初。
大本は脳死臓器移植に反対の立場から社会にアピールする一方、宗教者間協力に関してもこれまでの活動の総括、点検から始める考え。奥田氏は長年、教化の現場に携わってきた経験を持ち、出口聖子教主からも教化教政の強力な舵取りを期待されている。


☆比叡山で平和の祈り(天台宗)
8月4日、第12回の比叡山宗教サミット記念「世界平和祈りの集会」が、神仏基新宗教各派の代表を集めて開催され、渡邊惠進天台座主が「60億の民すべての人たちが助け合い、手を取り喜び合える日が到来するまで、宗教宗派を超えて、力を合わせ祈り、行動を起こさなければならない」と呼びかけた。詳しくは、http://www.hieizan.or.jp


☆自民党「靖国神社」国家護持を模索
 自民党は、この程、首相の靖国神社公式参拝に道を開く有識者懇談会を設置する。これを受けて、8月6日、野中広務官房長官は、靖国神社の特殊法人化についての具体的な検討事項を明らかにした。伝統仏教各派や新宗教各教団、キリスト教各教団などからの反対が長年反対(一方、神社本庁は賛成)しているこの問題に対して、野中氏は、@現在「宗教法人」のひとつに過ぎない「靖国神社」の法人格を外し、新たにこれを国が管理する「特殊法人」とする。A中国や韓国に配慮して、現在合祀されているA級戦犯を他に分祀する。というもの。


☆真如苑、摂受院の三十三回忌
 8月6日、真如苑の関西精舎(大阪府高槻市)で真如苑(伊藤真聰苑主)の故開祖の妻、故友司苑主(摂受院)の三十三回忌が執り行われた。会場には25,000人が参列、全国では15万人が「帰苑」参列し、法要の模様は本部・支部等に衛星中継された。
 摂受院は開祖伊藤真乗(故人)との結婚後、共に修行に入り祖母からの霊能を相承した。世界宗教との交流を深めることに努め、昭和42年には有髪女性として初めて、醍醐寺(真言宗醍醐派総本山)から大僧正位を受けた。


☆金光教少年少女全国大会に8,000人参加
 8月7〜8日、岡山県金光町の教団本部において第52回金光教少年少女全国大会が行なわれ、指導者・保護者を含め10,000以上が参加した。子供たちは楽しいイベントや清掃奉仕を行い、また、保護者達も岡山いのちの電話協会から講師を迎え青少年育成について話し合った。 


☆日の丸抜きの万国旗でミサ(カトリック)
 8月8日、カトリック京都教区(教区長大塚喜直京都司教)で外国籍信徒約300人が参加して行われた国際平和祈願ミサで、万国旗から日の丸だけが外された。国旗国歌法案に対してカトリックは公式に賛否は表明していないものの、組織の一部では同法案に対する反対運動もあった。教区長は、今回の措置については「行事の企画の範囲内で決めたこと」と説明している。


☆真宗教団連合「靖国公式参拝」中止を求め要請文
8月9日、真宗教団連合会(本願寺派や大谷派など真宗教団十派で構成)は、「信教の自由・政教分離」に則り、首相および閣僚の靖国神社への公式参拝中止を求める小渕首相宛の要請文を、首相官邸を訪れ、鈴木宗男官房副長官に手渡した。今年で30回目。


☆半田孝淳師が「探題」に(天台宗)
8月9日、天台宗の教学の最高位である「探題」に北向観音常楽寺住職の半田孝淳大僧正(81歳、長野県上田市)が任命された。探題は、5年に一度比叡山延暦寺で行われる「広学堅義」で判定を司る。天台座主が欠けた時には、探題に就任した順に座主になる。半田師の座主継承順位は第2位。


☆新宗連も「野中発言」批判。靖国参拝中止要請文
新日本宗教団体連合会(理事長深田充啓円応教教主)の信教の自由委員会(委員長力久隆積善隣教教主)は、8月10日、内閣総理大臣宛の「意見書」を提出した。新宗連は、毎年、閣僚等の靖国神社「公式」参拝の自粛を求める意見書を提出しているが、今年は、6日の野中広務官房長官の発言を激しく批判した内容になっている。内容は以下のとおり。

現に宗教法人として存立している宗教施設(註:靖国神社のこと)のあり方について、政府が干渉することは、憲法20条に定める「政教分離」規定に反する行為と思慮されます。また、政府が神社の宗教的根幹に関わる、ご祭神のお祀りの方法について論究することは、これまた憲法の「信教の自由」「政教分離」の原則に照らし、厳に慎むべき行為と存じます――付言すれば、政治的な思惑によって、神社のあり方を左右することは神社の神聖性を冒涜するものであり、かつての過ちを繰り返すことにもなります。