レルネット主幹 三宅善信
▼テレビ収録から解放されて
「主幹の主観」ファンの皆様には、大変長らくのお待たせである。約百カ日ぶりの執筆作業再開である。かく申すのも、7月1日からCSデジタル放送「スカパー!」の216ch(あのプロ野球に新規参入を目指す「楽天」TVから配給)で放送を開始した『X
table Yの椅子』が殊の外好評で、当初の予定のワンクール(3カ月)を超えて、4カ月間のべ18回の放送になってしまったからである。しかも、いやしくも「公共の電波」を媒体として用いるにも拘わらず、専門業者を一切用いずに、私自身が「企画・制作・出演」とすべてをこなしたので、大変な時間と労力を消費してしまったが、本番組も制作は、残すところあと1回となったので、そろそろ「主幹の主観」を再開することにする。
といっても、まだ、『X table Yの椅子』を一度もご覧になっていない人もご安心あれ、11月から時間帯を変えて再放送が行われることが既に決定している。詳しくは、『精神文化の時間』でチェックしていただきたい。さらに、現在、同番組シリーズを基に出版が計画されており、各界の識者と戦わせた文明論をより容易に接することができるようになるであろう。
さて、いよいよ本日のテーマであるが、皆さんも今年の夏から秋にかけて迷走したプロ野球の再編問題については、いろいろと意見をお持ちであろう。ある意味で、現在のモラルハザードな日本社会を象徴するような出来事であった。実は、私は、永年来の「パ・リーグ」ファンで、かつて、大阪にはパ・リーグ6球団の内、3球団が存在したので、私が足を運んだ試合は、すべてパ・リーグの公式戦であった。高校生時代は近鉄電車の、大学生時代には阪急電車の通学定期券を持っていたので、西宮球場や西京極球場にはよく足を運んだし、日生球場や難波球場も大阪市内にあった。現在でも、大阪ドームはわが家から歩いて行ける距離にある。
▼野球とストは本来、相性が良い
もちろん、テレビの放送権料収入のことで不公正な状態を強いられているパ・リーグの各球団の経営が難しいことは、何も最近始まった現象ではない。その証拠に、福岡ダイエーホークスなど、ここ2〜3年の観客動員数は、読売ジャイアンツに次ぐ年間300万人も集客しているのに、球団経営が成り立たないというのである。つまり、単なる「人気薄」や「企業努力の不足」という問題ではない。実際、これほど定期的に観客の呼べるプロスポーツは、日本では他に存在しない。J・リーグや大相撲とは桁違いの動員数である。だとすれば、パ・リーグの経営をこれほど困難にしたのは、何か別の構造的要因があると考えて良い。
というのも、今年のプロ野球界の混乱のきっかけとなった「オリックスブルーウエーブと大阪近鉄バッファローズの球団合併」問題が俎(まないた)に上がった時のパ・リーグ各球団経営陣の意向は、ともかく「オリックスと近鉄の合併(1球団の消滅)ありき」であった。まず、そのこと自体が異常である。普通は、一般の会社の経営でも、なんとか「潰れないように」と経営努力をするのであるが、結果的に(その意図に反して)潰れてしまうということが起こるのである。しかし、こと今年のパ・リーグ(の経営者たち)にとっては、わざと「立ちゆかなく」して、リーグを消滅させてしまうことに、その目標があったからである。
そのことに猛反発した選手会が「ストも辞さず!」の心意気で世論に訴えた。しかも、1960〜70年代にかけて盛んに行われた「本物の労働者」による(労働条件の改善を要求した)ストライキでも、「国鉄」などの場合を見ても明らかなように、そのスト戦術が、一般国民の理解を得られたとはとても思われないのに、一般のサラリーマンでは考えられないような「高級取り」のプロ野球選手による前代未聞のストライキを概ね世論が支持したことは、「たかが選手ふぜいに何ができる」と曰った球団経営者側にとっても大いなる誤算であった。しかし、労働組合が行うストライキも、ピッチャーが投げるストライクも、日本語では「別の発音(言葉)」であるが、英語ではどちらも”Strike”で、同じ発音(意味)である。そもそも、野球とストの相性は良いのである。
▼雇われ社長とオーナー社長
