定例JLC会議
2017年度の活動
2月9日(月) 第202回JLC会議 於 金光教泉尾教会 神徳館
2月9日、2017年度のJLC(IARF日本連絡協議会)当番教団である金光教泉尾教会(大阪市大正区)の神徳館で第202回JLC会議を開催。今年度最初のJLC会議ということもあり、2016年度収支決算報告が行われ、今年度への繰越金4,374,839円と231米ドルと共に、前年度当番教団であった一燈園から今年度の当番教団である金光教泉尾教会へのJLC事務局引継ぎ等が行われた。この日、審議された主な国際関係の内容は、①4月中旬にオランダで開催される2017年度の国際評議員会への要望について、②2018年夏に北米で開催予定の第35回世界大会の開催地がワシントンDCに確定したことについて、③各国からの分担金の支払い状況や各加盟教団からの分担金の納付状況について、④前年(2016年)10月9日に一燈園で開催された第200回JLC会議記念難民支援シンポジウムの実績をIARFの公式サイト(英文)に掲載するための英文の内容が検討された。
この日の会議には、IARF副会長である三宅光雄金光教泉尾教会長と、赤川惠一国際評議員の代理として柳田季巳江立正佼成会外務グループ次長、西田多戈止一燈園当番、滝澤俊文むつみ会教務長、本山一博玉光神社宮司、日本チャプター事務局長の芝幸介師らJLC加盟各教団から11名の関係者が出席した。
4月19日~20日 2016年度国際評議員会 於 オランダ王国 アイムイデン
4月19日から20日にかけて、IARF(国際自由宗教連盟:W・ダイクストラ会長)の2017年度国際評議員会が、日・米・欧・中東・南アジアからの代表を集めてオランダの港湾町アイムイデンで開催され、日本からは三宅善信金光教泉尾教会総長と水藻克年立正佼成会ローマセンター長の2名が参加した。
今回は、各地域の活動報告や予算・決算の承認など通常の審議事項に加えて、来年夏に開催が予定されている第35回世界大会を控えて、任期4年の国際評議員の選任方法の決定や定款や規約の改正手続きの準備、さらには、次期世界大会の開催地の正式決定とホスト委員会の人選や大会予算の承認など、数多くの審議事項が上程された。
さらには、諸般の事情で今回の会議に出席できなかった青年ネットワーク代表のジャンビ・グプテ女史(インド在住)と、ケニアでのプログラムリーダーが、インターネット回線を用いたビデオ会議の形式で参加するハイテク会議となった。
なお、2018年7月末から8月初めにかけて予定されている第35回世界大会は、米国の主な諸宗教対話団体と協力して首都ワシントンDCで開催されることが正式に承認され、信教の自由やマイノリティの擁護などを目的としているIARFとして、これらの価値に対してネガティブな評価をしているトランプ政権のお膝元で、IARFの理念をアピールしてゆくことになった。
6月12日(月) 第203回JLC会議 於 金光教泉尾教会 神徳館
6月12日、金光教泉尾教会の神徳館で第203回JLC会議が開催された。会場提供教団の代表である三宅光雄金光教泉尾教会長による歓迎の挨拶に続いて、本山一博玉光神社宮司の先唱で開会の祈りが捧げられた。
事務局当番の三宅善信師による議事進行の下、 ①秋に東北地方で実施する計画のフィールドワークを、東北大学の鈴木岩弓教授の協力を得て、10月30・31両日に岩手県の遠野地方で実施することが決定された。現地集合・現地解散として、事務局が宿泊施設や視察ルート等の選定は事務局に一任された。 ②4月19・20両日、オランダのアイムイデンで開催された2017年度の国際評議員会の報告がなされ、財務理事からの辞任を表明したベッツィー・ダール氏の後任人事に手間取っていることや、2018年夏に開催が予定されている次期世界大会以後の国際評議員の定数および会長・副会長・財務理事の選出手順について、国際評議員会での審議内容についてJLCメンバーに説明された。
③ワシントンDCで開催予定の第35回世界大会の日程が、2018年7月29日から8月1日までの四日間で確定したこと。「8月中に会場の契約をする必要があり、手付金として20,000ドルが必要となる」とのことであったので、日本選出の国際評議員の代理として国際評議員会に出席した三宅善信師と立正佼成会ローマセンター所長の水藻克年師の判断により、IARF会計の中の「JLCの指定寄付金(約547万円)」から拠出する表明したことが報告され、承認された。所用で、三宅光雄師が途中退席した後、 ④日本チャプターが9月に北海道で予定している「草の根サミット」や、2月5日~8日にはクアラルンプールで開催されたIALRW(国際自由宗教婦人連盟)会議に、日本からはケティ松井氏とペギー金田氏が参加したことなどの報告が行われた。
