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2008年度上期活動報告 >

  

会長ごあいさつ
バングラデシュの
    サイクロン被災者を救援
三宅会長
  WFM副理事長に再選
韓半島殉難者慰霊
ダライラマ法王との絆を結ぶ
G8宗教指導者サミット
       2008を全面支援
待ったなし地球温暖化
COP13地球温暖化防止会議出席
IARF事務局稼働
  2008年度下期活動報告



あなたも人類共栄会の会員に

世界各国に支援と救済の輪を広げる人類共栄会に、あなたも参加しませんか。年会費は、一般会員が1口3,000円、賛助会員が1口3万円です。会員のみなさんには、会費や寄付金が有効に利用されていることをご理解戴くために、年次報告書をお送りいたします。

集まったお金は世界各地の
救済・援助の費用として
役立てています。

たとえば・・・



あなたのご参加を
お待ちしております。
人類共栄会事務局まで
〒551-0001 
大阪市大正区三軒家西3-8-21

Tel.06-6551-0049
Fax.06-6553-7073
www.relnet.co.jp/jinrui



  会長ごあいさつ

 『人類共栄会通信』が定期的に発刊されるようになって、今回で第20号となりました。その間、アメリカの独善的な軍事力行使とその対抗手段としてのテロという悪循環に陥り、一般市民を巻き込んだ形で、暴力の応酬は中東から世界中に拡大してしまいました。
 また、中国やインドの急激な経済成長と中東の不安定化という要因によって、巨額の投機マネーが原油市場に流れ込み、とうとう1バレルが100ドル台にまで急騰してしまい、人々の生活に大きな影響を与えています。
 この投機マネーは、小麦やトウモロコシといった穀物市場にまで向かい、貧しい人々の日々の糧をも奪いつつあります。このような社会的不正義が許されて良いのでしょうか!

 さらに、深刻な地球温暖化の問題は、巨大台風や集中豪雨などの異常気象の続発や、氷河の融解による海面上昇など、確実に人類文明の足許を脅かしつつあります。
 このような時期に、本年7月上旬、北海道の洞爺湖において、世界の指導者が一堂に会するG8主要国首脳会議が開催され、世界の耳目が日本の一挙手一投足に向けられます。これに先立ち、大阪と京都で、私が運営委員長を務めるG8宗教指導者サミットが開催されます。混迷する世界に対して新しい価値観を提供していける日本でありたいと願っています。

 このような世界において、人類共栄会の果たすべき役割はますます大きなものになっています。

 どうぞ皆様、人類共栄会の働きをひとりでも多くの人に伝え、より大きな活動が展開できますように、倍旧のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

  バングラデシュのサイクロン被災者を救援


1月15日に、バングラデシュの南西部を襲ったサイクロン(台風)は、国土のほとんどが海抜0メートル地帯というバングラデシュだけで、死者・行方不明者7,000名、被災家屋30万棟(インドのベンガル州でも3,000名の死者・行方不明者)という未曾有の傷跡を残した。


被災者に救援物資を配布

 これに対し、南アジア各地で数々の社会活動を行っているAYC(世界連邦アジア青年センター:会長三宅光雄師)を財政的に全面的に支援している人類共栄会では、バングラデシュにおけるAYC活動の中心者であるハビブ・ザーマン氏を特に被害の大きかったドゥムルガオンとカンキルハト(首都ダッカから西方へ200km)へ派遣し、緊急援助物資として、衣料品300点、医薬品2,000箱の他に、食料品として、米1,500kg、ジャガイモ900kg、ビスケット1,000箱、豆類600kg、食用油300リットル、食塩600kg、砂糖600kgを配給した。

 この迅速な救援活動を支援するため、人類共栄会では、緊急募金活動を行い11月26日と12月21日の2回に分けて、合計4,500ドルの義捐金を送付した。


  三宅会長 WFM副理事長に再選


 8月27日から30日まで、三宅光雄会長は、スイスのジュネーブのWMO(国際気象機構)本部ビルで開催された「世界連邦(WFM)」創立60周年記念WFM第25回世界大会に出席し、WFMの国際委員会の副理事長に再選された。