この一見、理不尽に見える「1球団消滅」と、それに続く「もう1球団消滅」の筋書きを仕組んだのは、何人かのオーナー社長(註:いくつかの球団の親会社の社長は、創業者もしくはその子息といった「本物のオーナー」であるが、いくつかの球団の親会社の社長は、単なる「サラリーマン社長」である。この「立場」の違いが「道楽」とも言える球団保持へのモチベーションに与える影響は大きい)であることは言うまでもない。その心は、1球団減らせば、その対戦カードの不自然さ(5球団という奇数チーム数では、常に「試合のない」チームが生じてしまう)を解消するためにも、パ・リーグ6球団の長年の悲願であった「セ・パ交流試合」実施(註:長年にわたり、パ・リーグ6球団はセ・リーグに対して、大リーグ同様の「リーグ間交流試合」の実施を求めてきたが、そのことによって「巨人戦」という黄金持ちカードの減少を恐れる読売を除くセ・リーグ5球団は、頑なにこれを拒否し続けてきた。「プロ野球実行委員会」の議決は、3分の2以上(つまり8球団以上)の賛成がないと可決されないので、「リーグ間交流試合」の導入は、絶対に無理であった)への一歩である。そこで、パ・リーグのオーナー経営者が打った「ウルトラC」が、この球団合併による「パ・リーグ5球団体制」だったのである。
そのような長年にわたるパ・リーグ球団経営者たちの権謀があったところへ、(そのような「含み」について)何も知らない素人IT企業ライブドアの若い社長が「手を挙げた」ことから、この起死回生の策をぶち壊しにされたパ・リーグのオーナーたちは激怒した。巷間言われているように、ライブドアの堀江社長を忌避しているのは、読売の渡辺オーナー(当時)ではなく、パ・リーグの経営者たち(註:近鉄以外のパ・リーグ5球団の親会社の社長はみな「オーナー社長」)である。サラリーマン社長であるナベツネ氏はそのことを察して「嫌われ役」を買って出たまでのことである。さらに、驚くべきことは、典型的なオーナー社長である西武ライオンズの堤オーナー(当時)が、「もう1球団消滅させて念願の1リーグ構想の実現を!」と打ち上げたものだから、理不尽な理由で「職場を失う」ことになる選手会は大いに怒ったのである。
▼株主を騙した近畿日本鉄道
ところが、問題はそれほど単純ではなかった。バッファローズとブルーウエーブとの「球団合併」の提唱は、6月末の近畿日本鉄道株式会社の定期株主総会直後に発表されたのである。本来ならば、こういった企業の枠組みの変動を伴う重大事項については、まず「株主」に図ってから決定すべきであるのに、近鉄の現経営陣は、株主を謀って「球団合併」を決めてしまったのである。このことだけでも、健全な資本家保護(つまり、投資判断の基になる経営状況の開示の原則)を目的とした商法に違反(少なくとも、商法の精神には反している)していると言える。つまり、親会社の商法違反がらみの諸要因が背後にあると考えるべきである。
しかも、「赤字球団(バッファローズ)」に買い手が付かないのならいざ知らず、ライブドアが「30億ほどで買いたい」と公開で意思表示をしてきたのに、それを拒否して、「タダでオリックス球団と合併させる」と発表した。そのことは、表面的には、みすみす近畿日本鉄道に本来ならば、売却益として計上されるはずの30億円を損させることになり、ひいては、株主の利益を損ねている背任行為であるとも言える。しかし、両球団と他の4球団の経営陣は、頑なにライブドアの参入を拒否し続けた。そして、「もし、日本プロ野球組織(NPB)に加入したいのなら、新たに球団を結成して、加入料を支払って加盟しろ」との訳の判らない要求を突きつけた。既存の球団の買収なら、誰でも金さえあれば比較的簡単であるが、新たにプロのトップレベルの選手を支配下においた新球団の結成となると、それほど容易ではないことは明らかである。これも、新規参入に対する既得権益保持者からの明らかな拒絶反応である。
では、何故、近鉄球団とオリックス球団は「合併」という「超ウルトラC」をしなければならなかったのか? 答えは簡単である。ライブドアに身売りすることによって、同球団の「財務諸表」が公にされることを嫌ったからである。果たして、プロ野球球団は本当に赤字なんだろうか?
