ベルギーで欧州宗教学会

2017年9月18〜21日

2017年9月18~21日、ベルギーのルーベン・カトリック大学で開催されたEASR(欧州宗教学会)に三宅善信代表が出席した。

大講堂で開催された著名な学者による基調講演とは別に、各教室で同時並行的に開催されているいろんな研究発表では、旧態依然とした日本の宗教学会では考えられないような「ゲームにおける神」や「人工知能と宗教の行方」といったような、現代のポップカルチャーや最先端技術を真正面から捉えた研究発表がたくさんなされていた。

アニメやゲームの分野が宗教学会では数多く紹介されていた
アニメやゲームの分野が宗教学会では数多く紹介されていた

ティム・ジェンセン国際宗教学会会長と知己を得、英国の学術図書出版社のジャネット・ジョイス社長らと、英国での神道研究に関する書籍の出版について交渉した。19日の晩は、翌日に開催される神道国際学会提供の「神道パネル」で発表する各国の研究者を招待して、打ち合わせ会を兼ねた夕食会を催した。

夕食会では大いに会話が盛り上がった
夕食会では大いに会話が盛り上がった

翌20日、欧州宗教学会で行われる初めての神道パネルは、『最近の神道研究』と題して、90分の枠を二コマ(3時間)取って開催された。最初に、スポンサーである神道国際学会を代表して三宅善信理事長がパネルへの歓迎の挨拶を行った。続いて、マイケル・パイ神道国際学会会長が当パネルの趣旨説明行い、パイ教授自身と北アリゾナ大学のドゥニャ・エレジエビッチ教授が口頭で発表を行い、直前に急病で入院した麗澤大学の岩澤知子教授が文書で発表を行い、質疑応答が行われた。

神道研究パネルのスポンサーとして挨拶する三宅善信代表
神道研究パネルのスポンサーとして挨拶する三宅善信代表

後半のセッションは、南山大学のパク・ヨンジョ教授と、オスロ大学のマーク・テーウエン教授が口頭で発表を行い、直前に祖父が逝去して来られなくなったハーバード大学のゲータン・ラッポ教授が文書で発表を行い、質疑応答が行われた。海外における「神道」研究者の圧倒的な研究量に比べ、神職をはじめとする日本人関係者の勉強不足が明白。かつ、近年の日本アニメブームも相まって、欧州各地から二十代の若手の研究者が大勢参加しており、研究発表や質疑応答自体は、この学会の公用語である英語で行われた――と言っても、欧州においても、英国人以外にとっては皆「英語は外国語」である――にもかかわらず、休憩時間等には皆、とても流暢な日本語で難しい中世の文献の内容等について情報交換している様子が興味深かった。

欧州の若手の研究者を発掘する三宅善信代表
欧州の若手の研究者を発掘する三宅善信代表

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