レルネット主幹 三宅善信
2週間のお待たせである。ニューヨークとバンクーバーを大急ぎで廻ってきた。帰国後も超多忙な日程が重なり、途中切れになっていたお約束の『ガメラ3』の後半を認ためることにする。
▼わたしはガメラを許さない!
前回は、「ガメラ映画」の歴史的背景などを述べているうちに時間切れとなったので、『ガメラ3:邪神(イリス)覚醒』の主なストーリーのうち、@1999年、地球規模の異常気象によって世界各地で人間を喰う怪鳥ギャオスが大量発生する。までしか解説できなかった。
今回は、前回の分類に従って、A深海調査船「かいこう」が日本海溝の深海底で「ガメラの墓場」が発見される。B数年前、ガメラが東京に出現した時の都市破壊で両親が死亡した少女比良坂綾奈が、奈良県の山村に住む親戚に引き取られている。C古代以来の災い「柳星張(=南斗七宿のうち、「柳」は頭、「星」は赤い南斗の守護神、「張」は翼を広げた姿を意味することから、「四神獣」のうち「朱雀」を意味すると考えられる)」を封印してきた「玄武(亀型の石=北斗七宿の守護神)」を祀る洞穴が少女たちによって荒らされる。D渋谷上空にギャオスとガメラが飛来し、激闘を展開。街が大破壊される。E日本政府部内に巨大生物(ガメラ・ギャオス)対策審議会が設置される。F少女綾奈は、洞穴で封印を解かれた卵から孵化した生物(ギャオスの変異体?)に「イリス」と命名し、これを飼育し始める。G内閣安全調査室に所属する妖艶な美女朝倉美都が、推測統計学者でゲームソフト作家の倉田真也と共に、なぜガメラが日本にばかり来襲するのか?ギャオスとガメラの関係は?等の謎解きを始める。H急激に成長したイリスは、「ガメラ憎し」の感情で凝り固まる少女綾奈の意識と同化し、強大な怪
獣となる。I怪獣イリスの出現によって、自衛隊の攻撃目標がガメラだけでなくイリスも含まれることになる。J公安関係者に連れ去られた綾奈を追いかけてイリスが京都に出現、これを追いかけてガメラも京都に飛来。K巨大な新京都駅ビルを舞台にガメラとイリスが激闘の末、朝倉と倉田はバトルに巻き込まれて死亡。Lガメラによって助けられた綾奈はガメラの行動(破壊と殺戮)の真意を知る。という、この映画全般の解釈に挑みたい。
Aの深海調査船「かいこう」が日本海溝の深海底で「ガメラの墓場」が発見したことの意味については、映画の最後の部分で真相が明かされるので、ここでは解説は差し控えたい。ただ、深海底に整然と並んだガメラの甲良は、なんとも不気味な存在で、映画の伏線としては結構いけている。