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定例JLC会議

2009年度の活動


2月17~19日 第33回世界大会開催予定地視察   於 インド・ケララ州・コーチ
ヴァルケイ・ヴィチャヤチル枢機卿と訪問団一行

ヴァルケイ・ヴィチャヤチル枢機卿と訪問団一行

2月17日から19日の三日間、第33回IARF世界大会の現地準備会議がインド南西端のケララ州最大の都市コーチで開催され、日本から、いずれも国際評議員である三輪隆裕日吉神社宮司、三宅善信金光教泉尾教会総長、山本行恭椿大神社宮司をはじめ、立正佼成会や一燈園などIARF加盟団体の代表9名が参加し、現地の諸宗教指導者たちと意見を交換し、2010年9月に同地で開催される予定の第33回世界大会の会場予定施設の視察等を行った。

日本からの一行は、インド各地から集まったIARFインド支部の有力メンバー9人と合流して、17日には、エルナクラムとアンガマリー大司教区長のヴァルケイ・ヴィチャヤチル枢機卿を表敬訪問した。ヴィチャヤチル枢機卿は、五百年前におよぶケララ州におけるカトリック教会の歴史を述べた。その後、世界大会会場予定地のパレカッチ枢機卿記念人生再生センターを視察に訪れ、所長のヴァルゲセ・カットゥパランビル神父から各施設の案内を受けた。同センターは、1,200名収容できる大ホールをはじめ、大小の会議室や教室を有し、男子寮・女子寮合わせて350名以上が宿泊できる設備や同時に200人が食事をすることができる設備が整っている。また、コーチ市のラーマ・クリシュナ教団も表敬訪問した。

ピート・メモリアル・カレッジでスピーチを行う三宅善信師

ピート・メモリアル・カレッジでスピーチを行う三宅善信師

18日は、世界大会期間中に参加者が訪れるであろう「バック・ウオーター(背後の水)」と呼ばれる深い入江やユダヤ教のシナゴーグ(礼拝堂)、ジャイナ教寺院、バスコ・ダ・ガマの遺体が安置されている聖フランシス教会など“名所”の視察を行った。19日は、IARFがオランダ政府からの助成金をもらって実施してきた『HRE(人権教育)』プロジェクトの実施状況視察として、コーチ市から100kmほど南下した英国国教会系のピート・メモリアル・カレッジやビショップ・ムーア・カッレジを訪問して、学長やプログラムオフィサーと意見交換をし、学生たちから直接意見を聴取したりした。


2月28日(土) 第159回JLC会議      於 一燈園
一燈園で開催された今年度最初のJLC会議

一燈園で開催された今年度最初のJLC会議

2009年度のJLC当番教団である一燈園の猗蘭(いらん)寮で第159JLC会議を開催。前回の議事録承認に引き続き、2008年度収支決算報告、前年度当番教団の椿大神社からのJLC事務局引継ぎ、国際事務局報告、インド視察報告、国際評議員会について、日本チャプター/IALRW報告、2009年度JLC及び国際分担金確認、今年度のJLC活動について等が報告された。この日の会議には、一燈園の西田多戈止当番をはじめ、IARF国際評議員である山本行恭椿大神社宮司、三輪隆裕日吉神社宮司、川端健之立正佼成会総務局長、三宅善信金光教泉尾教会総長らをはじめ、JLC関係者15名が参加した。


3月2~4日 国連「宗教対話と理解の十年」準備会議   於 米国・ニューヨーク
メリノール修道会で開催された国連「宗教対話と理解の十年」準備会議の様子

メリノール修道会で開催された国連「宗教対話と理解の十年」準備会議の様子

2011年から2020年までの十年間にわたって実施される予定の国連「平和のための諸宗教と諸文化間の対話と相互理解と協力の十年」に対して、宗教界の側からのイニシアティブとして昨年結成された『UN DECADE(国連「宗教対話と理解の十年」)』の第2回準備会議が、米国ニューヨーク州オッシングにあるメリノール修道会本部の施設で開催され、あるニューヨークおよび国連欧州本部のあるジュネーブを中心に、世界各国の諸宗教対話の団体の代表や国際機関の代表ら四十数名が参加して、3月2日から4日までの日程で開催された。