最後に、西田多戈止一燈園当番の閉会の挨拶とIALRWケティ松井教授による閉会の祈りが行われ、閉会となった。なお、この日のJLC会議には、IARF副会長である三宅光雄金光教泉尾教会長と、赤川惠一国際評議員の代理として柳田季巳江立正佼成会外務グループ次長、西田多戈止一燈園当番、滝澤俊文むつみ会宗務長、本山一博玉光神社宮司、日本チャプター事務局長の芝幸介師、IALRW元会長のケティ松井教授らJLC加盟各教団から11名の関係者が出席した。
9月6日(水) 第204回JLC会議 於 金光教泉尾教会 神徳館
9月6日、金光教泉尾教会の神徳館で第204回JLC会議が開催された。会場提供教団の代表である三宅光雄金光教泉尾教会長による歓迎の挨拶に続いて、本山一博玉光神社宮司の先唱で開会の祈りが捧げられた。
事務局当番の三宅善信師による議事進行の下、①ウィツケ・ダイクストラIARF会長からのビデオメッセージが紹介され、その日本語訳文が事務局スタッフによって読み上げられた。 ②ベッツィー・ダール財務理事から「インドと国連代表を除く、イスラエル・パレスチナ、パキスタン、ケニヤ、バングラデシュ、チェコ等でIARFの援助を受けて実施されているプログラムの2017年度分の費用は6月~8月の期間に予算通りに執行された」旨の報告があった。 ③世界大会のホスト委員会のエリック・チェリー師から、次期世界大会の概要・スケジュール等の情報が共有された。世界大会の総参加者数が350~400名程度と仮定すると、日本からの従来の参加比率を参考に各加盟教団からの割り当て参加者の合計は、120名程度を目標とすることで認識の一致を見た。 ④次期の国際評議員・三役候補の人選の進捗具合の報告や2018年度の国際評議員会の開催時期等についての情報の共有が行われた。
⑤10月30・31両日に岩手県で開催される民俗信仰についてのフィールドワークの実施計画案の詳細が事務局から報告され、それを叩き台に、十分な検討がなされた。 ⑥加盟各団体からの報告では、9月26日~28日に北海道で開催される日本チャプターの「草の根サミット」の参加予定者が57名になったこと。7月23日に東京で開催されるIALRWの勉強会には60名以上の参加が見込まれること。ペギー金田氏が参加した6月21日~25日にニューオリンズで開催されたUUA総会には、3,500名が参加し、トランプ大統領の登場によって米国で大きな社会問題となっている人種差別問題について熱心に討議されたことが報告された。
閉会の挨拶をむつみ会の滝澤俊文宗務長が、閉会の祈りを一燈園の西田多戈止当番が行い、閉会となった。なお、この日のJLC会議には、IARF副会長である三宅光雄金光教泉尾教会長と、赤川惠一国際評議員の代理として齋藤絹予立正佼成会外務グループ員、西田多戈止一燈園当番、滝澤俊文むつみ会宗務長、本山一博玉光神社宮司、日本チャプター事務局長の芝幸介師、IALRW役員のペギー金田氏らJLC加盟各教団から11名の関係者が出席した。
10月30日~31日 岩手県で民俗信仰のフィールドワーク
10月30日から31日まで、岩手県の遠野市および三陸沿岸地域において、JLCメンバーによる「民俗信仰フィールドワーク」が実施され、西田多戈止一燈園当番をはじめJLC加盟教団から10名が参加した。
前日に日本列島を縦断した台風22号の影響で、関西や中部方面からいわて花巻空港へ向かう国内線各便が欠航したため、急遽、長駆新幹線での参加になったため、初日のプログラム開始が3時間ほど遅れたが、当初から新幹線を利用することになっていた東京からの参加者も含めて、30日の昼前に新幹線の新花巻駅で全員集合して、チャーターバスで遠野市立博物館へ向かった。「日本民俗学の父」柳田國男の『遠野物語』に登場する伝説や、伝説の残された年代の時代的及び地理的な背景、オシラサマや供養絵額など、遠野地方に残る独特の習俗や、類似の習俗がある東北の他の地域との違いなどについて、前川さおり学芸員から詳しい説明を受けた。
