定例JLC会議
2023年度の活動
2月17日(金) 第229回JLC会議 於 立正佼成会 本部
2023年2月17日、第229回JLC(IARF日本連絡協議会)が立正佼成会本部事務庁舎を会場にしてオンラインを併用して開催された。最初に、一燈園の谷野創流氏が開会の挨拶を、日本チャプターの市川和一氏が開会の祈りを捧げ、慣例に従い、今年当番教団を務める立正佼成会総務部次長の佐原透修師が議長に就いた。
今回の議題案承認と前回の議事録承認に続いて、今年度最初のJLC会議ということもあり、2022年度収支決算報告が行われ、今年度への繰越金が前年度当番教団であったむつみ会から今年度の当番教団である立正佼成会へのJLC事務局引継ぎ等が行われた。
続いて、国際の動きについて牛尾里津子氏から、12月13日に国際事務局員のルカシュ氏から国際評議員宛てに、加重投票制を含む定款の改正案と投票方法についてメールが送られた。そのうちの1つに、定款の第9条MEMBERSHIP OF THE CIO (非営利活動法人の会員資格) 1項1号から、“within a country”の文言を削除してはどうかという案が含まれている。これは、複数の国にまたがっているチャプター(cross-border Chapters)の設立は定款で明確に禁止されているわけではなく、また、既にcross-border Chaptersは存在しており、その実態に合わすためとのことであるが、チャプターの設立は様々な状況が考えられるため、佐原透修師より、「1国1チャプターという原則は保持し、例外は国際評議員会の審議を経て認められることが会員資格方針にも定められているので、“within a country”は削除しないほうが良い」と返信した。それに対しロバート・インス会長およびルカシュ・リニエウィッツ氏より、cross-border Chaptersの設立を可能とする定款の改正案については、国際評議員会で既に話し合われたといった内容のメールが送られてきた。それを受け、2月14日に国際財務担当理事の三宅善信師から、「この件は確かに国際評議員会で話し合われたが正式な決議は行われておらず、削除しないほうが良いという佐原師と同意見である」というメールが送られた。チャプター設立についての問題は、①一国内に複数のチャプターが設立されること➁複数の国にまたがったチャプター(cross-border Chapters) が設立されることの2つがあり、特に➁の場合に、“within a country”の文言があることがチャプター設立の妨げになると国際事務局は主張している。また、現在、南インドと北・中央インドのチャプターメンバー間で不和が生じており、すでに既存のチャプターがインド国内にあるが、別のチャプターを設立したいとの話がプラカシュ・ラオ師よりあがっている。目的は違うが、国際事務局、EME、インドのあいだで、“within a country”の文言を削除する利害が一致している。
この件に関しては臨時総会で決議が採られる予定であるが、JLCとしては、「原則論として“within a country”は削除しない。ただし①も➁も例外措置として評議員会で審議を経て認められれば良いのではないか」という意見を推す。また、彼らの懸念にも対応するように三宅善信師より改めて、ⅰ)定款は原則論であり、むやみに細分化すべきではない。ⅱ)“within a country”の文言がcross-border Chaptersの設立を全面的に否定しているわけではない。ⅲ)その地域に特に問題が発生しないのであれば、国際評議員会でもcross-border Chaptersの設立が認められるのではないかといった3点を国際事務局宛(CC: 国際評議員)にメールを送ることになった。その上で、CIOとしてのIARFの定款を改定するための臨時総会を4月11日の22:00~24:00(日本時間)にオンラインで開催する旨の通知があったことが報告された。
さらに、牛尾氏より、本年9月にルーマニアで開催される第36回世界大会の予算と会場について報告があり、実際に現地で大会に参加する人の登録費が1人150ユーロ、オンライン参加者の登録費が30ユーロ、「青年」枠に該当するする人は、それぞれ半額ということになる予定であること、また、これまで、大会の会場に「信教の自由の家(House of Religious freedom)」が候補となっていたが、インス会長が現地での参加者数の見込みを100人から最多150人と変更しており、信教の自由の家では150人は収容できないため、会場を隣接するハンガリアンユニテリアン神学校にしたほうが良いとの案が挙がっていることなどが報告された。