メリノール修道会で記念撮影

メリノール修道会で記念撮影

数年に一度という猛吹雪が米国北東海岸(ニューイングランド)を襲った極寒の中で開催されたにもかかわらず、WCRP(世界宗教者平和会議)、TOU(理解の殿堂)、CPWR(万国宗教会議委員会)、WCC(世界キリスト教協議会)、WBF(世界仏教徒連盟)、IJCIC(宗教間協議のための国際ユダヤ教委員会)をはじめとする宗教対話機関や、ユネスコ、ILO(国際労働機関)、CONGO(国連NGO会議)等の主に実務責任者が一堂に会する中に、IARFのジュネーブ代表のジョン・テイラー博士がUN DECADE運営委員として、また、IARF国際評議員のホミ・ダラー博士(世界ゾロアスター文化協会会長)、同じく三宅善信金光教泉尾教会総長、さらに、IARF加盟教団である立正佼成会の前ジュネーブ代表の澤畠康友総務局員の4名が参加し、今後のこの枠組みの進め方について話し合った。

最終日には、会場をマンハッタンの国連本部内の経済社会理事会議場に移し、今回の実務議長を務めたWCRPのシュタイン・ヴィルムシュタット副事務総長やTOU国連代表のジョーン・カービー尼などが中心となって、経済社会理事会傘下の各NGOに対してブリーフィングを行った。


3月9~11日 2009年度国際評議員会   於 椿会館

3月9日から11日にかけて、三重県鈴鹿市の椿会館において、2009年度のIARF国際評議員会が開催され、正式メンバーであるトーマス・マシュー会長をはじめ15名の国際評議員およびオブザーバーとしてIALRW(国際自由宗教婦人連盟)関係者やJLC(IARF日本連絡協議会)関係者ならびに国際事務局スタッフなど総勢約30名が参加し、2008年度の決算を承認し、2009年度の活動方針について審議し、2009年度の予算を承認した。

国際評議員会の参加者が椿大神社に正式参拝

国際評議員会の参加者が椿大神社に正式参拝

2007年末に国際事務局がオックスフォードから大阪に移転してから、十数カ月が経過し、大阪事務局が本格的に機能してきたが、IARFを取り巻く財政的環境は一向に好転せず、その中で、18カ月後にインドで開催される第33回IARF世界大会に向けて、組織をどのように立て直していくかについて、真剣に討議された。

また、国際評議員会の期間中の3月10日は、チベットの宗教最高指導者であるダライ・ラマ14世が中国人民解放軍による弾圧を避けるためにインドへ亡命してから満50周年に当たる日であることから、三宅善信師(日本)とナイラ・マクダウエル師(アメリカ)とシュロモ・アロン師(イスラエル)とジェフ・アッシャー師(英国)の四氏が、それぞれ宗教的マイノリティの自由の保障と平和の達成を祈った。

ダライ・ラマ14世のインド亡命50周年の当日の平和の祈りを行う国際評議員たち

ダライ・ラマ14世のインド亡命50周年の当日の平和の祈りを行う国際評議員たち

なお、今回の国際評議員会で、前年6月に辞任したアビ・ジャナマンチ会長(評議員)と、先頃逝去したペロン・ポッダード師(評議員)の後任として、ドリス・ハンター師と西田多戈止師を国際評議員に推薦することが全会一致で承認され、なおかつ、副会長であったトーマス・マシュー氏の会長昇格に伴い空席になっていた副会長職に、西田多戈止師が推薦され、全会一致で承認された。


4月21日(火) 第160回JLC会議   於 一燈園

2009年度のJLC当番教団である一燈園の猗蘭(いらん)寮で第160回JLC会議を開催。前回の議事録承認に引き続き、3月9~11日に椿大神社で開催された国際評議員会の報告。明年9月にインドで開催される第33回世界大会のテーマの方向性について、CJLC等が加盟各教団の分担金等について審議された。この日の会議には、このたびIARF副会長に就任した一燈園の西田多戈止当番をはじめ、IARF国際評議員である山本行恭椿大神社宮司、三輪隆裕日吉神社宮司、三宅善信金光教泉尾教会総長らをはじめJLC各加盟教団の代表と関係者さらには国際事務局から猪熊俊吉氏ら16名が参加した。

一燈園で開催された第160回JLC会議の模様

一燈園で開催された第160回JLC会議の模様


6月5日(金) 第161回JLC会議   於 一燈園

2009年度第3回目のJLC会議(第161回)が一燈園の猗蘭寮で開催。前回の議事録承認に引き続き、第33回世界大会の準備状況について、国際事務局とJLC事務局から報告があった。特に注目されたのは、来年「創立百周年」を迎えるIARFの姉妹団体であるIALRW(国際自由宗教婦人連盟)の大会が、第33回IARF世界大会に先立って、同じ会場(ケララ州コーチ)で、2010年9月1日から4日までの期間で開催され、既にその詳細が決まりつつあることが報告された。また、9月29~30日に、宮崎県日南市にある一燈園の関連施設である『サンメッセ日南』を会場に第162回のJLC会議が開催されることになった。

