日本では、同一人物が正月に神社に初詣に行き、キリスト教式の結婚式を挙げ、法事は仏教の僧侶に頼むということが、至極、一般的にわれている。その証拠に、宗教行政を所轄する文化庁が毎年、刊行する『宗教年鑑』をはじめ各種統計資料にも、各宗教教団から提出された宗教別信者数の総合計が、2億1600万人と日本の総人口の1.8倍にもおよぶことは、よく知られた事実である。 したがって、本ホームページでは、各宗教教団の規模を量的に表現するときに各教団が公表している信者数を資料として採用しない。正月三が日の初詣客が百万人を越える有名な神社仏閣が全国に何カ所かあるが、だからといってこれらと、会員数百万人を越える有力な新宗教教団を同一規模だと単純に比較できないことは、いうまでもないことである。 その代わりの指標として、本各教団に所属する専従の教師(神職・僧 侶・牧師など)の数を基本的な指標にする。数的に最も正確な指標は、登記されている法人や団体(神社・寺院・教会等)の数であるが、この指標は、巨大な本山も小さな集会所も一つの施設として勘定するので、正確さに欠けると言わざるを得ない。 その点、専従の教師数は、宗派や規模の如何にかかわらず、一人の人の年間の生活費がその教団からの給与によって保証されているわけだから、それほど金額は変わらないはずである。したがって、そこから教団の本当の収入や信者数の規模を推定することが可能になるであろう。な おかつ、ある一人の教師が同時に僧侶と牧師を兼任することなど考えに くいので、この指標は信憑性の高いものになると考えられる。 日本の総人口1億2600万人を宗教家の総合計68万2000人で割ると、185 人に一人が宗教家ということになり、国民一人当たりの純然たる宗教上の支出(交通安全のお祓いや法事での僧侶へのお布施の合計のことで、結婚式場・葬儀社への支払いや、親戚・友人間の祝儀・不祝儀の支出はこれに含まれない)が、年間5万円なら宗教家一人当たりの金額は925万 円ということになり、宗教法人は免税だから、宗教法人の所得の50%を人件費として換算すると463万円ということになる。これらの数字は極 めて常識的な金額である。そこから逆に敷衍すると、文化庁への教師の届出数700人にも拘わらず、信者数の合計が公称570万人を誇る某教団など「かなり怪しい数字」ということになる。というのも、信者を指導する僧侶一人当たりの信者数が8250人にもなり、とても個別の霊的指導を行えるような数ではないし、これでは、僧侶一人当たりの年収が数億円を越えてしまうことになり、著しく社会の常識を逸脱することになる。つまり、この場合は、届 け出た信者数の信憑性が欠けるということになる。そこで、本ホームページにおいては、宗教教団の量的規模の評価を専 従の教師数から判断し、特別な例外を除いて、専従教師数1000名以上の宗教団体について採り上げること にする。 |
わが国における主な宗教団体名 | わが国における主な宗教団体名 | 僧侶1人当たりの門徒数の分析 |
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