 27日午後、世界大会の開会に先立ち、前回のロンドン大会で選出された国際理事による最後の理事会が開催されたが、ここでも三宅会長は副理事長として、本年(2007年)1月に金光教泉尾教会の布教八十年記念大祭に来日され、祝辞を述べられたJ・クリスティ理事長(会長代行)を支えて、理事会の運営をリードした。

 28日朝から始まった第25回世界大会では、先年逝去されたWFMのカリスマ的指導者P・ウスチノフ卿を称える挨拶が続いた。午後には、三宅会長はクリスティ理事長やK・ベスト執行理事会議長と共に、WMO本部のすぐ近所にある国連欧州本部ビルで開催された「公開記念シンポジウム」に参加し、折からパネリストとして参加していたWCC(世界教会協議会)のS・コビア総幹事に、2008年夏に関西で開催されるG8宗教指導者サミットの件で挨拶を行った。

 29日は、三宅会長は、2009年のG8宗教指導者サミットのホストが既に決まっているカナダのクリスティ理事長とK・ハミルトン主教とも、2008年のサミットについて協議し、全面的な協力を取り付けた。また、『環境と経済』の分科会に参加し、従前からの地球温暖化問題に対する人類共栄会の取り組みを紹介し、各国からの参加者から注目された。


コビア総幹事とハミルトン主教と三宅会長

 30日に行われた次期の国際役員の選挙では、満場一致で、三宅会長が日本人としては唯一、国際副理事長に選出(再選)された。

 世界連邦運動と人類共栄会とは切っても切れない関係にある。というのも、人類共栄会は、創設者の故三宅歳雄師が、1952(昭和27)年、世界連邦アジア会議大阪大会が泉尾教会で開催するために組織化されたという面もあり、翌1953年には、コペンハーゲンで開催された第5回WFM(当時はWAWFと呼ばれた)世界大会に、日本人初のノーベル物理学賞受賞者となった湯川秀樹博士らと共に日本代表団の一員として参加された。故三宅歳雄師は、WFM名誉理事長として、生涯、WFMを支援された。


  韓半島殉難者慰霊


10月6日から8日まで、英国オックスフォード大学において、IARF(国際自由宗教連盟)の拡大執行理事会が開催され、近年の財政危機と組織上の混乱に終止符を打つための緊急避難的措置として、国際事務局を日本へ移転することが議決された。


ソク管長と導師たち

三宅歳雄人類共栄会創設者の時代から「日韓友好平和の塔を守る会」の役員として協力してきた関係から、同会の顧問を務める三宅善信理事が参列した。同慰霊祭は、ソク・テヨン(釋泰然)日本曹渓宗管長をはじめ韓国人僧侶らと総本山四天王寺の僧侶ならびに三宅善信師によって厳修された。


  ダライラマ法王との絆を結ぶ


 9月26日から30日まで、三宅光雄会長が理事長を務める国際宗教同志会のダライラマ法王訪問団が、北西インドのダラムサラにあるチベット亡命政府を訪れ、ダライラマ14世と会談した。折からミャンマーで起きた軍事政権の民主化要求デモを行った仏教僧への発砲事件に対するダライラマ法王と国際宗教同志会の共同声明を発表するなど大きな成果を挙げた。

 今回の代表団は、国際宗教同志会創設六十周年記念事業の一環として派遣されたもので、三宅光雄会長の名代として人類共栄会理事で国際宗教同志会事務局長の三宅善信氏が団長を務めた。


ダライラマ法王と歓談する三宅理事

 27日夜に現地入りした一行は、チベット亡命政府のツェリン・プンツォク宗教・文化大臣主催の夕食会に招かれた。その際、二時間以上にわたって、同大臣から亡命政府の歴史と民主化のプロセスについて説明を受けた。

 28日午前、チベット難民受け入れセンターを訪問。現在でも、いのちがけで急峻なヒマラヤ山脈を越えて流入し続ける難民の悲惨な実態について視察した後、午後、ダライラマ14世法王に会見。前日ついに犠牲者まで出たミャンマーでの仏教僧と軍事政権との衝突や、数日前にドイツの首相府で行われたメルケル首相との会談の中身、75分間にわたる意見交換を行った。

 また、2008年6月下旬に関西で開催予定の「G8宗教指導者サミット2008」に関しては、ダライラマ法王が「全面的に支持する」旨の表明を受けた。そして、国際宗教同志会とダライラマ14世が共同して『ビルマ軍事政権の暴力行為を非難する共同声明』を発した。


