1月26日、インド西部を襲った大地震は、1万数千人の犠牲者をもたらす大惨事となった。地震直後から現地には各国救援隊が入り、医療品や食糧などが続々と送られ、国際社会の支援体制がとられた。阪神淡路大震災以来、日本の宗教界もこの種の海外での自然災害に対して、素早い救援活動(主に義援金の送付)を行うようになった。特に、今回の大地震は仏教の故地インドで発生したということで、仏教系の教団が熱心に活動を行った。レルネットでは、各教団別の支援活動を時系列で紹介する。
★眞如苑 300万円を3団体へ
眞如苑(伊藤真聰苑主)は、地震発生直後より救援活動のため現地に医師や看護婦を派遣している日本赤十字社、アジア医師連絡協議会(AMDA)、日本災害救援ボランティアネットワーク(NVNAD)などの各団体へ、信徒から寄せられた義援金計300万円を送った。
★立正佼成会 一食基金から650万円
立正佼成会(庭野日鑛会長)は、会員が一食を抜いてその食費分を世界の人々のために使ってもらう運動である「一食平和基金」から、義援金650万円を送った。義援金は行方不明者救出や食糧・保健衛生用品・飲料水などに用いられる。
★全日仏 大使館に100万円
(財)全日本仏教会(北條成之理事長)は、地震発生直後に見舞い電報を発信。その後、職員が駐日インド大使館(東京都千代田区)を訪れ義援金100万円を手渡した。
★仏婦 心の募金から20万円
(社)全日本仏教婦人連盟(島田喜久子理事長)は、日頃から救援・復興活動を共にしている神戸の「被災地NGO協働センター」からの連絡で、被災地にインド災害研究所があることが判明し、「心の募金」から第1回分として20万円をセンターに寄託した。
★SVA 救援スタッフを急派
曹洞宗系NGOの「シャンティ国際ボランティア会(SVA)」は、インド西部地震派生直後に、現地にスタッフを派遣し、本格的な救援活動を視野に入れた事前調査(被災地の被害状況、被災者ニーズ調査、現地カウンターパートの発掘)を行う。SVAは、インド地震への募金も行っている。振込先:郵便振替口座00170-8-0397994、加入名者「SAV緊急救援募金」、通信覧に「インド地震」と記入のこと。
★RNN チャーター機で毛布を空輸
国際人道援助を志す岡山県内の宗教者有志が宗教・宗派を超えて組織している「人道援助宗教NGOネットワーク(略称RNN:委員長=西村美智雄金光教平和活動センター専務理事、事務局=黒住教本部内)」は中米エルサルバドル地震の支援に続いて、インド西部大地震の支援を実施し募金の呼び掛けと、同じ岡山県内に本部を置くAMDA(アジア医師連絡協議会)に呼応して毛布も募集、集められた1000枚の毛布と市民からの支援物資がチャーター便で現地へ輸送された。
★浄土真宗本願寺派 大使館へ見舞金200万円
1月28日、浄土真宗本願寺派(西本願寺)は、蓮清典総長名でバジパイ・インド首相に対し見舞い状を送付。インド西部地震の見舞金として、同宗派の「たすけあい募金」から200万円の交付を決定し、翌29日、柱松青巒築地別院輪番が東京都千代田区のインド大使館へ赴いて手渡した。
★創価学会 大使館へ500万円送る
1月29日、創価学会(秋谷栄之介会長)は、インド西部の大地震による被害に対し、吉郷研滋副会長がインド大使館(東京千代田区)を訪れ、アフターブ・セット駐日大使に義援金500万円の目録を手渡した。
★真宗大谷派 日赤へ100万円
1月30日、真宗大谷派(木越樹宗務総長)は、インド西部大地震の被災地救援のため100万円を日本赤十字社京都支部へ寄託し、また本山境内の御影堂、阿弥陀堂、参拝接待所と東山区の大谷祖廟事務所に救援募金箱を設置して義援金を募った。
