2024年7月9日
2024年7月9日、(公財)WCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会と教皇庁生命アカデミーとアブダビ平和フォーラムとイスラエル種宗教関係首席ラビ委員会の共催による「平和のためのAI倫理会議」が広島国際会議場で始まった。ユダヤ教・キリスト教・イスラム教など一神教の宗教指導者、WCRPのネットワークで仏教・ヒンズー教・シーク教・儒教・神道などの諸宗教の指導者たちに加えて、日本政府や世俗の国際機関の代表、さらにはIBM、Cisco Systems、Microsoftなどの情報産業の代表らが、二日間にわたって「正しいAI倫理の確立」に向けて意見発表を行った。
WCRP日本委員会の理事でもある三宅善信師は、この会議で二度、意見を表明した。ひとつ目は、「ニューラルネットワークを通じて、世界中の情報に自由にアクセスして深層学習をすることが可能となった現在の生成AIは、まさにエデンの園で『生命の樹』に触れたアダムと同じ段階であり、AIが原罪に陥らないようにするための分水嶺である」というもの。二つ目は、「これらの問題をアブラハムの宗教の論理だけで考えてはいけない。今回の会議の共催団体のひとつが教皇庁生命アカデミーであることからも明らかなように、AI倫理とは生命の問題である。神道的にはコンピュータにもいのちがあると考える。いのちがあるからこそウイルスにも感染するのだ。その観点からAI倫理を確立すべきである」と、述べて注目を集めた。
7月10日は、二日間におよぶ広島での「平和のためのAI倫理」会議を終えた後、三宅善信師は、世界の諸宗教の指導者や河野太郎デジタル大臣らと共に原爆死没者慰霊碑に献花した。その後、原爆ドーム前の特設ステージで『Rome Call for AI Ethics (AI倫理のためのローマからの呼びかけ)』に世界の宗教指導者と共に署名した。