  G8宗教指導者サミット 2008を全面支援


 2008年7月上旬に、北海道の洞爺湖でG8主要国首脳会議(サミット)が開催されるが、それに先だって、6月下旬に大阪と京都において、世界の宗教指導者たちによるサミット会議(G8RLS)が開催される。

 人類共栄会の三宅善信理事が三宅光雄会長の名代として、2007年6月のドイツにおけるG8RLS2007に参加した関係で、7月からG8RLS2008の事務局長を務めることになり、5カ月間にわたり内外各地を回り、宗教指導者たちにサミットへの参加・協力を呼びかけてきた。

 10月には、三宅事務局長がバチカンを訪問。諸宗教対話評議会(PCID)のF・マチャード局次長に協力を呼びかけ、また、元PCID議長で典礼秘蹟省長官を務めるF・アリンゼ枢機卿とも会談してG8RLSへの理解を求めた。

 その結果、12月14日に京都センチュリーホテルにおいて、G8宗教指導者サミット2008の第1回運営委員会が開催され、伝統仏教各宗派や由緒のある神社から顧問や運営委員に就任が決まっている19名の宗教者(この時点で参加表明されている宗教指導者は37名 )が一堂に会した。


運営委員長として挨拶する三宅会長


 運営委員会での審議の結果、G8主要国首脳会議に先立ち、大阪と京都で総予算2,000万円の国際会議を開催し、会長には和宗総本山四天王寺の出口順得管長が、運営委員長には三宅光雄人類共栄会会長が選任された。

 続いて、「G8宗教指導者サミット実行委員会」の規約について審議され、事務局提案どおり、十箇条の規約が承認された。また、「G8宗教指導者サミット」の大会テーマや各部会のテーマ等についても、事務局から「2006年度のロシア、2007年度のドイツでのサミットとの継続性が重要」との指摘が行われ、次回の運営委員会までにさらに検討を加えることが決議された。

 この日の運営委員会は、まだ具体的な内容がほとんど決まっていない第1回目であったにもかかわらず、当サミットの基本原則のひとつである「情報公開」の理念に則って、基本的にマスコミに公開して行われ、G8サミットへの関心の高さからか全国紙や通信社など9社が取材に訪れた。


アリンゼ枢機卿と三宅理事

人類共栄会では、国際紛争解決や地球温暖化防止、さらには、社会的格差の解消や途上国の社会開発など、人類共栄会が南アジアの各地で実践している諸プログラムと、今回のG8宗教指導者サミットがめざすものに重複する部分が数多く見出されるので、今年度の活動の柱のひとつとして、このサミットが成功するように全面的に支援していくことになっている。

 その後、12月17日には、三宅事務局長が福田達夫総理秘書官および大野松茂内閣官房副長官と面会し、G8宗教指導者サミットに対する日本政府の全面的支援を依頼し、大いに理解を得た。

 さらに、1月に入って、大阪府・大阪市、日本国連協会・日本ユニセフ協会・日本ユネスコ協会連盟等に後援を依頼し、18日には、G8宗教指導者サミットのメイン会場となる京都市・京都府の関係各部署や京都商工会議所等を訪問して、G8宗教指導者サミットに対する全面協力を依頼した。

 このように、このG8宗教指導者サミットは、宗教関係者だけでなく、行政機関や国際機関、さらには大学の研究機関や企業等の理解と支援を得て、市民に開かれたイベントとしての様相を展開してきた。サミットの詳細については、ウェブサイト( www.relnet.co.jp/g8 )で随時広報されており、これまでにない宗教界の活動として社会的評価も高まり、マスコミからの関心も集めつつある。6月末のサミット本番では、インターネット中継を通じて広く視ることができ、また、各地で公開のシンポジウムが開催され、これに一般市民も参加することができるようになるので、人類共栄会の会員の皆さんにも、是非、ご参加いただきたい。


  待ったなし地球温暖化


 三宅光雄会長が理事長を務める国際宗教同志会の平成19年度の第3回例会が、10月2日、金光教泉尾教会神徳館において、神道・仏教・キリスト教・新宗教各派の宗教者約90名が参加して開催された。