続いて、JLCを代表して大会組織委員に就いている松井ケティ清泉女子大学教授から、1月27日にオンラインで開催された大会組織委員会に以下の決定事項が報告された。①大会テーマは“Faith in Reconciliation”(仮訳:宗教による和解)。②現地時間(ルーマニア)の9時~18時でプログラムを開催予定。③行程中、1時間の昼休憩と30分のコーヒーブレイクを2回とる。④オープニングでコバチ・イシュトバーン主教よりお話しいただく。⑤基調講演の候補に、デズモンド・ツツ師の御息女(デズモンド師のレガシーについて)、北アイルランドで統一のため和解を進めている宗教者(ピースプロセスについて)、エスター・スーター師から案があがった韓国と日本の和解についての3つがあがっている。⑥それぞれの地域で対話のビデオを作る。例えば、イスラエル(ユダヤ教、イスラーム、キリスト教の対話)、インド(それぞれの村でどのような人権活動に取り組んでいるか)、日本と韓国(戦後も続いている緊張状態からどのように和解の道を歩むか)、ウクライナ(ハンガリアンユニテリアン教会による難民支援活動)といった案が出ている。⑦大会組織委員会の中に、プログラムとテクノロジーを担当するサブコミッティをそれぞれ作る。⑧パネルディスカッションのパネリストには誰を招聘するか。⑨祝賀イベントの時間やビジネスセッションを持つ。
続いて、JLC加盟各団体から、それぞれの活動について報告されされた。
すべての審議事項を終え、三宅善信師が閉会の挨拶をむつみ会宗務長の滝澤俊文師が閉会の祈りを行った。なお、この日の会議には、上記の参加者に加えてJLC加盟各教団から13名(オンライン参加者を含む)の関係者が出席した。
4月11日(火) IARF臨時総会
2023年4月11日22:00(日本時間)より、英国に法人登記されたCIO(非営利活動法人)としてのIARFの「定款」の一部改訂を諮るための「臨時総会」がオンラインで開催された。総会の議長を務めるロバート・インス会長による開会の辞、ルカシュ・リニエウィッツ国際事務局員による定足数の確認が行われ、臨時総会の成立が宣言された。
続いて、本総会の議題として「CIO定款および会員資格方針」が承認され、執行役員会によって承認された「CIOの定款および会員資格方針の改正を採択する決議(決議 1/2023GM)」の原案が報告され、審議の結果、以下の6点が採択された。①定款第11条6項1号の最後の文を削除する。②定款第10条1項2号に、新しい投票制度の基本となる概要を追加する。③国際評議員の任期を再定義するため、定款第19条1項を改正する。④定款第31条 解釈に「世界大会」の定義を新たに追加する。⑤会員資格方針から第1条3項2号を削除する。⑥会員資格方針に新しく第1条5項を追加し、加重投票制度の規定を概説する。
最後に、この日の臨時総会の議論に参画したすべてのメンバーに議長からの謝辞が寄せられ、9月のルーマニアでの第36回世界大会での再会を期して、臨時総会の閉会が宣言された。
4月28日(金) 第230回JLC会議 於 立正佼成会 本部
2023年4月28日、立正佼成会本部事務庁舎にて第230回JLC会議が開催された。開会挨拶をむつみ会宗務長の滝澤俊文師が、開会の祈りを日本チャプターの市川和一氏が行い、慣例に従って、当番教団立正佼成会総務部次長の佐原透修師が議長に就いた。
まず、立正佼成会の廣田恭子氏より4月16日にオンラインで開催された国際評議員会の内容について報告があり、牛尾里津子氏より3月にインス会長夫人が逝去した件とEME(欧州中東地域)の財務担当のルーシー・マイヤー女史から、長年EMEで集めたメンバーシップ料の1/3を国際分担金として負担してきたのを、今年から1/2に増額する旨の報告があった件が紹介された。国際財務担当理事の三宅善信師からは、SRIファンドの募集終了に伴い、SIファンドについて投資会社に問い合わせるようインス会長に依頼していたが、「SDGsに配慮した投資に移行したい」との話があった。また、やむをえずSIファンドとGIファンドを統合して、一つのファンドの中で帳簿上、2つに区切って管理、運用していくことが確認された。
