アルゼンチンでG20諸宗教フォーラム

2018年9月26日〜28日

2018年9月26日から28日まで、ブエノスアイレスのシェラトンホテル会議場ならびにアルゼンチン外務省の施設を会場に、G20諸宗教フォーラム2018が開催され、世界各国から約150名の宗教指導者や政治家や国際機関の専門家や学者ら参加して、『公正で持続可能な開発のためのコンセンサスの構築』をテーマに、政治家や宗教家が果たすべき役割について議論された。

開会式を終えて外務省前で行われた記念撮影
開会式を終えて外務省前で行われた記念撮影

G20諸宗教フォーラム開会式前日の到着日に当たる9月25日に、アルゼンチン全土でゼネストが敢行されたために一時は開催が危ぶまれたが、26日午前9時から、アルゼンチン外務省の講堂において開会式が開催され、G20諸宗教フォーラムの主催者であるブライアン・アダムス教授による挨拶やアルゼンチン副大統領のガブリエラ・ミケッティ女史による歓迎の挨拶、また、フランシスコ教皇やバーソロミュー総主教らのビデオメッセージが寄せられた。

続いて、第一全体セッションに移り、「宗教と新しいグローバルな挑戦」と題して、ローワン・ウイリアムス第104代カンタベリー大主教やサウジアラビアのアブドラ・アルヒーダン宗教省顧問やフランス正教会のエマニュエル府主教らがそれぞれ基調講演を行った後、記念撮影を行った。

気候変動に関する分科会でプレゼンを行う三宅善信代表
気候変動に関する分科会でプレゼンを行う三宅善信代表

午後からは、会場をシェラトンホテル・コンベンションセンターに移して、第二全体セッションを「労働の未来と不公正と脆弱さへの緊急のチャレンジ」をテーマにそれぞれの専門家が後援した後ディスカッションを行った。続いて、「倫理と経済」についてのハイレベル対話が行われた。夕方からは、7つの部会に分かれて分科会が平行開催された。

27日は、9時から第3回目の全体セッションが「地球のためのケア:気候変動に対する様々な挑戦と宗教的役割」と題して行われ、特に南米各国でそれぞれの活動を展開している人々が講演を行い、ディスカッションが展開された。続いて、「倫理と経済」に関する全体セッションが行われた後、4つの分科会が開催され、その内の1つである「気候変動に対する宗教的アプローチ」において、今回のG20諸宗教フォーラムへの唯一の日本人参加者である三宅善信代表が、アルゼンチンの各方面で活躍する指導者と共に講演し、ディスカッションを行った。三宅師は、この直前に大阪を襲った台風21号の猛威を画像を使って紹介しながら、気候変動に真剣に取り組まなければならない必然性について力説した。

気候変動に関する分科会でフロアからの質問に応える三宅善信代表
気候変動に関する分科会でフロアからの質問に応える三宅善信代表

午後には、第4回目の全体セッションが「G20首脳会議の議題に対する宗教的自由、宗教的バイタリティ、宗教的貢献」について開催され、夕方には8つの分科会が平行して開催され、それぞれの分野の専門家と宗教指導者が意見を交えた。また、この日の夜には、アルゼンチンタンゴの歌舞音曲を楽しみながら晩餐会が催された。

最終日に当たる28日は、会場を国立図書館内のホールに移し、8時半から第5回全体セッションとして「宗教の傘下にある人道活動組織の働きを強化する」というテーマで講演とディスカッションが行われた。続いて、第6回の全体セッションとして「宗教と公的セクターのパートナーシップと持続可能な発展のための相乗効果を構築する」というテーマで講演とディスカッションが行われた。その後、閉会式に移り、「持続可能な諸宗教の将来」について主催者が披瀝した。なお、2019年度のG20諸宗教フォーラムは、6月に関西地方で開催される予定である。

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