続いて、東日本大震災で大きな被害を受けた三陸沿岸部を車窓から視察しながら、釜石市を経由して山田町へ向かい、未だ仮設店舗で営業している「山田観光物産館とっと」にて、特産の養殖牡蛎や帆立などの貝尽くしで遅めの昼食…。帰路、釜石市の「津波記憶石」に立ち寄り震災の犠牲者に黙祷を捧げた。なお、西田師は、独り別行動で、陸前高田の「奇跡の一本松」へ向かい、震災後に被災地での行願を行った際にお世話になった寺院を訪問した。夜の8時頃に宿泊先である花巻市の中嶋旅館にチェックインして、翌日の案内役である東北大学の鈴木岩弓教授と合流し、この日の報告と翌日の見どころについて鈴木教授から解説を受けた後、懇親会を行った。
二日目は、鈴木教授の案内で遠野郊外の曹洞宗西来院を訪問し、瀬川什朗住職からこの地方独特の「供養絵額」について説明を受けた。「供養絵額」とは、江戸後期から明治にかけて、亡くなった家族(たいてい若死にした故人)を弔うために専門の絵師に依頼して、故人の全盛期の様子を多色で描いた額を菩提寺に奉納した風習で、写真が普及した後は「遺影」に取って代わられた。
続いて、遠野市内の「河童(かっぱ)淵」で知られる曹洞宗常堅寺を訪れ、「河童信仰」について学んだ。さらに、同寺院の墓地では、三十三回忌の弔い揚げの際に立てられる「二又の卒塔婆」など独特の風習の説明を受けた。さらには、遠野地方の古い建物を保存、往事の生活様式を展示している伝承園を見学し、昼食に郷土料理「ひっつみ」を食して後、道中で「眼鏡橋」と呼ばれる鉄橋を見学した後、新花巻駅、いわて花巻空港等からそれぞれ帰途に就いた。
なお、本フィールドワークには、JLC当番事務局として幹事を務めた三宅善信金光教泉尾教会総長はじめ、西田多戈止一燈園当番、滝澤俊文むつみ会宗務長、本山一博玉光神社宮司、日本チャプター事務局長の芝幸介師、ケティ松井IALRW役員のらJLC加盟各教団からの10名と案内役として鈴木岩弓東北大学教授が参加した。
12月13日(水) 第205回JLC会議 於 金光教泉尾教会 神徳館
12月13日、金光教泉尾教会の神徳館で第205回JLC会議が開催された。西田多戈止一燈園当番の先唱で開会の祈りが捧げられた後、会場提供教団の代表である三宅光雄金光教泉尾教会長による歓迎の挨拶が行われた。
事務局当番の三宅善信師による議事進行の下、 ①2018年夏にワシントンDCで開催される次期世界大会への早期割引登録の締め切り日が12月14日のため、本日(13日)中に各教団毎の参加予定者リストを提出する(後から人名の差し替え可)ことになった。 ②日本人参加者数に大きな影響を与える日英同時通訳の手配や宿泊先ホテルの状況について意見を集約した。なお、世界大会期間中は、テーマ毎の分科会が5つのトラックに分かれて実施されるが、その場限りの「言い放し」にならないように、半年以上かけて議論を進めていくという形式が取られていること等について説明された。
③JLCが属する東アジア地域からの次期(2018-2022年)国際評議員候補として、金光教泉尾教会の三宅善信総長と立正佼成会の柳田季巳江師外務グループ次長を推薦する。また、世界大会毎に選出している「シュバイツァー賞」の候補者についても話し会われた。 ④10月30・13両日に岩手県で開催された東北フィールドワークの事業報告と会計報告がなされた。 ⑤各加盟教団からの報告として、一燈園の運営するサンメッセ日南が、九州7県の「インスタ映え」ランキング1位を獲得したことが報告された。 ⑥2018年度は立正佼成会が当番教団となり、夏の世界大会までに、第206回JLC会議を1月17日に立正佼成会本部で、第207回JLC会議を3月23日に立正佼成会本部で、第35回IARF世界大会の関西地区事前学習会を5月19日に金光教泉尾教会で、関東地区事前学習会および第208回JLC会議を6月9日に立正佼成会本部で開催する日程が確定した。
最後に、2月19日から22日の日程で、金光教泉尾教会と立正佼成会の代表がワシントンDCの現地施設を視察するために訪米することが決められ、IALRW役員のペギー金田氏の先唱による閉会の祈りと、来年度の当番事務局を担当する立正佼成会の柳田季巳江師の閉会の挨拶で、2017年度のすべてのJLC会議は終了した。なお、この日のJLC会議には、IARF副会長である三宅光雄金光教泉尾教会長と、赤川惠一国際評議員の代理として柳田季巳江立正佼成会外務グループ次長、西田多戈止一燈園当番、IALRW役員のペギー金田氏らJLC加盟各教団から10名の関係者が出席した。なお、JLC会議終了後に2017年度JLC納会が道頓堀のふぐ料理店で開催された。