次に、秋にルーマニアで開催される第36回世界大会の事前学習会が、立正佼成会の大聖ホールで6月21日(註:後日、7月7日に変更)12:30から開催されるJLC会議に続いて、15:30~17:00にハイブリッド形式で開催され、講師の選定中であることが報告された。
続いて、廣田氏より、以下の3点について確認があり、承認された。①教団ごとに、IARFのウェブサイト上から大会参加費や朝食・夕食、寮宿泊、事前ツアーなどの登録作業と費用の支払いを行うこと。②教団ごとに、フライトの手配、ホテル宿泊の場合はその予約と支払いを行うこと(世界大会にフルで参加する場合の最短日程は、9月3日中にクルジュナポカ入り、7日にクルジュナポカ発となる)。③会場周辺のホテルの候補を3つほど、事務局からJLC全体へ提供する。なお、投票権数分の人数はできるだけ現地参加するのが望ましいという意見もあったが、JLCとしてはオンラインでの参加もありえる、ということが確認された。
最後に、各加盟団体からそれぞれの活動報告が行われ、三宅善信師による閉会挨拶、IALRWの松井ケティ教授による閉会の祈りで、第230回JLC会議は終了した。
7月7日(金) 第231回JLC会議ならびに第36回世界大会事前学習会 於 立正佼成会 本部
2023年7月7日、立正佼成会本部大聖ホール前室にて第231回JLC会議が開催された。開会挨拶を一燈園当番の西田多戈止師が、開会の祈りを日本チャプターの市川和一氏が行い、慣例に従って、当番教団立正佼成会総務部次長の佐原透修師が議長に就いた。
前回(第230回)JLC会議の議事録が一部の字句訂正後、承認されたのに続き、国際の会計に関する報告が国際財務理事の三宅善信師からなされた。続いて、9月にルーマニアで開催される第36回世界大会の準備状況について、立正佼成会の廣田恭子氏より、以下5点について報告と相談事項が共有された。①松井ケティ師よりメールで共有された、組織委員会における確認事項について。②同時通訳を導入するプログラムについて。③同時通訳費の支払いおよびJLCの大会寄付金について。④各教団の参加予定者数について。⑤その他の案件について。
最後に、各加盟団体からの報告に続いて、次回(第232回)JLC会議の開催日程を、世界大会終了後の9月26日にすること決め、閉会の挨拶を国際財務理事の三宅善信師が、閉会の祈りをむつみ会宗務長の滝澤俊文師が務めて第231回JLC会議は閉会した。
JLC会議に続いて、大聖ホールで、第36回IARF世界大会の事前学習会が、『Faith in Reconciliation (和解の信仰)』と題して、長年、WCRP(世界宗教者平和会議)国際副事務総長を務めた経験のある杉野恭一立正佼成会学林長を講師に開催された。
9月4日~7日 第36回世界大会 ルーマニアのクルジュナポカ
2023年9月4日から7日まで、トランシルバニア(ルーマニア西部のハンガリー系住民の多い地域)の都市クルジュナポカで、IARFの第36回世界大会が開催された。
クルジュナポカのユニテリアン大聖堂において開催された開会式には、ローマカトリック教会、ルーマニア正教会、ルター派教会など、この地に主教座を置く6つのキリスト教教派の主教たちをはじめ、イスラム教、ヒンズー教、仏教、ゾロアスター教などの代表が聖壇に登壇した。金光教の三宅善信師が、神道を代表して全員のトップバッターで祈りの言葉を述べた。この集まりには、ルーマニア内務省の宗教担当長官も出席し、祈りの後、IARF会長とホストのユニテリアン主教と長官が挨拶を行った。長官は、その後も、基調講演から開会レセプションまで、数時間にわたって参加して諸宗教人々と意見交換した。
9月5日朝、世界大会の二日目は、「諸宗教の朝の祈り」に続いて、世界大会毎に開催される「総会」が開催された。「総会」はIARFの最高意思決定機関であるが、その役目は、定款の改定と正副会長と国際財務担当理事を含む13名の国際評議員を選出することであり、ここで選出された国際評議員は次の世界大会までの4年間、「総会」に代わる意思決定機関として、年度毎の活動計画の策定や予算・決算の承認等を行う権能を有する。特に今回は、非常に稀なケースであるが、正副会長・財務担当理事の3人の執行役員が同時に退任するので、国際評議員の人選が難航した。
