2019年3月27日・28日
2019年3月27日から28日まで、立正佼成会本部の第二団参会館において、IARF(国際自由宗教連盟)の2019年度の国際評議員会が開催された。出席者は、ロバート・インス会長(英国)、ジャンビ・グプテ副会長(RFYN代表・インド)、三宅善信財務理事(日本)、スレンドラ・ブラウン博士(インド)、デビッド・キース師(米国)、キンガ・レッカ師(ルーマニア)、柳田季巳江師(日本)の7名の国際評議員とエスター・サッター(IALRW代表・スイス)の代理として岩渕美智子氏(日本)と全国際評議員11名中8名と、東京での開催ということで、IARF日本チャプター、むつみ会、一燈園、金光教泉尾教会、立正佼成会、IALRW日本等の日本国内のIARF加盟団体からのオブザーバー十数名が会議に参加。また、健康上の理由で来日できなかったルカシュ・リニエウィッツ国際事務局員(ポーランド)がオンラインで参加した。
国際評議員会は、27日午前9、インス会長の開会宣言に続いてお祈りが行われ、昨年8月にワシントンDCで開催された第35回世界大会で選出された新国際評議員によって、大会閉会直後に持たれた評議員会の議事録を一部修正した後に採択した。続いて、インス会長体制になってからの実質的に最初の国際評議員会となるため、今後のIARFのビジョン(活動方針)について、長時間を割いてディスカッションを行った。この日は、天候も暖かく、折から満開を迎えつつあった桜を愛でながら、昼食の弁当を屋外で取るなど、グプテ副会長以外は全て「初来日」ということで、日本の風情を満喫した感があった。
午前に引き続いて活動方針について討議した後、国際NGOとしてのIARFが法人格を置く英国の「公益法人(チャリティ)法」が改正されたことに伴うIARFの法人格の変更に伴う措置についてインス会長から説明がなされ、三宅財務理事から「英国の公益法人法の基準をクリアして無事新法人に移行するためには、議決権を有するメンバーの過半数の賛成を得るか、もしくは、賛否いずれでも良いが80%以上の回答を得ることが条件であるが、昨年夏の世界大会ですら、議決権のある加盟団体の半数以下しか参加していないのが実態である。それらの団体は“会費”も支払わないどころか、数年以上、国際事務局からの問い合わせに応答してこない“幽霊加盟団体”なので、まずそれらの団体から会員資格を剥奪してダウンサイズしなければ、そもそも新法人への移行手続きは不可能」という注意喚起が行われた。
28日は、リニエウィッツ国際事務局員からの報告の後、三宅事務理事から、特別会計が組まれた第35回世界大会の決算報告と前年度(2018年度)の決算報告が行われたが、前財務理事の承認の下に行われた借入金や指定寄付事業であったにもかかわらず、寄付金が入る前に支出を執行したが実際に入金されなかったプログラム等による相当な額の赤字があることが報告された。この際、オブザーバーとして参加していて日本チャプターの代表から「会費を払うのは会員の義務である。会費を支払っていない団体が容認され続ければ、われわれの会費支払い意欲もなくなる」という指摘に、RFYN(青年代表)をしているグプテ副会長から、「これまでインドはIARFから資金提供を受けるばかりであったが、これからはインドにおいても会費を徴収することに努力を傾注する」と発言したことから、議論が前向きとなり、立正佼成会や日本チャプターなどとの共同プログラムも提案された。
午後からは、前年度の資産運用の報告と今年度(2019年度)の予算について話し合われたが、予算管理に厳格な三宅師が財務理事に就いたこともあり、また、会費の強制徴収と幽霊会員団体の排除に反対していた前会長の時代には「甘い予算」を組んで、赤字が出たら基金を取り崩すという悪循環が繰り返されたが、インス会長体制の下では、従来のような「支出優先」の予算(結果的に赤字になる)ではなく、「収入優先の予算(入った分の金しか使えない)」を組むことになった。最後に、二日間の国際評議員会の決議事項や了解事項の内容再確認を行って、無事閉会した。
なお、今回の東京での国際評議員会の開催に当たっては、海外からの参加者の宿泊施設を立正佼成会が提供し、26日の歓迎晩餐会をIARFの元会長である三宅光雄金光教泉尾教会長が、27日の夕食会をIARF日本連絡協議会(JLC)が、28日のお別れ夕食会を日本チャプターとむつみ会が招待した。