一燈園で開催された第161回JLC会議の模様

一燈園で開催された第161回JLC会議の模様


9月29日(火) 第162回JLC会議   於 サンメッセ日南

2009年度のJLC当番教団である一燈園の関連団体が宮崎県の日南市で運営している地球環境教育体験型施設である「サンメッセ日南」で、第162回JLC会議を開催された。1996年にオープンしたこの施設は、一般には、イースター島長老会の許可を得て完全復刻された7体のモアイ像で知られているが、広大な園内の一番高い丘の上に、世界と日本の17の宗教の指導者の協力によって建てられた『地球感謝の鐘』が、この施設を意義づけている。

サンメッセ日南のシンボル「モアイ像」と「地球感謝の鐘」

サンメッセ日南のシンボル「モアイ像」と「地球感謝の鐘」

宮崎空港に東京・名古屋・関西各方面から集合した一行は、サンメッセ日南手配のバスで一路、会場へ…。あいにくの天候であったが、(株)サンメッセ日南の社長であり、一燈園の当番(代表者)である西田多戈止一師の出迎えを受け、地球感謝の鐘をはじめとする同施設内の人気スポットを見学し、一燈園がこの施設を建立するようになったきっかけについて学んだ。

続いて、同施設内の研修会議室で、第162回JLC会議が開会さて、ちょうど1年後に迫った第33回IARF世界大会の諸準備状況についての報告を国際事務局スーパーバイザーの三輪隆裕日吉神社宮司や同事務局員のロバート・パピーニ氏から受け、また、JLCへの新規加盟教団として「むつみ会(平岡満会長)」の加盟が全会一致で承認された。

サンメッセ日南で開催された第162回JLC会議の様子

サンメッセ日南で開催された第162回JLC会議の様子

JLC会議終了後、サンメッセ日南の最新施設で、薬鉱石の玉砂利を敷き詰めた薬石浴施設・嵐の湯「日南海岸モ・アイ」を体験し、この日の宿泊先である日南パームビーチ・ホテルで懇親会を催した。

今回のCJLCIARF会議には、既述の3人以外に、国際評議員である三宅善信金光教泉尾教会総長らをはじめ澤畠康友立正佼成会総務局外務グループ国際担当チーフ、芝幸介椿大神社厳禰宜、滝澤俊文むつみ会総務長、小島睦夫日本チャプター事務局長、横田佳代子IALRW前会長らJLC各加盟教団の代表ら13名が参加した。


12月1~3日
第2回UN DECADE準備会議に参加 於 ホーリークロス会研修センター

2011年から2020年までの十年間を国連「平和のための諸宗教間と諸文化間の対話と相互理解と協力の十年」(略称:「UN DECADE」)と規定し、真の国際平和の確立と維持のために、諸宗教間で対話と理解を進めることになったが、これを受けて、国連経済社会理事会に総合諮問資格を有する国際NGOを中心に、この意味ある十年間を国益のぶつかり合いの場である政府間のパワーゲームにすることなく、人類社会にとって真に意味のあるものにするために、チリのヘラルド・ゴンザレス博士が提唱し、宗教界が積極的にイニシアティブを取るように活動を始めたたことは、本年3月2~3日にニューヨーク郊外のメリノール修道会本部で開催されたUN DECADE第1回準備会の記事で述べたとおりである。

UN DECADE参加者による記念撮影

オーストラリアのビクトリア州にあるカトリック修道会のひとつホーリークロス会の研修センターで開催された今回のUN DECADE準備会議には、提唱者で事務局長を務めるゴンザレス博士をはじめ、老舗の諸宗教対話団体であるIARF(国際自由宗教連盟:本部大阪)WCF(世界信仰会議:本部オックスフォード)の代表、ニューヨークに拠点を置くレリジョンフォーピース(世界宗教者平和会議) やTOU(理解の殿堂)や、最近、発展がめざましい諸宗教対話団体であるCPWR(万国宗教会議のための評議会:本部シカゴ)URI(宗教連合イニシアティブ:本部サンフランシスコ)、さらには、国連欧州本部のあるジュネーブに拠点を置くWCC(世界キリスト教協議会)やCONGO(国連NGO協議会)、また、YMCAの国際連盟やボーイスカウトの国際連盟、さらには、WFB(世界仏教連盟)やユダヤ教・ヒンズー教・バハイ教・シーク教・ゾロアスター教などの宗教別の国際連合体の実務の代表四十数名が、2009年3月のニューヨークでの準備会合に続いて参加した。