そのような中で、三宅善信代表はIARF国際財務担当理事として、過去5年間の財務報告を行ったが、3年半におよぶCOVID-19のパンデミックの影響で、世界各地で実施される多くの活動が中止され、また、国際評議員会もオンライン会議の形式を取る他なく、激減した収入と支出の環境下で難しい予算管理を実施した旨を報告し、「総会」での承認を得た。また、9月6日に行われた各宗教別の祈りでは、立正佼成会総務部次長の佐原透修師が「仏教の祈り」を、三宅善信師が「神道の祈り」を英語で行い、参加者から質問に答えた。また、この世界大会のホストを務めたハンガリー系ユニテリアン教会が隣国ウクライナで継続している支援活動の詳細が報告された。
9月7日には、1970年代から80年代にかけて西ドイツのフランクフルトにあったIARF国際事務局のスタッフとして、その後、現在に至るまでオランダでEME(IARF欧州中東地域)の財務理事として長年にわたって貢献したルーシー・マイヤー女史への特別表彰が行われ、ロバート・インス会長からジョージ・マーシャル会長への会長の引き継ぎが行われて、123年の歴史をほこるIARFの第36回世界大会が閉幕した。
10月25日(水) オンラインで国際評議員会
2023年10月25日22:00(日本時間)、9月にクルジュナポカで開催された第36回IARF世界大会で選出された新しい評議員による国際評議員会がオンラインで開催された。
新評議員の顔ぶれは、CIO法人の執行役員として、ジョージ・ウイリアムス会長(フリーシート枠、米国)、アーユス・ソニー副会長(RFYN枠、インド)、ピーター・ルプール財務理事(EME、オランダ)に、英国に法人格を置く関係上、必ず1人以上の英国人を執行役員に指名しなければならないために、評議員ではないが前会長のロバート・インス氏、国際評議員として、東アジア地域の谷野創流氏(一燈園)と佐原透修師(立正佼成会)、北米地域のアリシア・フォード師(UUA)とジョン・ヤング師(米国チャプター)、EME(欧州中東)地域のボブ・キャロル師(イスラエル)とピーター・ルプール氏、南アジア地域のスレンドラ・ブラウン博士(インド)とプラカシュ・ラオ氏(インド)両名は欠席。RFNY(青年)枠のアーユス・ソニー氏、IALRW(女性)枠でIARF国連代表を務めるエスター・スーター博士、フリーシート枠のジョージ・ウイリアムス博士、第36回世界大会時に一期限定で特別枠として選出されたハンガリアン・ユニテリアン教会のシャンドル・クリスティーナ在家共同会長(ルーマニア)の正式メンバーに加えて、前国際財務理事の三宅善信師など約10名のオブザーバーとしてオンライン会議に参加した。
12月11日(月) 第233回JLC会議 於 立正佼成会 本部
2023年12月11日、立正佼成会本部事務庁舎にて第233回JLC会議が開催された。開会挨拶をIALRWの松井ケティ教授が、開会の祈りをむつみ会宗務長の滝澤俊文師が行い、慣例に従って、当番教団立正佼成会総務部次長の佐原透修師が議長に就いた。
最初に、前回(第232回)のJLC会議の議事録が原案通り承認された。続いて、国際事務局から、インドの大学とオランダのペイガン団体の加盟申請が承認された件。世界大会までの選出プロセスに疑義の出ていた南アジア枠の国際評議員2名を再選定中である件について報告があった。
続いて、昨年4月の第230回JLC会議の際に、金光教泉尾教会長の三宅光雄師から問題提起されていた「JLC各加盟団体のIARFに対する姿勢や考え方についての確認」についてJLC各加盟団体の代表からそれぞれの意見が表明され、引き続き検討していくことになった。
国際の会計については、牛尾里津子氏から5年間国際財務担当理事を務めてきた三宅善信師から新財務担当理事ピーター・ルプール氏への引継ぎが完了し、11月からはWiseの法人口座管理も含めて後任のピーター・ル・プール氏が国際事務局員の給与などの支払いを行っている件が報告された。
また、新たに会長になったジョージ・ウイリアムス博士がJLCとの懇談の機会を希望しているようであるが、次回のオンライン国際評議員会の直前か直後に実施するのが現実的だが、時差の関係で深夜になってしまうという点や高額な同時通訳料の負担をどうするかなどの課題がある点が示された。
その後、各加盟団体からの活動報告があり、次回(第234回)のJLC会議を来年度の当番教団である一燈園で、2月9日に開催することが決定され、閉会の挨拶を三宅善信師が、閉会の祈りを谷野創流氏が行って、第233回JLC会議は閉会した。なお、引き続き、会場を移して納会が開催された。