J・リーグなどと比べて遥かに年間観客動員数も大きく、また、同じプロ野球でも、大リーグでは人口60〜70万人の都市をフランチャイズにしている球団はいくらでもある。まして、近鉄球団(「大阪」近鉄バッファローズ)がフランチャイズを置く大阪府は、人口870万人の巨大都市である。そう簡単に「赤字」になるはずはない。
▼「成績不振」や「赤字」だから「身売り」されるのではない
日本プロ野球における「球団身売り」の要因は、「その球団が赤字だから」ではない。すべからく「親会社の経営上の事情」によるのである。福岡ダイエーホークス球団を見ても明らかである。チームは強い(昨年は日本一。今年もレギュラーシーズンの成績は1位)し、人気も高い(福岡ドームはいつもほぼ満員)。それでいて、親会社たるダイエーの体たらくで、スーパーの巨大な冷蔵陳列ケースに並ぶ肉のように、切り売りされようとしているのである。
巷間言われるような「成績不振」なんて「球団身売り」には全く関係ない。もし、「成績不振」が身売りの理由になるのなら、阪神タイガースなんて何度身売りされていたことか…。逆に、日本のプロ野球で最も歴史のある球団であった阪急ブレーブスなんか、1971〜79年まで9年連続で、リーグ優勝6回、前後期(当時、パ・リーグは2シーズン制を採っていた)のいずれか優勝3回優勝、その内1975〜77年には3年連続「日本一」にも輝いているパ・リーグ屈指の強豪チームであったのに、1988年にあっさりと「身売り」されてしましった。この阪神と阪急を比べてみるだけでも、「成績」と「身売り」とも、ハッキリとした因果関係がないと言える。
では、親会社がプロ野球球団を保有する目的は何か? もちろん、業界関係者の間ではよく知られていても、(将来投資家になりうる)一般市民には「無名」の企業が、その広告宣伝媒体(事実、通常では極力企業名の露出を避けようとするNHKでも、プロ野球チームの名前は、堂々と企業名を冠して放送している)として経費を落とすという考え方もあるには違いないが、それだけが理由だとすれば、今話題になっている近鉄だけでなく、阪神電鉄や読売新聞社なども、たとえその親会社がプロ野球球団を保有していなかっっとしても、その名を知らない人はいないくらい有名な企業である。したがって、「親会社の宣伝のため」というのは、合理的な答えとは言い難い。だいいち、鉄道会社なんぞ、たとえメディアで宣伝しようがしまいが、その沿線に暮らす人々は、その鉄道会社の線に乗る以外選択肢がないのであるから、広告宣伝費というのいは、そもそもあまり意味がない。
▼球団は親会社の隠れた財布である
そこで、考えられる最もありそうな理由は、「巨大な親会社の隠れた財布代わりにする」ということである。一般に、「東証一部」に上場している大企業である「親会社」は、投資家や金融機関に対して、その経営実態をディスクローズすることが義務づけられているが、単なる未公開企業(たいていの球団は、一応株式会社化している)である球団には、そのような厳しい義務はなく(もちろん、税務当局などの所轄庁には必要だが)、親会社が儲けすぎた金や、逆に、親会社が投資家に報告することができないくらいな巨額な不良債権等を会計上、誤魔化すためにも、内ポケットの中の財布代わりにして、長年にわたって、入れたり出したりの会計操作を繰り返してきたのであろう。だから、今回の一般社会常識から見たら、どこから見ても異例なことづくしの「球団合併」劇に当該二球団だけでなく、他のいくつかの球団がこれらを支持してきたのは、これらの会計処理の誤魔化しであったと考えるほうが、より合理的である。
