◆◇ トルコ大地震への各教団の対応 ◇◆ |
8月17日、トルコ西部を襲い、1万数千人の死者と20万人以上の被災者を出した今般の大地震に対して、いくつかの教団は速やかに救援活動を開始した。レルネットでは、一般メディアがほとんど採り上げることのない宗教界の救援活動に焦点を当てて紹介する(入電順)。 |
▼立正佼成会: 「一食平和基金」から300万円を緊急支援 立正佼成会(庭野日鑛会長)は、18日、トルコ地震の被災者支援のため、300万円の緊急援助を決めた。 同会では、会員が月に3回食事を抜き、その食費分を献金する「一食(いちじき)を捧げる運動」を二十数年にわたって展開しているが、この浄財を財源とした「立正佼成会一食平和基金」から拠出される。 同基金は、発展途上国を中心に、開発・人権・難民・環境などの分野で活用され、累計66億3000万円がこれまでに拠出されている。今年度は、1月のコロンビア地震被災者へ200万円が、4月と5月にはコソボ難民支援のために500万円と1500万円がそれぞれ援助されている。 ▼ 創価学会: 大使館に300万円を寄託 創価学会(秋谷栄之助会長)本部は、19日、森田理事長が渋谷区内のトルコ大使館を訪問し、エヴィルゲン臨時代理大使に義援金300万円の目録を手渡した。同大使は「友情と真心こもるご支援に対して深く尊敬の念を抱くとともに、トルコ国民を代表して感謝申し上げます」と語った。 なお、SGI(創価学会インターナショナル)の池田大作会長は、トルコ共和国のデミレル大統領宛にお見舞いの電報を送った。 ▼ 天台宗: 「地球救援基金」から拠出を検討 天台宗(藤光賢宗務総長)では、19 日現在、トルコ地震の被災地に対して、「一隅を照らす運動本部」が国内外で発生した被災地などを経済支援する「地球救援募金」から義援金を拠出する方向で検討中。 ▼金光教泉尾教会: 「人類共栄会」を通じて100万円 金光教泉尾教会(三宅歳雄教会長)は、8月17日に発生したトルコ大地震の被災者救援の募金活動をすぐに開始した。8月27日、人類共栄会会長でもある三宅龍雄副教会長は、渋谷区の駐日トルコ共和国大使館を訪れ、今回の震災による死者に対して弔意を述べるとともに、A・エヴィルゲン一等参事官に緊急義援金として100万円を手渡した。 大阪が本拠地の泉尾教会は、4年半前の阪神淡路大震災被災者のケアに深く関わった経験から、三宅副教会長は、このような大災害を体験した人々が本当に復興するためには、次の三段階のプロセスがいることを述べた。すなわち、@緊急的な生命維持のための救援活動(捜索や食料等の援助)、A経済復興の手助け(財政的支援)、B立ち直りのための精神的なバックアップが、それぞれの段階で適切に実施されることが必要であり、宗教界に期待される本来の救援活動は、Bまで含めたものであることを述べ、そのためにも、WCRP日本委員会を含めた日本の宗教界にも協力を依頼する旨を伝えた。同国大使館関係者から、三宅師の配慮に対する感謝の意が伝えられた。 泉尾教会では、人類共栄会を通じて、昨年夏のパプアニューギニア津波被災者や今年1月のコロンビア地震被災者救援募金、さらにはコソボ戦争の被災者に対して、それぞれの駐日大使館を通じて、義援金の贈呈を行っている。 ▼ 大本(人類愛善会): AMUDAと大使館に300万円支援 大本(出口聖子教主)とその外郭団体・人類愛善会(奥田宗弘会長)は21・23の両日、トルコ大地震で「愛善基金」の中から救援金を贈った。21日は、出口真人大本総務が200万円を岡山市の国際救援組織「アジア・医師連絡協議会」(AMUDA)本部へ持参。 23日には、松乃戸春光大本東京本部次長が100万円をトルコ大使館の臨時大使に手渡した。 同基金は、出口直日三代教主が昭和47年、南米エクアドル被災者へ送金したことから設立された。現在、約1億円を貯えており、国内外の災害やアフリカの難民救済に対し拠出している。 ▼ 日本基督教団: 「葉書」で募金依頼 日本基督教団(プロテスタント)は、社会委員会が窓口となり、所属の各教会に募金依頼の葉書を送付した。目標金額は決まっていないが、WCC(世界教会協議会:本部ジュネーブ)を通じてトルコに送付される予定。ボランティア派遣の予定はない。 ▼ 真如苑: 「第1段階」で200万円 真如苑(伊藤真聰苑主)は、二十日、マグニチュード7.4の大地震が発生したトルコの救援のために、日本赤十字社に担当者が訪れ、義援金に100万円を手渡した。死者は1万人以上、負傷者は45000人以上にのぼる状況の中、同教団では支援の第一段階として、義援金を日本赤十字社に委託、医療援助などに役立てたいとしている。 ▼ 真宗大谷派(東本願寺): 「本山に救援募金箱」100万円を寄託 真宗大谷派(木越樹宗務総長)では24日、菊池顕正参務がトルコ大地震の見舞金として100万円を日本赤十字社京都支部へ持参した。 また、21日には京都市下京区の本山御影堂、阿弥陀堂に災害救援基金を設置。参詣者の善意を募り、継続して支援活動を行なっていく方針。 このほか、派内の有志団体や各教区の対応については、本山でとりまとめせずに各々の判断に任せるという。 ▼ 浄土真宗本願寺派(西本願寺): 「たすけあい募金」から100万円 浄土真宗本願寺派(豊原大成総長)は、トルコ地震の被災者救援のため「たすけあい募金」より100万円を支出、23日、同派東京出張所・渉外部長の長屋善洋東京教区教務所長が東京都支渋谷区のトルコ大使館をお訪れてアイドゥン・エヴィルゲニ一等参事官にこの見舞金を伝達した。 ▼ 霊友会: 1000万円を支援 霊友会(濱口八重会長)は、このたびのトルコ大地震に対して、23日午前、井上太郎総務理事、根岸賢一国際局長、青柳和雄総務局長の3人が駐日トルコ大使を訪れ、アイドゥン・エヴィルゲニ臨時代理大使(一等参事官)に「災害見舞金」として1000万円を贈った。 同会ではこれまで、ネパール国大地震(昭和63年)を初め、雲仙普賢岳噴火(平成3年)、フィリピン・ピナツボ火山噴火(同3年)、北海道南西沖大地震(同5年)、阪神・淡路大震災(同7年)、福井県重油流出事故などに対し、それぞれ見舞金を贈っているが、このたびのトルコ大地震では、多くの会員が被災し、各方面から温かい手が差し伸べられた阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、トルコの復興と被災者が一日も早く普通の生活に戻れるようにとの願いを込めて、見舞金を贈ることにした。 戻る |