 東京大学生産技術研究所教授の山本良一博士は、経産省LCAプロジェクト運営委員長、グリーン購入ネットワーク代表幹事、環境報告書ネットワーク代表幹事など、学外でも多くの要職を兼務する一方で、東京大学国際産学共同研究センター長を経て、サステナブル材料研究センター教授の顔も持つ。地球環境と共存するパラダイムシフトの実現に向けた献身的な活動が海外でも高く評価されている山本教授が『待ったなし地球温暖化 宗教者に問う』という題で講演した。
 現在先進各国が温暖化ガス削減目標として取り組んでいる『京都議定書』では、「先進国全体が1990年時点の総排出量の6%を減少させよう」ということであるが、これはせいぜい「全世界で10億トン減少させよう」という話であるが、実際には、年間152億トンもの炭酸ガスが、毎年空気中に新たに累積されているので、10億トンぐらい減らしたところで、温暖化を防止することも抑制することもできない「焼け石に水である」ということを学会の権威から学んだ。


山本東大教授と宗教者の意見交換

 人類共栄会では、一刻の猶予も許されない地球温暖化防止のためのプログラムをより多くの人が実践できるように取り組んでいる。


  COP13地球温暖化防止会議出席

三宅善信理事は、12月2日から6日にかけて、COP13(気象変動枠組条約第13回締約国会議)が開催されているインドネシアのバリ島を訪れ、国連経済社会理事会に総合諮問資格を有するNGOのひとつWCRP(世界宗教者平和会議)日本委員会の開発・環境委員会の副委員長として、同会議に参加した。


COP13総会に参加した三宅理事


 COPは、人類にとって喫緊の課題である「地球温暖化の抑制」にどう取り組むかについて協議する最大の機会であるが、1997年当時最大の二酸化炭素排出国であったアメリカが、ブッシュ政権に交替した2001年、「途上国に排出制限義務を課さない京都議定書は不公平で、アメリカの国際競争力を弱めるだけだ」と言って、突然、『京都議定書』からの離脱を宣言した。

 また、『京都議定書』採択時の議長国であった日本も、『京都議定書』が要求する「1990年時点の排出量からの6%減」が目標として設定されているにもかかわらず、2007年の現時点では、削減どころか逆に「8%増」となってしまっており、削減実施約束期間である2008年から2012年までの5年間で、現状から14%を削減することは不可能であると言えよう。おまけに、近年の中国やインドの猛烈な経済発展は、炭酸ガスの総排出量においては、アメリカすら凌駕する勢いになっている。

 さらに悪いことに、地球温暖化の進行(悪化)は、専門の科学者が予測したよりも遥かに早く進行(悪化)しており、ことここに至っては『京都議定書』が求める数パーセント程度の削減というような甘いレベルの話ではなく、「70〜80%の削減が必要」というようなドラスチックな社会構造の変更が迫られていると言われている。

 なお、三宅光雄人類共栄会会長は、1997年に京都で開催されたCOP3において、NGO会議の副委員長として活躍し、政府間の国際会議に民間の組織であるNGOが影響を及ぼすという大きな成果を残した。




  IARF事務局稼働 


2月13日、英国からIARF(国際自由宗教連盟)の国際事務局員のR・パニーニ氏が来日した。パピーニ氏は、十数年間、英国のオックスフォードに拠点を置かれていたIARFの国際事務局を大阪の泉尾教会内に移転するのに伴い、新たに日本で雇用するスタッフの指導教育をするために半年間の予定で来日したものである。

 1900年にボストンで創設されたIARFは、国連経済社会理事会傘下の総合諮問資格を有する国際的NGOで、これまで約15年毎に、欧米各国でその国際事務局の所在地を移転してきたが、このたび初めて、日本にその国際事務局を移転することになった。その移転先として、人類共栄会本部のある泉尾教会が選ばれたものである。このことは、人類共栄会が南アジア各地で展開している各種の社会開発活動を他の国際的NGOも注目しているという査証である。

 パピーニ氏は、年末年始をかけて、新国際事務局の環境整備を行い、3月中旬に三重県で開催される日本で初めての国際評議員会に向けて具体的準備に入り、泉尾教会内の新IARF国際事務局の諸活動が本格稼働を始めた。