2021年4月8日
2021年4月8日、大阪のメインストリート御堂筋沿いの北御堂(浄土真宗本願寺派津村別院)において、大阪市仏教会主催(後援:読売新聞・よみうりテレビ・大阪府佛教会)の「花まつり式典と講演の夕べ」が開催され、伝統仏教各宗派代表による降誕会(釈尊の生誕)を祝う読経と潅仏(仏像に甘茶をかける儀式)が白井忠雄会長をはじめとする同会役員や大阪に本山を置く加藤公俊和宗総本山四天王寺管長・吉村暲英融通念佛宗管長らが奉仕して厳修された。
続いて、神道国際学会理事長の三宅善信師が『歴史から考える新型コロナウイルス~禊・浄め・祓いなど日本人の高い衛生意識のルーツ』と題して、90分間にわたる記念講演を行った。パワーポイントを用いた講演では、①「失われた」2020年、②伝染病が「創唱宗教」をもたらせた、③祇園祭と出エジプト記の奇妙な一致、④天然痘と鬼にまつわる話、⑤時代を経ても変わらない日本人のビヘイビア、⑥いのちの価値の優先順位、⑦宗教行為は不要不急か…?と、さまざまな実例を紹介しつつ、伝染病と人類の歴史を振り返りつつ、今日の日本の宗教界が抱える本質的な問題について提起した。
70年間におよぶ本行事では、これまで、平野俊夫大阪大学総長や五木寛之、藤本義一、ジェームス三木といった作家や、落語会初の文化勲章受賞者である桂米朝、俳優の三國連太郎など各会から錚々たる顔ぶれが記念講演を行ってきた。大阪のオフィス街の中心に立地する北御堂を会場としたため、コロナ禍による入場制限で座席間隔が十分確保されたにもかかわらず、会社帰りの人々で満席となった。