全体会議1:各分野の6人の識者が問題意識を表明
6月27日午前11時、開会式に引き続いて、初日の全体会議1が同じ会場(大阪大学中之島センター)で行われた。ここでは、3つの分科会から2名ずつの識者が登壇して、三日間におよぶサミットの議論の方向性を提示した。
本サミットの特徴のひとつは、設定された3つのテーマを三日間にわたって徹底的に論議してゆくことである。3つのテーマとは、『自然と生きる(Living
with Nature)』と『民族と生きる(Living with Ethnic Diversity)』と『アフリカと生きる(Reckoning
with Africa’s Problem)』である。それらのサブテーマを題材として、3つの分科会が設定され、それぞれの分野に造詣のある識者が15分間ずつ基調発題を行った。司会は同じく宮田修アナウンサー。
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三宅善信事務局長とJ・テイラー博士 |
はじめに三宅善信G8宗教指導者サミット事務局長から、今回のサミット開催に至った経緯と意義、さらには、この三日間の会議の進行手順等について趣旨説明が行われた。続いて、ジュネーブ在住でIARF(国際自由宗教連盟)国連代表のジョン・テイラー博士の進行によって、以下の6名が基調発題を行った。
まず、分科会A『自然と生きる』を代表して、「地球温暖化防止」について啓蒙運動に取り組んでいる山本良一東京大学生産技術研究所教授と、モンゴル仏教第二の格式を有するダシチョンジル寺院のハンボ・ラマ(管長)チョイジリエフ・ダンバエフ師が、市場経済化と環境破壊について述べた。
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山本良一教授とダンバエフ師、熱心に耳を傾ける参加者
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続いて、分科会B『民族と生きる』を代表して、万国宗教会議(CPWR)理事長のウイリアム・レシャー博士と、ダライ・ラマ法王駐日代表部事務所のラクパ・ツォコ代表が、先住民や少数民族に対する人権抑圧の問題について意見を述べた。
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ウイリアム・レシャー博士とラクパ・ツォコ代表、一所懸命にカメラを回すビルマの僧侶
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さらに、分科会C『アフリカと生きる』を代表して、セネガル共和国で子どもの問題を担当しているラマ・ディオフ大統領特別顧問と、エジプト共和国のワリド・アブドルナセル駐日特命全権大使がアフリカの抱える様々な問題について提言した。
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ラマ・ディオフ大統領特別顧問とアブドルナセル大使が現状報告した。
参加者の真剣な眼差し
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40年以上前にケンブリッジ大学でイスラム教について学び、その後、WCC(世界教会協議会)の諸宗教対話局長、WCRP(世界宗教者平和会議)の国際事務総長を歴任したテイラー博士は、その博識と語学力によって、それぞれの発題者の要点を捉え、見事なハンドリングを行った。
最後に、三宅善信事務局長から、海外32カ国から参加している47人のゲストの名前が一人ずつ紹介されて、全体会議1は無事、終了した。その後、大阪大学中之島センターで昼食を摂り、3台のマイクロバスに分乗して、午後のプログラムの開催地である四天王寺へと移動した。