■ 宗教界の動き ■


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9月後半の宗教界の動き (9909S)
この時期の宗教界は、裁判や事件が多発しました。

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☆戦没者追悼法要開催(浄土真宗本願寺派)
9月18日、第19回目となる浄土真宗本願寺派(豊原大成総長)主催の「千鳥が淵戦没者追悼法要」が、大谷光真門主の5年ぶりの臨席を得て執り行われた。僧侶や門信徒、約2,000人が参拝し、戦没者を追悼するとともに、非戦・平和への決意を新たにした。法要には各国大使や政財界からの来賓が参列し、焼香を行なった。


☆御即位10年奉祝企画(神社界)
9月20日、「日本会議」の百人委員会と理事会が開催され、憲法問題の対応や天皇陛下御即位十年奉祝企画を検討した。11月12日に奉祝行事として、パレードや国歌斉唱、聖寿万歳等が行われる予定。


☆久保派が全面勝訴(霊友会
9月20日、霊友会の分裂騒動の帰趨を左右する重要な司法判断が大阪高裁から出された。霊友会は、久保継成氏が96年6月9日に行った「会長復帰宣言」を契機に、久保氏を戴く久保派と、増永雄俊理事長を中心とする増永派に分裂。以後、法廷闘争を含む厳しい対立状態にある。

紛争の過程で、霊友会本部を掌握する増永派は、久保氏を支持する久保派会員に対して、本部釈迦殿をはじめとする諸施設の使用を拒否し、会費の未納入を理由に「霊友会」を除名処分にしていた。これを不服とする久保派は「霊友会員か否かは信仰問題であり、増永派の処分は不当である。また、施設の使用は会員としての権利である」として、久保氏を支持する大阪の第25支部講堂の増永派による使用妨害禁止の仮処分請求を大阪地裁に起こした。この訴えに対して、大阪地裁は1996年12月13日に、久保派勝訴の判決を言い渡した。

この判決を不服とする増永派は、大阪高裁に地裁の決定取り消しを求めて抗告していたが、この日、同高裁は、地裁の判決を支持して、増永派の抗告を棄却。久保派の全面勝訴となった。また、同高裁は、増永派が選任した濱口八重会長が除名処分の裁可を行っていることに関連して、濱口会長選任手続きには、規則上また実態上、さまざまな瑕疵があり、同氏が霊友会会長の地位にあることについては、重大な疑惑があり、にわかにこれを認めることはできない」と判断。「次の会長が正当な手続きによって選任されるまでは、久保氏は会長としての職務を継続すべきものである」と司法判断を下した。

久保継成氏は、同会初代理事長(1930〜44)故久保角太郎氏の次男で、同会初代会長(1930〜71)故小谷喜美氏の甥にあたり、1971〜93年、同会第二代会長を務め「インナートリップ」キャンペーンで教団のイメージを一新させた。1993年、「もっと、心のそばへ」キャンペーンを提唱、会長制を廃止し、理事長に就任していた。


☆「農村開発運動の父」来訪(金光教泉尾教会)
9月23日、スリランカの「農村開発の父」と呼ばれる"サルボダヤ運動"の提唱者A・T・アリアラトネ博士が大阪の金光教泉尾教会を訪ねた。インド・バングラデシュ・ネパール等で多数の孤児の養育に務め、博士が長年尊敬してきた故三宅歳雄前教会長の霊前に参拝し、WCRP国際委員長を務める三宅龍雄教会長と宗教間対話による世界平和の実現について意見を交換した。


☆康寛作の毘沙門天像遷座
9月23日、"萩の寺"で知られる、大阪府豊中市の曹洞宗東光院(村山廣甫住職)「世界の恒久平和と人と自然との共生を祈る祭典」が開催され、先に貴重な康寛の作と判明した毘沙門天像の遷座入仏法要が厳修された。


☆台風18号、厳島神社を直撃
9月24日、台風18号が直撃した広島県では、「世界文化遺産」に指定されている厳島神社(野坂元良宮司)が国宝・左門客(まろうど)神社の全壊など、1991年の台風19号以来の被害を受けた。被害総額は数億円に上る見通し。


☆SVA設立記念シンポジウム開催
9月25日、シャンティ国際ボランティア会(SVA・松永然道会長)の設立記念講演・シンポジウムが開催された。松永会長から、ラオス・タイでの活動の様子が報告され、また、21世紀のNGOのあり方や、市民参加の拡大について、講演会やシンポジウムを通して話し合われた。


☆三宗主の法要厳修(真宗出雲路派)
9月25〜27日、真宗出雲路派本山亳摂寺(藤光永門主)で、同派12代・15代・24代宗主の法要並びに、阿弥陀堂修復落慶法要が行なわれた。


☆「高野山」ブランド 悪用される
9月28日、大阪府警は出資法違反容疑で「(株)高野山釈尊会(葉山敏夫総裁)」を一斉捜査した。同会はホームページに高野山の風景写真を掲載するなどして、その宗教的ブランドを悪用し、マルチ商法まがいの手法で約11億円もの巨額な出資金を集めていた。高野山住職会(鷲峰本賢会長)は、高野山の名前を悪用されないように、近々、具体策を提起する見通し。


☆「釈尊会」の表記で報道に善処要請
9月28日、出資法違反容疑で強制捜査を受けた「(株)高野山釈尊会(葉山敏夫総裁)」について、一部マスコミが「釈尊会」と省略して報じたことから、「宗教法人釈尊会(小野兼弘会長)」は、「混同され、誤解を招く」として、マスコミ各社に対し「省略して報道しないよう」に要請した。同会は岡山県倉敷市に本部を置く、創立20周年を迎える文化庁所轄の宗教法人。


☆オウム真理教「休眠宣言」
9月29日、オウム真理教(村岡達子代表代行)は2時間の会見を開き、「対外的宗教活動の全面停止」と「『オウム真理教』の名称の一時停止」を発表した。「サリン事件」などの認識を含む教団の基本運営方針の見直しなどがその目的で、一連の事件の被害者・遺族に対する謝罪等はなされなかった。教団への社会的批判により、信者個々人が深刻な生活不安に直面していることから、信者からも教団のあり方の見直しが求められていることを明らかにした。


☆WCRP代表団、結団式
9月29日、WCRP(世界宗教者平和会議)第7回世界大会(11月25日からヨルダンで開催)に向けて、日本代表団の結団式が行われた。白柳誠一カトリック東京大司教(団長)・庭野日鑛立正佼成会会長と三宅龍雄金光教泉尾教会会長(副団長)ら、各宗教団体から23人の正式代表と、オブザーバー、青年行事参加者等合わせて約200人の大代表団となった。今回の大会テーマは「共生のための地球的行動・新たな千年期における宗教の役割」。詳しい情報は、WCRP(http://www.relnet.co.jp/relnet/brief/r4.htm


☆コソボへ毛布を送付(立正佼成会)
立正佼成会が参加する「アフリカに毛布を送る運動」では、コソボで活動するNGO「JEN」からの要請に応え、コソボを含むセルビア共和国への毛布の送付を決めた。同運動は1984年、外務省の呼びかけで官民合同プロジェクトとして始まり、翌年からは立正佼成会を初め、NGO7団体で継続している。15年間で2,627,886枚の毛布が集められ、アフリカを中心とする難民に寄付されている。