つまり、今回の「球団合併」を強引に推進したバッファローズ球団には、おそらく、ライブドアに球団買収されることによって白日の下に晒されては拙い会計処理場の問題があったと考えるほうが自然である。しかも、この「不適切な会計」は、単にバッファローズ球団のそれというよりは、親会社である近畿日本鉄道の「不適切な会計」処理を誤魔化すための手段のひとつであったと考えられる。現に、西武ライオンズの親会社である西武鉄道と、そのまた親会社であるコクドの「オーナー」である堤義明氏による株式保有に関する証券取引法違反容疑や、その「売り抜け」に絡むインサイダー疑惑から見ても、日本におけるプロ野球球団の「不透明な経営」は、明らかに構造的なものだと言える。個人に対する累進税率や相続税が異常に高いこの国において、そこそこの資産を保有して者なら誰だって考えうる方途である。この私ですら、株式会社を2社保有しているくらいだから…。
▼10.19川崎球場決戦の裏側で
これらの球団買収(球団を「身売り」をするためには、その反対側に「買収」する企業が必要)に絡む不透明な諸々の出来事の根は、実は、1988年10月19日のオリエント・リース(現オリックス)による阪急ブレーブスの「球団買収」劇にまで遡ることができる。昭和天皇のご不例による「自粛」ブームで、日本国中が重苦しい雰囲気に包まれていたこの年の秋の10月19日、今は無き川崎球場では、近鉄対ロッテのダブルヘッダーが戦われ、もし近鉄が連勝すれば、既に全日程を終えて暫定首位であった西武ライオンズのV4を阻止して近鉄バッファローズの優勝となるだけに、既に最下位が決定していたロッテオリオンズの主催ゲームにもかかわらず、川崎球場は異様な興奮に包まれた。仰木監督率いる近鉄は、第1戦に勝利したにもかかわらず、第2戦では、ロッテの有藤監督の時間引き延ばし戦術で引き分けになり、寸前のところで優勝を逃したのである。いわゆる「10.19パ・リーグの一番長い日」という事件である。
日頃、放送メディアから不当に疎外されている(註:優勝がかかっている試合だったのに、当初は関西のローカル局=朝日放送のみの放送)パ・リーグの試合が最も注目された(確か、全国キー局のテレビ朝日が、始まったばかりの『ニュース・ステーション』の番組時間を割いて、コマーシャル抜きでこの中継に当てたほど、凄まじい激戦であった)この日、よりによって、巨人よりも伝統のあったかつての「パ・リーグの盟主」阪急ブレーブスが、「どこの馬の骨とも解らない(ライブドアの堀江社長に対して言ったとされるナベツネ氏の表現)リース屋」に身売りされてしまったのである。そのことによって、本来ならば、翌日のスポーツ新聞各紙のトップを飾るべき「川崎球場の激闘」あるいは「西武のV4」の記事が、「阪急身売り」という不名誉な記事で汚されてしまったのである。因みに、阪急ブレーブスの小林オーナーは、関西テレビの社長でもあった。
本件については、『鉄腕アトム』の誕生日に合わせて昨年春に上梓した『2003年4月7日という日』という作品の中で、「…日本プロ野球界屈指の名門チーム阪急ブレーブスを『時代に合わなくなった。プロ野球球団は他にもある』という理由で、弊履のごとくあっさりと『オリエント・リース(現オリックス)』に身売りした阪急電鉄の社長(現会長)小林公平氏…」と書いたが、今となって見れば、阪急電鉄がブレーブスを身売りした本当の理由は、当時、言われていたような理由ではなかったというような疑惑すら感ぜられる。
▼どこの馬の骨か判らない人物に…