★金光教泉尾教会 総領事館等に80万円
金光教泉尾教会(三宅龍雄教会長)は、エルサルバドル地震救援募金に続いて、1月26日の地震発生即日「インド西部大地震緊急募金」の受付けを開始し、その第1弾として1月30日、三宅光雄副教会長が、在大阪・神戸インド総領事館(大阪市中央区)を訪れ、義援金30万円をJ・C・ゴエル副領事に手渡し、総領事館関係者から現地の状況について詳しい報告を受けた。また第2弾として2月22日付で、WCRP日本委員会を通じて50万円を委託した。
★高野山真言宗 NHKへ100万円
2月5日、高野山真言宗は、NHK和歌山放送局を通じてインド西部地震の被災者支援のため、義援金として100万円を送った。「インドは仏教発祥の地であり、古い歴史を持つ国。わずかながらでも力になりたい」としている。
★曹洞宗 大使館へ100万円
2月7日、曹洞宗(大竹明彦宗務総長)は、森嶺雄総務部長と佐藤良彦数学長が東京・九段のインド大使館を訪れ、緊急救援金として100万円を担当参事官に手渡した。
★日蓮宗 ユニセフへ200万円
2月7日、日蓮宗(渡邊清明宗務総長)は、田端義宏護法伝道部長が日本ユニセフ協会を訪れ、インド西部地震とエルサルバドル地震に対してそれぞれ100万円を寄託した。また、トルコ地震とコソボへの義援金の残金も同時に手渡した。9日には、台湾大震災義援金の第二次分(479,300円)を赤十字社を通じて送った。
★天台宗 大使館へ200万円
天台宗の「一隅を照らす運動総本部(獅子王圓泰本部長)」は、インド西部地震の義援金を募る趣意書を全寺院に向けて発送、機関誌「叡山時報」紙面でも募金を呼びかけた。2月8日には獅子王総本部長が東京のインド大使館を訪れ、メシュ・チャンダー参事官に義援金200万円を直接に手渡した。また、現地で布教活動を送っている天台宗僧侶、サンガラトナ・法天・マナケ師とも連帯しながら、支援要請に応じて、引き続き救援活動を継続していく予定。
★神社本庁 300万円目標にインド地震で義援金募集
2月9日、全国8万の神社を統括する神社本庁は、このたびのインド西部大地震に関して、今後、被災者への義援金を募っていくことを、2月の定例役員会が決定承認した。本庁の友好諸団体や各都道府県神社庁を通じ、トルコ大地震のときと同額の300万円を目標として義援金を募る。
★法華宗本門流 大使館へ100万円
2月14日、法華宗本門流(原井慈鳳宗務総長)は、原井総長、矢吹慈英庶務部長が在日インド大使館(東京都千代田区)を訪れ、義援金100万円をC・ラージャセカール一等書記官に手渡した。
★霊友会 大使館へ500万円
2月20日、霊友会(増渕派=大形市太郎会長)は、井上太郎総務理事と根岸賢一国際局長が東京・九段のインド大使館を訪れ、ビレン・ナンダ公使に義援金500万円を手渡した。
★大本 現地へ派遣 350万円を
2月22日、大本(出口聖子教主)の外郭団体である人類愛善会は、奥田宗弘会長と山崎光男国際部部長が現地へ向い、同会会員による一椀を減じての寄付や募金活動によって集められた災害救援基金の「愛善基金」から、同会インド事務局などを通して、約350万円を被災救援関係者へ手渡した。
★滋賀県の曹洞宗 義援金200万円を
曹洞宗滋賀県宗務所(北野良昭宗務所長)は、2月3日の教区長会で、インド西部大地震の被災者に対し義援金送付を決定。旧涅槃会を期し3月15日に北野宗務所長と恒川浩一副所長が、東京のインド大使館へ出向き、アフターブ・セット駐日大使本人へ義援金200万円を手渡した。
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