食事の時間を利用して意見交換を行うテイラー、三宅、澤畠各氏

食事の時間を利用して意見交換を行うテイラー、三宅、澤畠各氏

IARF関係からは、駐ジュネーブ代表のジョン・テイラー博士、国際評議員の三宅善信金光教泉尾教会総長、澤畠康友立正佼成会総務局外務グループ国際担当チーフの3名が、ニューヨークでの会議に続いて出席した。


12月3~8日 万国宗教会議2009に参加  於 メルボルン市コンベンションセンター

12月3日から8日まで、メルボルン市コンベンションセンターを会場に、ダライ・ラマ14世をはじめ、全世界から数千名の宗教者集めて「万国宗教会議2009」(理事長:ウイリアム・レシャー博士)が開催され、IARF関係からは、トーマス・マシュー会長、国際評議員のホミ・ダラー世界ゾロアスター協会会長、三輪隆裕日吉神社宮司、三宅善信金光教泉尾教会総長他十名近くの関係者が参加した。

万国宗教会議会場で歓談するT・マシュー会長、H・ダラー国際評議員、三宅善信国際評議員

万国宗教会議会場で歓談するT・マシュー会長、H・ダラー国際評議員、三宅善信国際評議員

「万国宗教会議」は、コロンブスの新大陸発見400周年を記念して、1893年にシカゴで開催された「コロンビア万博」の際に、当時、急激にアメリカに増えつつあった非キリスト教とキリスト教徒の関係を規定するために開催された人類史上最古の諸宗教対話会議で、インドや日本を含む、世界数千人の宗教者が参加したのを受けて、その百周年記念行事1993年にシカゴで結成された諸宗教対話の枠組みで、その後、五年おきに南アフリカのケープタウン、スペインのバルセロナで記念大会を催してきた。IARFそのものも、1893年の万国宗教会議に大きな刺激を受けて、それに参加したユニテリアンの人々を中心に1900年にボストンでその産声も挙げた大変縁のある団体である。

5日には、IARFのインドにおける活動に焦点を当てた信教の自由と諸宗教間対話に関するパネルディスカッションが開催され、T・マシュー会長、H・ダラー国際評議員、J・テイラー駐ジュネーブ代表、ジーン・リーブス元ミッドビル・ロンバード神学大学院学長らがパネリストを務めた。


12月12日(土) 第163回JLC会議および納会  於 一燈園・華佳楽

2009年度最後のJLC会議(第163回)が一燈園の猗蘭寮で開催。いよいよ9カ月後に迫った第33回世界大会の準備状況について、国際事務局とJLC事務局から報告があった。特に注目されたのは、インドにおける諸プログラムや大会準備のプロセスが、日本人の基準からすれば杜撰であるのは、文化や風習の違い故、ある程度はやむを得ないことであるとも言えるが、高い公益性を有する国際機関としては、事業評価や執行予算管理のための「国際標準」を設けて、厳格にこれを適用しなければ、内外のドナーに対する説明責任が果たせないことが指摘されたことである。

一燈園で開催された第163回JLC会議の模様

一燈園で開催された第163回JLC会議の模様

また、国内においては、予算管理等は非常に厳格かつ効果的に行われているが、ここ三年間ほどは、実質的に国際事務局業務を国際事務局スーパーバイザーである三輪隆裕日吉神社宮司と、国際事務局の施設を提供している三宅善信金光教泉尾教会総長の協力体制で執行することに莫大な時間とエネルギーが取られていることによって、9月のサンメッセ日南訪問以外には、JLCとしての独自プログラムがほとんど行われていないことが指摘され、JLCとしての活動も活性化させる方途についても話し合われた。もちろん、年度末のJLC会議であるが故の決算も行われた。

料亭「華佳楽」で開催された2009年度納会の模様

料亭「華佳楽」で開催された2009年度納会の模様

その後、会場を一燈園からそれほど遠くない京都市山科区の料亭「華佳楽」に移し、納会が開催され、かつては、IARF国際財務担当を務めていた酒井教雄日本チャプター委員長(元立正佼成会理事長)が久しぶりにJLCに復帰したことなどの話題で大いに盛り上がった。