ここ数年間続いた都市銀行の合併劇でも、その最大のメリットは、一度合併をする毎に、「合併特損」(オンラインシステムの変更や支店の看板の架け替えや通帳の印刷のし直し等)という訳の判らない経費の経常が会計処理上、1兆円も認められており、どの銀行も、この1兆円枠を巧く利用して、不良債権を帳消しにしている。仮にメガバンクが大きな収益を上げたとしても、毎年「合併劇」を繰り返し、スーパーメガバンクになってゆけば、半永久的に法人税を納める必要がなくなるという美味しい話である。
私は、そもそも、オリックスのオーナー宮内義彦氏という人物を信用していない。阪急ブレーブスを買収した時には、「伝統のある球団名(ブレーブス)を残す」と言っていたのに、2年間でこれをあっさりと棄てて、訳の判らない「ブルーウエーブ」などという球団名に変更した。これは、おそらく「阪急色」を払拭したかったのであろう。何度も日本一になった実績を有する上田利治監督をクビ(住友コーチの次期監督就任の約束を反故にして)にして、近鉄から仰木彬氏を監督に招聘した。宮内氏の経営感覚は、いかにも「リース屋」のそれ丸出しで、人気や実力のある選手を次々と「売り」に出していった。現在、大リーグで活躍する日本人選手の内、イチロー選手はいうまでもなく、シアトル・マリナーズの長谷川投手やセントルイス・カージナルスの田口選手も皆、オリックスの有力選手であった。
当然、チームの人気が翳るのは当たり前である。やはり「伝統ある球団名」が欲しくなったのであろう。だからといって、かつての「ブレーブス」に戻すのでは、過去の自分の判断が間違っていたことを自ら認めることになるので、もうひとつの在阪球団である「近鉄バッファローズ」に食指を動かしたのである。「オリックス・バッファローズ」だなんて、とんでもない鵺知恵(ぬえぢえ)である。しかも、本拠地を神戸から大阪へ移すなんて…。商法上では、オリックス球団が近鉄球団を吸収合併したことになっているが、本拠地や球団名から言うと、その逆である。こんな両球団のファンをバカにした話はない。
▼オリックスとバッファローは近縁?
16年前、オリエント・リースが球団を保有した際、私は、「この会社、終いにはチームをレンタルしよるで!」と言ったものだが、果たして、そのとおりになってきた。しかも、「なんとしても球団数を減らして、リーグの運営を成り立たなくさせて、もって積年の念願である『1リーグ制』へ移行したい」と考えていた他の4球団のオーナーたちとも、利害が一致したのが最大の不幸であった。だいいち、球団合併による球団保有の放棄を決めた近鉄が、未だに、プロ野球実行委員会やオーナー会議にその代表を派遣していることこそナンセンスである。自分が退場しようとしているプロ野球機構への新規加盟申請者(ライブドア)の資格云々する権利が近鉄にあるとはとても思えない。
現時点で、まだまだ70年の歴史を誇る日本のプロ野球が、来年どういう構成になっているのかは予想もつかないけれども、こうも「不適切な会計処理」事件が続発したのでは、社会的責任が十分負えないだろうし、もう一波乱も二波乱もあるかもしれない。「近鉄・オリックス両球団の監督を務めたことがある」という訳の判らない理由で、仰木彬氏を合併球団の監督に招聘したのも鵺知恵である。1988年の10月19日の「パ・リーグの一番長い日」で、仰木バッファローズの奮闘を虚しいものにしたのは、オリックス球団の誕生である。あの日から、16年の歳月を経て、その両球団が合併するというのである。しかも、その初代監督には、因縁の深い、仰木彬氏が就任するのである。そう言えば、オリックスもバッファローも、アフリカに棲む「偶蹄目ウシ科」の近縁種の動物である。16年前からそういう運命であったのかもしれない。