逮捕拘留されている鈴木宗男代議士が、いよいよ国会からも、証人喚問時における「偽証」の罪で告発されたが、その「偽証」の容疑のひとつに、モザンビーク水害救援活動のために成田空港に集合(2000年3月7日)していた国際緊急援助隊の派遣を、「俺(鈴木氏)は聞いていない(俺を通さない仕事は一切させない)」との理由だけで、担当外務省員に「圧力」をかけて、直前に差し止めさせた問題に対する「偽証(「そんなことはしていない」という鈴木代議士の答弁)」がある。
このときの国際緊急援助隊の隊長をしていた救急救命医のY医師と、レルネット三宅善信代表とは、「脳死臓器移植問題」が社会的テーマになった頃から親交があり、レルネットの「掲示板」コーナーにも、Y医師自らの手で、本件に関する「告発」が5月16日付でなされている。その内容については、以下の通りである。このように、レルネットのサイトは、各方面の専門家からも高く評価されており、今後、世の中を動かすことになるであろう有用な情報の隠れた宝庫であることが、今回の一件をみても明らかになった。
■鈴木宗男議員の「一声」で中止させられたモザンビーク災害派遣 02年05月16日
(私はこれまで何回か、海外での大規模災害時に、救援活動を行ってきましたが、私たちの仕事に関して)最近になって鈴木宗男という名前がかかわってくるのは、災害派遣に関してです。
2000年3月モザンビーク洪水に外務省が医療チームを派遣する時のことです。私の親しい医師数名の派遣が決まりましたが、成田に集合したところで「俺(鈴木代議士)は聞いていない」というだけの理由で派遣が中止となりました。
参加予定者は2週間の個人のスケジュールを調整して集まっています。その調整がいかに大変かと言うことは経験のあるものには良く分かります。回りにいる多くの人々の支えがあって、初めて実現することです。
それがたった一言の横やりでつぶれてしまったのです。何の抵抗もできなかった外務省担当者の不甲斐なさもさることながら、自分のメンツしか考えない政治家に怒りを覚えました。人命など、彼らの世界では大した価値を持たないようです。
(災害医療の専門家であるわれわれは、)外務省からの派遣(要請)の機会を待っています。今後、ごますり官僚や横暴政治家が災害医療の足を引っ張らないことを切に願っている次第です。