★三宅代表がインドネシア大統領と緊急会見★



ワヒド大統領と三宅善信代表

11月16日、レルネットの三宅善信代表が来日中のインドネシア大統領アブドゥルラフマン・ワヒド師と、滞在先の帝国ホテルで緊急会見した。詳細は、以下のとおり。

「主幹の主観」コーナーで何回か採り上げたので、三宅代表がこの秋、インドネシア共和国の大統領に選出されたアブドゥルラフマン・ワヒド師と旧知の間柄であったことは既報の通りだが、15・16両日、同大統領が、インドネシアに対する最大の援助国であるわが国に対して、就任後初来日されていたことは、マスコミ各社が報じていたので、ご存じの方が大半であろう。以下、今回の三宅代表とワヒド大統領の緊急会見の様子を三宅代表から取材したので、そのドキュメントを掲載する。


▼突然のベル

11月15日、スタジオQでのビデオ制作で風邪を引き、体調を崩していた三宅は、珍しく早い時間に自宅に戻って来た。すると、小学4年の長男が「お父さん外国の人から電話があったよ。相手の番号は 090-XXXX-XXXX」ということだったので、すぐ(午後8:30頃)三宅が電話すると、なんと相手は来日中のインドネシア大統領の随員からであった。話を聞いて驚いた。「大統領は貴殿と話がしたいので、明日午前7:45に宿泊先の帝国ホテル○○号室まで来て欲しい」とのことである。一国の大統領からの招きである。すべての予定をキャンセルして、体調の悪いのも顧みず「喜んで参上します」と即答した。

しかし、よく考えてみると大変である。こんな夜中に東京へ行く手段がない! 午後9:00前、大急ぎで自宅(大阪市大正区)を出た三宅は、新幹線の最終も間に合わない(もちろん、翌朝一番の「のぞみ」でも無理)ので、24時間空港の関空へ車を走らせた。車中から航空会社のカウンターに電話を入れると、「まもなく羽田往き最終便が出発する」とのこと…。(いくら関空が「24時間空港」といっても、相手が24時間空港でなければ意味がない…)今度は、高速バスのターミナルへと向かい尋ねると、「東京着の予定時刻は翌朝7:00だが、渋滞で1時間くらい遅れることがある」との答え。話にならない。そして、大阪市内をあちこち走り回った挙げ句に「夜行寝台特急があるかも?」 という結論が出、東京駅到着予定7:08のサンライズ号に飛び乗ることができた。多分、インドネシア大統領の随員は、大阪→東京の距離感が解っていなかったのであろう。

もともと、体調不良で眩暈(めまい)がしていた三宅は、けっこう揺れる車内で吐き気を押さえながら、一睡もできず、翌朝7:08に東京駅に降り立った。そこからは帝国ホテルまでタクシーを飛ばし、7:20には同ホテルに到着。インペリアルスイートのある16階まで直行した(要人警護のホテル内の警備体制については、昨年3月にホテルオークラのスイートでジミー・カーター元米国大統領と会見しているので心得ているが、あまり詳しく話すと、公安当局の迷惑になるので割愛する)。7:30には、典儀官に来訪を告げると、会見控室に通された。その辺(こういう場合は、要人が宿泊するフロアは全階貸切になる)にウロウロしている両国政府関係者ならびに財界関係者などは、場違いな三宅(年齢も若い上に髭面)の存在が皆、気になるらしい。人によっては、報道関係者と勘違いする人もいたそうだ。


▼思いがけない形で再会

予定通り7:45、典儀官に先導されてインペリアルスイートルームで待つアブドゥルラフマン・ワヒド大統領と再会を喜び合った。わずか2年前の秋に、ドイツのヒルデスハイムで一緒に会議に参加していた(目の不自由な同師と三宅は宿泊先のホテルが一緒だったので、会議場とホテルの間を5日間毎日、同じタクシーに乗って往復した)頃とはすっかり変わって、今では、2億の人口を有する世界最大のイスラム教国家の指導者である。閣僚や警備関係者がものものしく取り囲む中、大統領と三宅は、往事を偲び、諸宗教対話のますますの重要性や、欧米中心の価値観をグローバルスタンダードにすることの危険性等について10分以上も話し合うことができた。

10分間というと、とても短いように思われるかもしれないが、日本での滞在時間が30時間に満たない今回の滞在では、大統領のスケジュールは分刻みである。この間も、続いて会見する予定の経団連の会長一行を待たせての10分間である。その後、小渕首相との会見して帰国の途につかれるのだ。日本では、経済の問題が第一で、その次が政治の問題である。宗教の問題なんかは関心外である。しかし、この姿勢が「冷戦後の世界情勢の分析を誤らせてきた」と、レルネットは再三指摘してきた。大統領との会見を終えた三宅は、1時間にも満たない東京滞在を終えて、新幹線に飛び乗り、昼前には大阪のレルネットのオフィスに戻っていた。

2年後、世界がどのように変わっているかどうかは誰にも判らない。ひょっとすると、イスラム教指導者であったアブドゥルラフマン・ワヒド師が大統領になったのだから、レルネットはこの分野における世界的権威になっているかも知れないし、その逆に、消滅しているかもしれない。これからも、レルネットの活動を支えてゆくのは、読者ひとりひとりの皆さんである。これからもどんどんとアクセスして、また、友人たちにこのサイトの存在を知らせて、無限の可能性のあるレルネットの活動を支援して欲しい。


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